地域のなかで、すくすく育っていこうとする子どもたちへの応援歌―ももたろう
私は、絵本読み聞かせサークルの一員である。場所は小学校。一時間目が始まる前の、朝学習の時間にクラスに入って、絵本を読み聞かせする機会を頂いてる。回数は少ないものの、入会して今年で八年目になり、低学年から高学年まで様々な学年で経験させて頂いた。
それも今日で卒業を迎え、最後となる読み聞かせとなった。最後は、私らしい一冊で、と準備を進めていた。
それとは、五味太郎さんの「だれでも知っているあの有名なももたろう」という一冊。
五味太郎さんは我が子にも小さい頃から読み聞かせていて、お馴染みの大好きな作家さん。絵柄も可愛くて、この絵本にも、可愛らしいキャラクターたちが、所狭しとわいわい描かれている。
この絵本のももたろうは、みんながよく知っているももたろうとは、ちょっと違った視点で描かれていて、とてもユーモアたっぷりなお話となっている。
題名にもあるように、とても有名な「ももたろう」だが、その認知度は、わが国において、ほぼ100%だそう。100%? すごすぎやしないだろうか。
「子どもに語り継ぎたいお話」というアンケートでも首位を獲得する、こちら、ももたろう。その理由として、「一人では困難なことでも、仲間と協力して目的を達成する」ストーリーとして首位をキープしてるのだとか。正直、そこまで考える前に、自然と知ってしまっている昔話と言えそうではないか、とも思うのだが。
「ももたろう」の成立は、室町時代末から江戸初期の御伽草子とされる。各地の伝承、特に岡山県吉備地方の伝説をもとに作られた。成立時期としては新しいと言えそうだが、この人気。神の子を育て、福を授かると言う、昔話のパターンだが、桃から生まれたその桃と言うモチーフも、邪気を払う果物として、いかにも神聖で、強そうなイメージだ。
五味太郎さんの「ももたろう」はその独自の視点で、新しいももたろうの面白さを伝えてくれる。地域のなかで、すくすく育っていこうとする子どもたちへの応援歌と言えそうだ。おじいさんも、おばあさんも、イヌもサルもキジもオニたちも、みんな大にぎわいの大さわぎ。こんな世の中だったら、と平和を願う思いなのだ。
読み聞かせは、淡々と。なんだかとても集中して聞いてもらって、恐縮な限り。もっとわいわいするかな、なんて思っていたところでしたが。
きびだんごも振る舞えたら良かったですが、今日はここまで。ありがとうございました。




