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こっちで元気にやってます  作者: 楠 螢
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いつもと違う朝

真人視点です。

今日はいつもより早く家を出た。弟を学校まで送っていくためだ。体の小さな弟はいじめられているのか、よくけがをして帰ってくる。来年は中学生になるが、身長が150cmもない。可愛らしい顔をしているので、よく女の子と間違えられる。

「えへへ、兄ちゃんと一緒に登校するっていいな。」

とても嬉しそうだ。まだまだ親に甘えたい年頃だが、自分の家はそんな感じではない。両親はどちらかというとネグレクト気味で、自分たち兄弟に興味がない。何に興味があるかは知らないが、仕事はきちんとしているようだ。そして出かけるときにはお金だけは置いていてくれるから、食べるのには困らない。物心ついた時から、親の代わりに弟の面倒を見てきた。

「今日の晩御飯は何がいいか?」

「お肉―。」

「よし、肉だな。とんかつにしよう。」

「やったー!」

そんな会話をしながら、小学校までの道のりを歩いていた。」

「兄ちゃん、僕早く帰るね!今日はお手伝いするよ。」

嬉しそうに校門をくぐり、教室に向かって走っていった。

駅に向かう道路を歩いていると、後ろから誰かが走ってくる。3年近く通っていると駅に向かう人の顔だけは覚えてしまうくらいこの道は人通りが少ない。前方の信号が赤に変わった。自分を追い越したところでその人の走りも止まった。渡れないと判断したので走るのをやめて歩き出したのだ。随分と走ってきたのだろう。少しふらつきながらゆっくりと歩き出したその時、自分たちの周りが光りだした。見ると直径3mくらいの円形の模様が道路に浮かび、それが光を放っている。その円の中に自分と彼女とサラリーマンの男性3人が入っている。やばい、これはあれだ。と思って円の外に出ようとしたとき、彼女がぶつかってきた。

「あ、ごめんなさい。」

「いえ・・・。」

完全に外に出損ねた。見る見るうちに光は強くなり、そのまぶしさから周囲が見えなくなり、光が消えた時には自分たち3人は完全に見知らぬ所に立っていた。

さて、どうしたものか。周りを見渡しても人も家も見えない。あるのはうっそうと茂った森だけだ。あっちに行ったら危険度が増しそうだ。ひとまず反対側に向かって歩いていった方がよさそうだ。2人に声をかけようとしたその時、

「な、なんだよここ!今日は会社で大事な会議があるのに!いったい何がどうなってるんだ!!!」

かなりご立腹のようだ。そりゃそうだろう。交差点で信号待ちをしていたはずが、こんなわけわかんないところにいるのだから。彼女も不安そうに立ち尽くしている。そもそもここはどこなのか。誰かに聞きたいが人はいない。日本かどうかも怪しい。足の高さほどある草の中から、かすかに音がするのが聞こえる。

「ねえ、何か犬の唸り声みたいなのが聞こえない?」

「聞こえますね。森の方からでしょうか。」

ガサガサという音とグルルルルという声が徐々に近づいてくる。少し身構えたその時、見たこともない獣が飛びかかってきた。

「うひやぁー!」

サラリーマンは慌てて自分たちの後ろに隠れる。彼女を守らなければ!必死になって応戦する。ドーベルマンのようなその獣は確実に急所を狙って飛びかかってきた。持っていた鞄で獣を叩き落としたが、なかなか相手は諦めない。それどころか、唸り声の数が増えている気がする。

「きゃあ!」

彼女の悲鳴に振り向いた。怖くて後退りしたら転んでしまったようだ。だが、やつらはそのチャンスを逃さなかった。一斉に草むらから飛びかかってきた獣の数は、自分たちの予想を超えていた。駄目だ、助からない。

「イヤァーーーーーー!!!!!」

激しい稲妻が獣たちを襲った。一体何が起こったのか?

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