エディとヒナ・前編
修練場には、エディと仮面の骸骨、エヴァとヒナが向き合うように立っていた。
「ヒナちゃんは、初めて見るわよね。この仮面を被った人が、エディのパートナー。一緒に依頼をする…仕事仲間って感じかな?そうよね、エディ?!」
エヴァは、少し語気を強め、口裏を合わせるよう目線でエディを説得した。
「そ、そうです!な…名前は…。」
ヒナは小首を傾げ、その言葉の続きを待った。
「ノ、ノワール!ノワールさんだよー。よ、よろしくねー。」
仮面の骸骨改め、ノワールを操り、モロの頭と接触するほど、深々とお辞儀した。
「ぷふっ!ノ、ノワール…ふふっ。」
(笑わないでくださいよ!…か、かっこいい…ですよね。)
エヴァの反応を見ると、少し顔が赤くなったエディ。
「……?」
そんな様子を不思議そうに眺めるヒナだった。
——
「改めて、エディとノワール!今日から、私達と一緒に特訓するわよ!」
「よろしく…ね。エディ君と、ノワールさん。」
「よ、よろしく!ヒナちゃん。…エヴァさん。いきなり実戦とか…言わないでくださいよ。」
「ちょっとエディ。私はそこまでスパルタじゃないわよ!まずは、そうね。実戦における心構え…から始めましょうか!」
そういうと、修練場の床に座り、二人も続くように床に座った。
—
「実戦…その名の通り、魔術を使って実際に戦うこと…ヒナちゃんは座学とかは得意だけど、実戦は苦手…なのよね?」
「そう…なんです。実戦になると、魔術が上手く使えなくて。相手を傷つけると思ったら…身体が動かなくなって。」
ヒナは実戦の事を思い出し、少し体が震えた。
「うん。それも、よくわかるわ。…エディも、よく聞いて欲しいのだけど、実戦って言っても、相手を倒すことが目的じゃないの。」
「倒すことが…目的じゃない?…学園では、相手を倒さないとダメだって…。」
エヴァのその言葉に面を食らったように、目を丸くするヒナ。
「もちろん…倒すのも大事よ。でもね、一番大事なのは…相手を”無力化”する事。相手に反撃の余地を与えないことなのよ!」
「無力化…ですか。」
「倒さずに無力化する…うーん。」
「エディ。考えてみてちょうだい!相手を起き上がれなくなるまで、その杖で攻撃するのと…その杖で拘束して、起き上がれなくするの。」
「…あ!拘束した方が…楽?」
「そう!ヒナちゃんも、その【花吹雪の魔術】。相手を倒すことを一番に考えてないかしら?」
「私も…倒す以外に、この魔術を使うなんて…考えたことなかった。」
エヴァの心構えに対して、興味を示す二人だった。




