第212話:殺意と救済の心
「「「「「「…………」」」」」」
仕事も全員終わったということで。俺が俺を含めて七人分の飯を作って振る舞っていたのだが。「今日は何をしていたの?」と圧のある声でリンゴに問われ、サヨリ姉と一緒にいたと答えると、リンゴが繊維を走らせた。もちろん切ったがな。
で、「スターガーリー51の星空野シータについてくらい知ってるよな?」という発言をした後、彼女が俺を性的に狙っていることを暴露。ルイとタマモは詳しく知っているが、他の連中は話を把握している程度。まぁリンゴとかはグラビア撮影の時に俺が星空野シータとお茶しているのを知っているし、他の連中も全く知らない話ではなく。だが、クールエールが仕込んだ盗聴器の記録を聞いて、大多数は唖然として、時間経過とともに憎悪を滾らせた。まぁ自然に人道上の常識を持っていれば当たり前の話ではあるのだが。
「で」
それから佐倉の御家がこうこうこういう風に動きますけど、ルイさんとタマモさんにおいては許可してくれるでしょうか? という断罪前の被告者にも似た俺の言葉に。
「マアジ」
「…………やるなら徹底的に」
もはや俺が言っていることを理解しているのかも怪しい目で、彼女らは俺を応援した。
「えーと。いいのか?」
「シータちゃんを抱くとかそういう話じゃないんでしょ?」
それはそうだが。
間違い無いっちゃその通り。けどなぁ。
「おにーさん。灰燼に帰すくらいやっちゃってにゃ」
「ええ。お姉様。正義は我にありデス」
「マアジと星空野シータが……あぁッッ」
「そういうことなら俺から言えることは無い。暗殺が必要になったら言え」
いや、リンゴに人殺しをさせる気は無いぞ?
「とにかく」
コホン、と咳払い。
「許可も得たわけだし。この作戦で行きます」
「ただ問題が一つあって……」
ルイが深刻そうに腕を組む。
「何か作戦に穴があったか?」
俺に気付けない不備があるなら聞いておきたいところ。
「この作戦……成功したら……」
「したら?」
「シータちゃん……まず間違いなくマアジに惚れるぞ」
「…………ですね」
「間違いにゃいにゃ」
「お姉様は素敵デスから」
「シータちゃん……はぁはぁ……」
「テスタメイトの女がもう一人……むぅ」
「そのこと心配してんの?」
「大事なことだぞ。絶望から救われたら女の子は恋をするの。ソースはサヤカ」
「おにーさん♡ 今日は誰と夢を見るにゃ?」
うーん。すっごい説得力。
「でも止める気は無いんだろ?」
「まぁマアジには何時もカッコよく女の子を救ってほしいしね」
ルイって俺をどういう風に見ているんだろ?
「なので、じゃあそういうことで。申し開きもないが。この作戦でいかせてもらいます」
「了解だぞ」
「…………承知」
「だにゃ」
「デスデス」
「あはぁ♡」
「くくく」
もうコイツ等が何考えているのかも把握が難しいな。
「さて、じゃあ皿洗うか」
今日の飯は皿うどんだったのだ。大きめの皿を使った。
「マアジ。コーヒー」
「はいはい」
立っていなくても俺を使うルイに、コーヒーを淹れるのも既に俺にとっては日常で。
「…………手伝いますよ……マアジ」
「わたくしもですわ」
健気にも手伝ってくれるのはタマモとアワセ。大体この二人は俺のことを慮ってくれる。別にだから好きとかそういうわけじゃないが涙がちょちょ切れるよね。
「すまんな」
「…………別にこれくらい」
「作戦の方に謝っているのであれば不義理というものですわよ?」
「納得しづらいのはわかってるんだ」
「…………それでも……マアジがそういう人だから……あたしもルイも惚れたんです」
「わたくしも……ですわ」
キャピッとウィンクするアワセ。まぁコイツもこうしているまともに映るのだから不思議の極みではあるんだが。
「何を言っても野暮にしかならんな」
「ええ。なので。何時もの通りにカッコよく。女の子を助けてください」
「ルイが危惧した通りにシータが俺に惚れたらどうする?」
「挟んであげますから」
「タマモ……おっぱいでマウントは」
「…………あたしのおっぱいはマアジのモノだから」
「わたくしもいいですわよ?」
まぁそう言われると童貞が疼くのもしょうがないんだが。
「善処します」
「そうしてください」
「さて、俺は天国に行けたらいいんだが」
「…………地獄に堕ちたらあたしが引っ張り上げてあげます」
「いや、俺は糸を登っていても、後続に文句言うタイプだから」
あのストーリー同様に。
「…………むぅ。……困りましたね」
「大いに困ってくれ」
さて、そうすると。後は星空野シータの予定を聞くしかなく。もう春休みも後半だし、そんなに時間は無いし。学校が始まる前に決着を付けたいところだが。
「マアジ~。コーヒー」
はいはい。
どうにもルイは俺の淹れるコーヒーにこだわっているらしい。俺から手渡されると二割五分美味しく感じるらしい。影響力が高いのか低いのか。
「ふぅ」
そうして皿洗いも終わり、その後は風呂。もちろん俺は最後。別にアイドルでダシを取った風呂を味わおうとかそういうつもりはなく。アイドルに俺の汗を付けないためだ。……多分……本当……間違いない。
「一緒に入ってもいいんだぞ?」
「やめろカカシ。その術は俺に効く」
というわけで、俺は最後に入るわけだが。
「はー。さっぱり」
昨今Eカップに昇格したルイがナイトブラに彼シャツ姿で風呂から上がってくる。
「…………いいお湯でした」
さらにHカップにギリギリのGカップのタマモまで彼シャツで上がってくる。下に履いているのはピンク色のパンツで、お尻も大きく、バインボインだ。本当にこの二人はアイドルをしていなかったら男に狙われたであろう逸材だ。でもそのバインボインが俺のモノなんだよなー。夢の中ではいくらでもしてるけど。シミュレーションは抜群だ。今日もするけど。
「マアジ♡ 目がエッチ♡」
「…………とても心地いいですね♡」
お前らは可愛いし巨乳だし安産型だし。自分らが男にどういう目で見られているのか分かって言って……いるんだろうなぁぁ。




