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学園での記憶

モロは俯き、骸骨が収納された鞄を抱きしめ、当てもなく彷徨っている。


(...家に帰ったら...同じように...怒られちゃうよね...)


(禁術のことを...知らなかっただけなのにな...)


(どうして、こうなるんだ...)


浮かんでくるのはルミナス学園での記憶…


——


魔術は、学園に入学して数ヶ月経てば、自然と使えるようになる。


それが、この国の常識だ。


魔術は各人に一つずつ使える能力であり、使うのには魔力を消費する。


例えば、ルミナス学園の学長は【時の魔術マギア】を使い対象の時間を操作することができる。


モロがルミナス学園に入学してしばらく経つと、周りの生徒が次々に魔術を習得していった。


しかし、彼はいくら時間が経っても、魔術が使えなかった。


——


教室に移動する際…


「お前、まだ魔術使えないんだってな?!だっせ。」


モロは俯き、その子供の発言を無視する。


「うん?なになに、俺の魔術見せて欲しいって?魔術が使えない…落ちこぼれのこの僕に?

 たく…しょうがねーな。」


その子供が右手に魔力を集中させ、モロの足に触れた。


ズサァー!


その瞬間、片方の足が重くなり、派手に転んだ。


「ははっ!おい、前を見て歩かないからだぜ!」


——


魔術の授業にて…


「あの子。また見学してる!」


「ほんと。迷惑だから…さっさとやめてくれないかな?」


パンパン!


「はいはい…皆んな!ちゃんと集中しないと、あの子みたいになるわよ!」


その教師は手を叩き、生徒に言い聞かせるようにそう言った。


——


教室にて…


「ねぇねぇ…まだ魔術使えないの?」


「魔術が使えないま?!」


「魔術使えなくて草なんよ。」


(魔術が使えないのって...そんなに...いけないこと...なのか。)


——


「僕はただ、すごいって…褒めて欲しかっただけなのに。」


それすら望んではいけないのではないかと思うほど、彼の学園時代の経験は、壮絶なものだった。


その経験と、今朝学園で起こったことを思い出すと、自然と涙が溢れてきた。


「うぅ…ぐすっ。…うわーん!」


地面にうずくまるように膝をつき、泣きじゃくった。



スゥー


ふと、頭上に冷たくて、硬い何かが触れたように感じ、涙を拭き、顔を上げる。


その感触は、人の手のような...


「骸骨…さん?」


しかし、そこには…何もなかった。


ここは路地裏のようで、日中にもかかわらず、薄暗かった。



突然、路地裏の奥から悲鳴が聞こえた。


「た、たすけてくれぇー!」


(このまま、なにもしないよりは...)


その音のする方向に向かって歩き出した。

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