表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/35

決断

静寂がその場を包む。


「はい……禁術…そう呼ばれています。」


モロは観念し、鞄の中の骸骨に手をかざし、やがて人型の骸骨が出来上がる。


カタッ!


「...実際に動くとこ、初めて見たわ。」


「...学園で...この魔術を使ったら...退学って言われて...どうしたいいか....分からなくなって...」


「ふむ。禁術の中でも骸骨操術と呼ばれ、特別危険視される魔術だ。

 学園で使った君は今頃、魔術協会が必死に探しているだろうね。」


「で、でも…僕、本当に何もしてないんです。ただ、みんなに自慢したかっただけで…」


骸骨を見つめ、二人に訴えかけるように言葉を紡ぐ。


「君がいくら危険ではないと言ったところで、

 世間は君のことを…化け物を操る…恐怖の対象。として見るだろうね。」


「わ、悪いことをしたわけではないのは分かるわ。でも…」


再びの静寂に耐えられず


「すみません。もう…帰ります。」


「待ちなさい。…君が帰ると言うのなら、止めはしないよ。ただし…そうだな。」


「...君に、選択肢を与えようか。」


「一つ。ここを出て、彼らに捕まるか。」


「もう一つ。この場に留まり、僕達の仕事を手伝うか。」


指を二本立て、その子供に決断を迫るように促す。


「…僕は……どうすれば……」


「ちょっと。相手は子供なのよ!」


「だからこそだよ。その魔術は、君のような子供が使っては…いや…”使えてはいけない魔術”…なんだ。)

 君がその魔術を手放し、魔術協会に捕まるのも...僕達と共にその魔術に向き合うのも...

 全ては君次第だよ。」


「僕は…」


骸骨を見つめ、一人ぼっちだった時、それに出会った時の事を思い出す。


(このまま魔術協会に捕まれば、僕は…禁術使いとして、一生怖がられることになるのか...)


骸骨は、何も言わずにモロを見ている...まるで、その選択を見届けるかのように。


モロは決心したように、ドリューの顔を見る。


「僕は…この魔術を認めてほしい。僕にしか使えない…特別な魔術なんだって。

 でも…誰かを傷つけたいわけじゃ…ない…です。だから…その…」


「ここで働いて、二人に認めてほしい!この魔術は人の役に立つものなんだって!」


「…ちゃんと言えたじゃない!」


エヴァがモロの頭を撫でる。


「理由としては十分だ。よし!」


「今日から君を、この便利屋ドリューの見習いとして雇おう!」


「ほ、本当ですか!」


「ちょうど一名、欠員が出たところだしね…」


「あの馬鹿シンバね。」


「モロ…初仕事だ。エヴァに着いていって、一緒にシンバを捕まえてきてくれないかな?」


「も、もちろんです!」


「あと…その格好は目立つからね。そうだな…ちょっと待っててくれ。」


と言うと、彼は入り口とは反対に位置する扉を開ける。


——


しばらく経つと、ドリューはモロの身長に合う服とズボンを持って戻ってきた。


「売らずに取っておいてよかった。」


「どうしたの…それ。」


「どうしたって…僕が子供の頃に着てた服さ。」


エヴァとモロは顔を見合わせ、彼女は小さな声で、


「あいつも、中々の変わり者でしょ?ま、貰えるものは貰っときなさい。」


「あ、ありがとう…ございます。ドリューさん。ハハっ」


その服を見て、乾いた笑いをした。


「ふむ。僕のお下がりが嫌なのかい?大丈夫。ちゃんと綺麗に保管してたからね。」


「そうじゃなくて!どう見たって…見つかったらダメな子が着る服じゃないでしょ?」


彼が持ってきた服は、至る所にキラキラと光加工が入った、目立ちたがりが着るようなコート。


「だからこそ…だよ。」


ドリューは不適な笑みを浮かべた。


——


「ど…どうですか?」


「ま、まぁ。似合ってる…かも?」


「うん。似合ってるよ!」


「それじゃ。いってらっしゃい!」


「い…いってきます!」


少し恥ずかしがりながら、そう言い、便利屋ドリューの外に出る。



先程まで薄暗かった路地裏を、てっぺんまで登った太陽が照らす。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ