ギルドへ登録
読んでいただきありがとうございます。
「終わったか。どうだった?」
門番さん(ガルシアさんというらしい)が待っていてくれた。
「自分と彼女は冒険ギルド、佐藤さんは商業ギルドへの登録を勧められました。」
「そうか、それじゃあ案内しよう。」
門番さん(ガルシアさんというらしい)はまず商業ギルドへ案内してくれた。佐藤さんを連れてカウンターへ行った。佐藤さんの登録が終わり、
「さて、次は冒険ギルドへ行きましょう。」
私たちの番だ。
「この通りはギルド通りと言って、各ギルドが軒を連ねています。」
商業ギルドから5分ほど歩いたところに冒険ギルドはあった。ガルシアさんは先に受付の人へ説明をし、私たちをカウンターへ呼んだ。
「事情は伺いました。こちらで登録するにあたり、通常はタグの発行手数料を頂くことになっておりますが、紹介状があるので無料で登録いたします。紹介状を出していただけますか?」
慌てて神官からもらった紹介状を出す。受付の人は紹介状を見て、
「わかりました。ではこちらのパネルに手を置いて下さい。」
教会が水晶玉だったからこっちもそんな感じかと思ったら、カウンターの下からiPadのようなパネルが出てきた。
「ではゆっくりと魔力を流して下さい。」
「魔力を流すって、どうするんですか?」
「えーと、手のひらに意識を集中して下さい。」
じわりとパネルに乗せた手が熱くなった。
「はい、登録完了しました。タグができるまでそちらでお待ち下さい。次はそちらの男の方ですね。」
私がするのを見ていたからか、手際よく登録を済ませる。
「では次にランクの確認をするためにこちらへお越しください。」
カウンターの奥の扉へ案内された。そこは冒険者の強さを確認するための部屋で、試験官が数人控えていた。
「格闘家タイプの方です。オーエンさんお願いします。」
名前を呼ばれてオーエンという試験官が手を挙げた。
「新人、こっちへ来い。」
「魔導士タイプの方です。ランディさんお願いします。」
青い服を着た男性が私を手招きした。
「さて、佐藤さんは私とここで見学しましょう。」
コロシアムのような部屋。楕円形の闘技場へオーエンは真人を連れて行った。
「お前のレベルを確認するから、本気でこい。」
オーエンは余裕で真人に言った。
「よろしくお願いします。」
ペコリとあいさつをし、真人はオーエンへ打ち込んだ。ランディは椅子に座り、私を隣へ座らせた。
「まず魔力の強さ、コントロールを見せてもらうが、どの程度できているのかな?」
魔法なんてない世界にいたのだから、そんなものわかるわけがない。
「実は私たち、今日こちらの世界に来たばかりで何もわからないのです。」
私は簡単に説明した。
「なるほど、渡り人ね。では初歩的なことから教えないといけませんね。立って下さい。」
立ち上がった私の前にランディが立ち手を握る。
「いいですか、これから私があなたに魔力を流します。それを体で感じて下さい。」
じわりと右手から何かが流れてきた。温かい。体中にその温かいものが流れて左手から出て行った。
「魔力の流れは感じましたか?それでは今度はあなたが私に魔力を流して下さい。」
ゆっくりと右手に意識を向ける。何かが体から抜けていく感じがする。
「そうそう、上手ですよ。ゆっくり、ゆっくり。」
ランディの体を巡った魔力が私の体に戻ってくる。不思議な感覚だ。
「はい、これはあなたが魔法を使える証拠です。この世界の人は微弱ながらみんな魔力を持っていますが、『使える』というレベルはこの魔力流しができないと駄目なのです。さて次は、魔力の属性は何ですか?」
「あ、雷だと思います。」
「思います?」
「はい。獣に襲われたときに無我夢中で放ったみたいで。」
ランディはあごに手を当て考える。
「ふむ、ではこちらへ。」
建物の裏へ出た。たくさんの板に穴が開いた的が並んでいる。穴の大きさは手前からだんだん小さくなっている。ランディはその的の奥に金属の棒を立て、
「そちらから先ほどの魔力流しの要領でこちらの棒をめがけて打ち込むように魔法を放って下さい。」
えーと、呪文とか要らないのかな?ハッ、エイ!と言いながら右手を前に突き出してみる。
何も出てこない。
「よし分かった。こっちへ来て。」
私を棒の前へ立たせると
「この棒を握って。」
的にしていた棒の上を握る。
「それに向かって自分の魔法をイメージし、全力で魔力を流して。」
頭の中で雷をイメージする。それをここへ・・・パチパチ。静電気程度の雷が出た。
「そうそう、いいですよ。では、少し離れてやってみましょう。」
今度は1mくらい離れたところから同じことをする。
「先ほどよりもっと強いイメージを持って。」
必死に念じる。バチバチと音を立てて棒に雷が当たる。さっきより強くなった。もっと強く、もっと強くと念じながら魔法を繰り出す。眩暈がしてその場に座り込んだ。
「魔力切れのようですね。ここまでにしましょう。」
ランディは持っていた紙に何かを書いた。
「これをもって受付へ行って下さい。詳しくはあちらで聞いて下さい。」




