~解答編~
参加してくださった読者探偵の皆様、また、事件編を読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
この解答編はコラボ作家のコイコイ氏の推理編と連動しております。
まだ拝読されていない方は、先にそちらを読んでからお読みくださいますようお願い申し上げます。
参加してくださった読者探偵の皆様の中で、完全解答をされた方のユーザーネームは後書きにて発表致します。
果たして完全解答の推理をされた読者探偵の方はいらっしゃったのか。
コラボ作家のコイコイ氏の推理は的中していたのでしょうか。
自信満々な顔を向ける天野を、天音は鼻で笑った。
「違うわよ! 貴方は5を一筆で書くの? 私は2画で書くけど」
「確かに、私も横棒を後で書くわ」
麻里佳も天音に同意すると、天野は俯いた。
「だから、子供が余計な事に首を突っ込むなって言ったのよ」
天音が溜め息混じりに呟くと、その場の全員が『アンタも子供でしょ?』と言いたいのをグッと堪えた。
「では、私からお話しましょう」
天音がゆっくりと真相を語り出す。
天音の突き付けた推理と証拠に、犯人は膝を付き、暴れる事も無く、警察に連行されて行った。
「伊織川さん。君には負けたよ……完敗だ」
そう言って右手を差し出した天野に、天音は腕組みしながら言う。
「何か勘違いしてるみたいだから言っておくけど、私は貴方と勝負なんかしていないわ。事件を解決するのに勝負とか不謹慎極まりないわね」
天音は「ふん」と鼻を背けると、目も合わせずに言った。
「……貴方の推理も割りと良かったと思うわよ?」
天音の言葉に、驚きと恍惚の表情を浮かべる天野の顔を、麻里佳は「お? お?」と見定めて、ニヤニヤする。
「天音……恐ろしい娘」
麻里佳は天音をクスッと笑うと、それに気付いた天音が麻里佳を横目で睨む。
「何よ……」
「なんでもないっ!」
ニヤケ顔の麻里佳が天音に背を向けると、園崎警部が満足そうに子供達を撫でた。
「天音さん、皆、ありがとう! ご協力に感謝するわ」
そう言って子供達に敬礼すると、成木刑事もそれに倣う。
「学校まで送るわね」
TV局の玄関まで見送りに出た園崎警部が、車のドアを開けると、天音がドン引きして園崎警部を見る。
「園崎さん。何の冗談ですか?」
「いや、良い機会かなって……」
車の上で赤色灯が回っているのを見て、天野は興奮している。
「私達は悪い事してないのに、パトカーになんて乗りたくありません!」
「そうよ! 大樹じゃあるまいし」
「いや、乗ろう!滅多に乗れないよ?」
女子児童の意見に反し、天野だけは嬉しそうにはしゃいでいる。
「嫌よ! 乗りたきゃアンタだけ乗りなさい」
「そうよ! 犯人みたいで私イヤ!」
2対1で否決されたパトカー送迎を残念がる天野も乗せて、成木刑事の運転する覆面パトカーは石川小学校へ向かって、颯爽と走り出したのだった。
解答編 終わり
残念ながら、コイコイ氏の推理は的中していませんでした。
そして、続いては見事、完全解答をされた読者探偵の方の発表です。
完全解答達成者
0人
残念ながら、こちらも完全解答達成された読者探偵の方はいらっしゃいませんでした。
犯人は的中していらした方はいらっしゃったのですが、ダイイングメッセージの読み解きが不完全だったため、不正解とさせていただきます。
ご了承ください。
尚、参加してくださった読者探偵の皆様へは、真の解決編を参加賞として送付致しますので、ご確認ください。
事件の真相は語られませんでしたので、新たな読者探偵の方は、事件を推理してみては如何でしょうか。
暇潰しにはなるかと思います。
短い間でしたが、私の推理作家の端くれとしての活動はこれを最後にし、これからは埋もれた名作を探す旅に出ようと思います。
ご拝読ありがとうございました。
拙著を読んでくださった全ての皆様へ心からの敬意を込めて。
小日向 雛子