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かけがえないんだろう、と騙されてあげる  作者: 今井葉


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小豆色に煮えたら出来上がり。―枕草子

 風邪気味かな⋯と自分を労わりたい時。もちろん風邪で食欲もなさそうなときなど。そんな時に炊きたい小豆粥。今日も大好物、小豆の話を。




 台所へ向かう私。引き出しを開けてガサゴソ。小豆なかったかな。確かストックしていたはず⋯とばかり。




 ありました。小豆です。




 発酵小豆で甘く頂くのもいいけれど、今日は、そう。お粥で食べたいのだ。



 『枕草子』第二段にもある、小正月の祝の小豆粥。この日は小豆粥を食べる風習があった。十五日は望月なので、望粥もちがゆとも言うらしい。無病息災を願って食べられた望粥。季節外れの望粥だけれど、だからこそ食べたい。小豆は元気がほしいときに、いつだって食べたい食材だから。




 小豆は浸さず、すぐ煮てもいいお豆。たっぷりの水で炊く。一時間も煮ると煮崩れるから四十分くらいだろうか。




 炊けたら、一人用の土鍋に冷やご飯を。そこに煮汁ごと小豆を入れ、お粥になるまで煮るのだ。



 

 小豆色に煮えたら出来上がり。




 私の贅沢ご飯。枕草子では、粥を炊いた薪で女性の尻を打つと男の子が生まれるという風習で、明るい新春の様子が描かれている。縁起のいい話にもあやかって頂く小豆色。胃に染み渡る優しさだ。




 季節の変わり目で暑かったり寒かったり、身体の不調が出やすいこの頃。そんな時の労わり飯にいかが?





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