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推しのアイドルが所属しているグループのメンバーが俺の家に入り浸る  作者: 揚羽常時


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189/220

第189話:奢りで食う飯も好き好き


「というわけで。今日は私の奢りだよ!」


 わー。パチパチと拍手が飛んだが、ほぼ全員が思っていた。


『なんで星空野シータが?』


 番組を撮り終わってスタジオを辞した俺とオメガターカイトを待ってた星空野シータが、


「じゃあマネージャーさん。御飯に行こうねー」


 という挑発をオメガターカイトが躱せるはずもなく。


「全員一緒に」


 という意見で満場一致。


「じゃあ私が奢るよ」


 という鶴の一声で、牛丼屋に。最初は回転寿司というエンタメを提案されたのだが、杏子以外が反対した。というのもこの前、出前で寿司を食ったばかりだ。焼肉はホワイトデーに俺とルイとタマモが食っているし。じゃあ近場で無難な、となると牛丼屋はちょっとチープだが悪くない選択肢。全員が思い思いに牛丼を頼んで、今日の収録で使ったカロリーを補填している。もちろん奢り権限で星空野シータは俺の隣。


「美味しい? マネージャーさん」


「美味いけどお前の功績じゃねーだろ」


「あー。そう言うこと言うんだ?」


「飯を奢ってくれることには感謝してる」


「ホシガリのマネージャーしたら毎日でも奢るよ?」


「引き抜きをしたいならエンタメプロに話を通せ」


「ウチの事務所から交渉はしてもらうように頼んだんだけど」


 まぁ引け腰だろうな。以前のワンマン経営ならいざ知らず。今のエンタメプロは大株主に佐倉コーポレーションがついてるし。わざわざ分かっている地雷を踏み抜く業界人もいないだろう。


「佐倉財閥の令息なんだよね?」


「間違ってはいないな」


「お金持ち?」


「どっちかってーとヒモというかタダ飯ぐらいというか」


 佐倉財閥に関係したいなら他の男の愛人になった方がまだしも贅沢できる。ほぼ既婚者だが、愛人くらいは普通に許容範囲だし。


「私はマネージャーさんが気に入ってるの」


「出直せ」


「ホシガリのセンターアイドルじゃ足りない?」


「まったくもって」


 大根おろしとポン酢のかかっている牛丼を食べながら、俺はあっさりとギロチンの紐を切る。


「キスしてもいいんだよ?」


「俺が望んでねぇ」


「私が望んでるの」


「…………」


 ヒョイ、と俺は指を差す。


「ッッッッッ」


 ジト目で杏子がこっちを睨んでいた。オメガターカイトは全員広い席で思い思いに座って牛丼を食っている。俺と星空野シータだけが別席だ。分ける必要があったかと言われると疑問だが、オメガターカイト全員と俺が仲良くしている場面を見られてもそれはそれで嬉しくないので。


「角夢杏子ちゃんってもしかして……」


「色々ございまして」


 他の連中も心穏やかとはいかないだろうが、杏子の手前、感情を押し殺している。杏子だけには関係を黙秘と局中法度を順守している。なのでここで俺と星空野シータに嫉妬の感情をむき出しに出来るのは杏子だけだ。


「アイドルとしてそれはどうなの?」


「お前が言うか? ここで? 今?」


 スターガーリー51のセンターアイドルが俺にコナをかけておいて?


「私はほら。別にやめてもいいし」


「事務所が困るだろ」


 数十億円の損失だ。


「でも別に今の状況を歓迎もしてないしさ」


 それ、ファンの前で言うなよ。


「マネージャーさんが駆け落ちしたいなら付き合うよ?」


「一人で富士の樹海に行け」


「骨は拾ってくれる?」


「香典に図書券を包んでやろう」


「マネージャーさんはもうちょっと私のことを阿ってさぁ」


「牛丼の金額程度にしか機嫌はとれねーよ」


「じゃあ今度はホテルのディナーに行こうね」


「割り勘な」


 身も蓋もないことを俺は言った。そうして牛丼を食べ終えて。


「シータさんは佐倉くんをどう思ってるの?」


 全員分の支払いを星空野シータがして。そのまま牛丼屋の前で解散。全員が三台のワゴンに乗って帰る。ちなみに計九人なので、一台のワゴンには俺と杏子と星空野シータ。で、他のオメガターカイトがいないからだろう。ツッコんだ疑問を杏子がした。


「うーんと。面白い男の子だなって」


「好き……とか?」


「好きだよー」


「佐倉くん?」


「ブレてないから心配するな」


 それは星空野シータだけにだけじゃないが。とりあえず近場の駅で星空野シータを下ろす。


「私はマネージャーさんの家に行ってみたい」


 血が流れるのでダメです。ヒョイと首根っこを掴んでワゴンから降ろし、後は電車で帰ってもらう。あとに残ったのは俺と杏子とワゴンの運転手。


「私は佐倉くんの家に行ってもいいよね」


「きゃっか~」


 なわけで都内の一軒家。杏子の家に送って、別れの言葉を贈る。


「せめて最後にキスを……」


「残念ながらな」


 さよならだけが人生さ。


「ふい。疲れた」


 なんで番組の収録よりその後のことで疲労を覚えるんだ。そうしてマンションに帰って部屋のドアを開けると。


「お帰りなさい♡ マアジ♡」


 杏子以外の全員が、俺の帰りを待っていた。しかも全員スク水で。


「寒くないか?」


「暖房はつけてるし」


 俺が言ってるのは気温の事ではなくてな?


「マジで襲うぞ」


「それ目的なところもあったりして」


 だろうよ。


「まぁ飯も食ったし。サービスしてくれるなら俺としても文句はないが……。っていうかルイとタマモとイユリはパッツンパッツンだな」


「…………スク水って何ですかね」


「お姉様は巨乳好き?」


 嫌いな奴の方がマイノリティだろ。


「一番ハマってるのがサヤカだよなー」


「サヤポンはロリ枠だからにゃ!」


 なんというか。スットントンでとってもスク水が似合ってる。


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