エピソード4:上京編5ーかずまさんとの別れー
こちらは『エピソード4:上京編4』の続きになります。
中絶を経験した私は、当然病んだ。
当時まだTwitterだったアカウントで、同じ様に中絶経験のある方のツイートを日々読んでは泣いていた。
かずまさんには、「いつまでそんなの見てるんだよ」そんなことを言われた。
忘れられるはずがない、一つの命を私は殺したんだから。
ただ…今になって思うのはその選択肢が間違いではなかったな、ということである。
確かに当時18の私と精神疾患を持っていたかずまさんとでは、子供を産んでいても幸せにはしてあげられなかっただろう。
それでも私の人生における唯一の後悔には間違いない。
かずまさんは、いつの間にかアルバイトすらやめていた。
私は心が回復して暫くして、アルバイトを始めた。
某大手飲食チェーン店のホールスタッフ。
コミュ障を治したくて荒療治にはなるがあえてホールスタッフを選んだ。
「いらっしゃいませ」…その声も、オーダーを読み上げる声も最初は小さかったと思う。
ただ、徐々に周りから「しえる声大きくなったね」そう言われるようになり、嬉しかったのを覚えている。
会計時にお客さんが「美味しかった、また来るよ」そう言ってくれることにもやりがいを感じていた。
かずまさんとの日々は…喧嘩が絶えないようになってきていた。
ある夜、何でかは忘れてしまったけど大喧嘩をした。
私は荷物をまとめて、「私のモノ返して」と伝えた。
当時、私は通帳もかずまさんに渡していたのだ。それを開いて呆れ笑いがでた。
バイト代だってその通帳に入るはずなのに、残高がほぼゼロだったからである。
「出ていくならもう家に入れないよ」そうかずまさんが言った。
私はその言葉を無視して、約一年転がり込んでいたかずまさんのマンションを後にした。
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『エピソード4:上京編6』に続きます




