第12話「五星結集!結城家、防衛戦!」
「……一人で背負わせない。あやめさんも、みんなも」
智也の体から溢れ出した黄金の光は、暗闇に沈んでいた結城家のリビングを昼間のように照らし出した。それは、四百年前の「ゆき」が秘めていた巫女の力と、今世の智也の強い意志が混ざり合った、温かくも鋭い輝きだった。
「智也……。あなたの魂が、共鳴しているの?」
あやめが驚きに目を見開く。その隣で、智也はあやめと共にかつての愛刀の柄を握りしめた。
「ふん。器が少し光ったところで、何が変わる!」
庭に陣取った黒装束の男――神代の刺客が、黒い泥のような怨霊をけしかける。だが、その攻撃が智也たちに届くよりも早く、鮮やかな旋風が闇を切り裂いた。
「智也の家の庭で、勝手なことしないでくれる!?」
みくるが叫びながら、物干し竿を武器に怨霊を叩き伏せる。その背後には、テニスで鍛えた圧倒的なフットワークがあった。
「本庄グループの防犯ドローン、展開完了ですわ。……逃がしませんわよ、ネズミ一匹!」
結がスマホを操作すると、家の周囲に数十機のドローンが滞空し、目眩ましのごとき強烈なフラッシュを放つ。
「……私のデータによれば、その怨霊の核は『左肩』。……紗季ちゃん、狙える?」
このみがタブレットで敵を解析し、冷静に指示を飛ばす。
「……お兄ちゃんの邪魔、させない」
紗季は、このみの言葉に合わせて、家の御札を貼り付けた弓矢を引き絞る。結城家に代々伝わる古い護身の術。放たれた矢が正確に怨霊の核を射抜いた。
◇◆◇
「なっ……なんだ、こいつら……。たかが女子高生たちが……!」
刺客がうろたえるのも無理はなかった。目の前にいるのは、それぞれが比類なき才能や力、そして智也への強い想いを秘めて集まった少女たちなのだから。
「……智也。今のあなたなら、できるわ」
あやめが智也の耳元で囁く。
「私の『朔』としての力と、あなたの『ゆき』としての光。……二人で、あの闇を浄化しましょう」
「……ああ、いこう。あやめさん!」
二人が同時に踏み込む。黄金と白銀の光が螺旋を描き、巨大な一閃となって刺客を飲み込んだ。轟音とともに、結城家を覆っていた不気味な気配が霧散していく。
◇◆◇
「……はぁ、はぁ。……終わった、のか?」
膝をつく智也に、五人のヒロインが駆け寄る。
「ちょっと智也、大丈夫!? 顔色が真っ青じゃない!」
「すぐにお医者さまを呼びますわ! 本庄の医療チームを!」
「お兄ちゃん、……お水……」
賑やかな、いつもの声。智也は、あやめがそっと隣で自分の手を握りしめているのを感じていた。
「……ありがとう、みんな。……助かったよ」
「……ゆき」
あやめが小さく、智也だけに聞こえる声で呟いた。
「……今回の刺客は、神代の本家でも過激な一派。おじい様……総帥の命令じゃない。……でも、これでわかったはずよ。第四勢力は、もうすぐそこまで来ている」
ふと、智也は庭の隅に、人影を見た気がした。ボロボロの制服を着た、幸人。彼は智也とこのみが寄り添う姿を一瞬だけ見つめ、何も言わずに闇の中へと消えていった。
防衛戦は終わった。けれど、これはまだ始まりに過ぎない。五人の少女たちとの絆を深めていく智也の前に、世界を揺るがすさらなる巨大な影が、静かに忍び寄ろうとしていた。
(第12話「五星結集!結城家、防衛戦!」おわり / 第13話へ続く)
メインヒロインのひとり瀬能 みくるが歌う、
「ゆめみる、ゆき、あやなす、むすび。」の挿入歌です
『LIGHTNING STEP』
架空アニメ 「ゆめみる、ゆき、あやなす、むすび。」挿入歌
歌:瀬能 みくる
https://suno.com/s/HvhAB3SypkOzkIKQ




