ロボット対操
三人と三匹は順調に部屋を制圧していった。しかし、操は不信感を胸に抱いていた。
「くもお、三人からの連絡は」
《特にないよ。みんな無事なことはわかってるよ》
「(おかしい。いくら、剛が囮になって引き付けているとは言え、こんなに人がいないなんて。何よりこんな簡単に制圧できるはずか・・・。待てよ。三人でそれぞれ制圧しているにしては時間がかかりすぎていないか)」
それは正解だった。現に侵入してから三十分は経っていた。すでに奴らが動き出していた。
突然、操の頭上から何か巨大なものが転がってきた。
「え?」
操は反射的にくもおの超能力を使い、何かを壊そうとした瞬間、何かが巨大なロボットになり、向かいの壁まで吹き飛ばされる。操は吐血し、その場から崩れ落ちる。意識が朦朧とする。
《操、起きて》
操は頬に触れるか触れないのかのギリギリで右ストレートをよける。操は体勢を立て直し、指からくもおの糸を出し、ロボットに向かって切りつける。しかし、糸は絡まるだけで、ロボットに傷一つ付けることができない。ロボットは糸を掴み、操を床に向かって投げ飛ばす。今度は受け身を何とか取り、致命傷は免れたが、体はすでにだいぶボロボロだった。
「(どうしよう、今日は作戦のためにくもおしか持ってきていない。このロボットの硬さはくもおの能力と相性が悪い、糸で防いだとしても、力でごり押してくる。こうなったら、僕の超能力を使うしか・・)」
空元操の超能力【空間操作】は、座標がわかる場所同士をつなぐゲートを出現させることができる。しかし、操は座標が分からない場合ゲートを目に見える範囲でしか、出すことができない。何より、かなりのエネルギーを消費するため、一日に五回しかすることができない。
《大変だよ。他の二人も襲撃されてるって連絡が来た》
「(泳がされていたのか。相手は僕を対策したロボットを仕掛けてきた。つまり、他の二人にも対策をした何かを仕掛けているはず。どこから情報が漏れたんだ。)」
ロボットは操が考え事をしている間に右手を上げ、操に向け、勢いよく右ストレートを放つ。操は事前にくもおの警告を聞いており、攻撃をかわし、くもおの糸で武装した腕でロボットを殴る。辺りに金属同士がぶつかり合う音がなるだけでロボットには傷一つつかない。
「他人の心配している場合じゃないな」
操はロボットから距離を取り、首元にゲートを出現させ、切断しようとするがロボットがそれに気づき、操に向かってタックルする。それによりゲートの位置がずれる。あと四回。
操は吹き飛ばされ、壁に亀裂が入る。しかし、さっきとは違い、後ろにくもおの糸でネットを作ることにより、少し威力を軽減することに成功した。操が数歩歩くと、ロボットはまたタックルしようとしてきた。操はそれを見逃さずに、ロボットの前にゲートを作り、壁に激突させる。壁が崩れ、奥に通路が現れる
「(いくら探しても、見つからないはずだ)」
そう、防衛省の建操健太の超能力【建築操作】によりこの建物を操作し、ロボットや壁を作りだしたのである。
ロボットは操のゲートを警戒し、攻撃を仕掛けてこない。
「(あと三回。ゲートは同時に出すことはできない。このまま警戒されれば、攻撃を仕掛けることができない。ロックを外すか、いやダメだ。ボスにこれは使いたい。どうにかロックを解除せずに、倒す方法を・・・!?。こうすれば攻撃が通るかも。賭けだけどやるしかない。
「(くもお、お願いがある)」
《何?》
「(■■■■■■■)」
《そんなことできるの?》
「(わからない。でもやらないと作戦が失敗する)」
《わかった。やってみる》
操が再び、ロボットに向き直す。ロボットはゲートを警戒し、下手に近づこうとしない。それがロボットの敗因とは知らずに。
「さぁ、実験を始めようか」




