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カチコミ

バイオレンス団の基地に向かって、操たちは出発していた。しかし、操は頭を抱えていた。

「どうしてこんなことに……」

 数時間前、操たちは画たちと一緒の任務を拒否していた。しかし、その考えは数秒で改められた。

 理由は簡単である。

 任務のご褒美がとても豪華だったからである。力魅は大量のお菓子、剛は大量のお金、操はしばらくの自由を報酬として与えられるからである。

 操は少し不本意だったが、多数決で負けてしまったのである。

 作戦会議を終え、今に至る。

 操が後悔していると、画が優しく背中を叩いた。

「大丈夫だ。お前たちは死なない」

「そこを心配しているわけじゃないです。僕が心配しているのは、しゃっちゃんたちです。いくら保険とはいえ……」

 そう、今回の作戦はとてつもないことをしている。

 それは、操の力の分配である。

 正確には、操が作った生物たちを力魅と剛に貸すということである。

 貸すことはできるが、生物と適合しなければならない。その結果が、力魅にしゃっちゃん、剛にティレイである。

 二人が話していると、香澄が運転室から声をかけた。

「そろそろ着きます。出る用意をしてください」

「というか、香澄さんの超能力【透明化】、すごいですね。まさか、自分以外の物や生物まで透明化させることができるなんて」

 画が静かに頷き、香澄は少し顔を赤くしていた。

 そうこうしていると、ランプが赤く光った。

 それは出撃の合図だった。

 後ろのハッチがゆっくりと開き、外の景色が見え始める。

 操と剛は拳を握りしめ、力魅はぼーっと突っ立っていた。

 それを見かねた画が、

「出撃せよ!」

 と大きく号令をかけ、四人は一斉に飛び降りた。

 外はとても暗く、分厚い雲が空を覆っていた。

 各々がパラシュートを展開し、操は屋上へ、剛は正面入り口から、力魅は裏口から、それぞれ突入し、作戦通りに行動を開始した。

 一方、画は少し離れた場所から大きな画用紙を取り出し、絵を描き始めた。

 剛は作戦通り、【硬質化】を使い、敵部隊を徐々に無力化していった。

 剛が敵を引き付けている間に、他の者たちがボスの部屋を見つける。

 そういう作戦だった。

 しかし、ここに来て問題が起きた。

 それは――

「こちら、操。無事に侵入し、部屋を探しましたが、屋上と三階にはない模様。どうぞ……。返事がない!?」

 そう、通信が遮断されたのである。

 これでは、誰がどの部屋を確認し、どこをまだ調べていないのかがわからない状態になってしまう。

 全員がこの状況に気づき、焦っていた。

 しかし、三人の耳にどこからか声が聞こえた。

《二人は大丈夫そうだよ。今、連絡があった》

「誰だ」

「誰?」

「うるさい」

《僕はくもお。しゃっちゃんとティレイを通して、直接連絡しているよ。だから通信妨害は気にしなくていいよ》

 一人を除いて胸をなで下ろした。

 しかし、三人は忘れていた。

 画とは連絡が取れないことを。

     ◇

 施設の地下五階。

 ここには今、幹部四人とボスがいた。

 そしてボスが口を開き、幹部たちへ命令を下す。

「防衛省はあの装置を起動させ、侵入者を排除しろ。外務省は財務省を奪還してこい。国土交通省は外務省を奴らの基地へ送り次第、防衛省の手伝いをしろ」

「「「了解しました」」」

 三人がその場を去り、静まり返ったボスの部屋には、ボスともう一人だけが残っていた。

「私はどうしますか?」

「お前は俺のそばにいろ。いざという時は頼む」

「わかりました。ボス」


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