表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しのアイドルが所属しているグループのメンバーが俺の家に入り浸る  作者: 揚羽常時


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

184/220

第184話:待ち伏せ


「…………くぁ」


 欠伸をして。眠気を押さえながら俺は学校を出る。そうして校門を抜けようとして。


「マネージャーさん♪」


 溌剌な声が俺を呼んだ。何なんだよあんたは。と言いたかったが、まぁそれはそれとして。学校の校門で待ち伏せして、俺を張っていた人間をそんなに俺は知らない。ついでに相手が俺をマネージャーと呼ぶということは、そんなに候補もあがらないわけで。


「…………」


 銀色の髪にグラサンとマスク。これでコンビニに行けば強盗かと疑われかねない。よく学校側も彼女に注意勧告しなかったものだ。


「何か用か?」


 俺が聞くとサングラスをちょこっとずらして、宝石のような瞳を見せる。それも一瞬のこと。


「お茶しない?」


「断る理由はないが。疑問くらい提起していいか?」


「マネージャーさんが気に入ったから」


 さいですかー。


「っていうか。マネージャーさんも嬉しいでしょ?」


「いやまったく」


 だからむしろ俺はあっさりと言った。


「素直じゃないなー」


「そういうのは御母堂の腹ん中に忘れてきた」


 そもそも元の親を知らんのだが。アイドルフェスであったあの人が親だとして。


「もちろんここで名前を呼んじゃいけないんだろうな」


「私は別にいいけどね」


 スターガーリー51のセンターアイドル星空野シータ。まさかそんな大物がウチの学校に顔を出すなんて大日如来も思うめえ。


「俺に恨みでもあるのか?」


「無いとは言えないかなー」


 何もしてねーぞ。


「私を蔑ろにしたでしょ?」


「ああ、過去は振り返らない主義なの。俺」


「だから。来ちゃった♪」


 分かりやすく可愛い子ぶっているところ悪いが、俺には通じんぞ。あと、学校の校門ということで注目を集めている。俺がどうこう言う気は無いが、相手がバレれば週刊雑誌に載ってしまう。仕方ない。付き合うか。


「どこに連れて行ってくれるんだ?」


「どこがいい?」


「お茶って言っていたから喫茶店とか?」


「うん。まぁ。いいチョイス」


 良くなかったらどうする気だったのだろう。


「だいたいお前にも都合があるだろうが」


「今日はお仕事があったので学業はお休みです」


「頭いいのか?」


「まーったく。大学進学は諦めてるかなー」


「ふーん」


「まぁアイドルだけで生涯賃金は稼げそうだし」


「自慢か?」


「佐倉コーポレーションのマネージャーさんには通じないと思うな」


 仰る通りで。


「っていうかスキャンダルの元ネタだろ」


「誰も私だって思ってないし」


「ホシガリのシータちゃんがねぇ」


「だから私欲しがりなんだ♪」


「男の趣味が悪いにもほどがある」


 一応ルイとタマモに対する皮肉だとは知っているが、それでも言わざるを得なかった。


「マネージャーさんは私の事迷惑?」


「迷惑♪」


 音符マークを付けて、俺は断言した。


「やはー。そう言うの好きよ」


 ドMだったのか?


「あながち間違ってもいないかなー」


 それはそれはご苦労様で。


「髪色はどうやって変えたんだ?」


 今の彼女は銀髪ヘアーだ。もちろんアイドルをしている時は黒髪だ。


「ヘアカラースプレー。シャワーで洗えば取れる奴」


 便利な時代になったもんだ。


「そこまでして俺に会いに来たのか?」


「愛に来たんだよ」


 いや、聞く分には違いわかんないから。それ。


「っていうか、マネージャーさんって腐男子なんだね」


 あえて誤解は解くまい。俺は注文した店のオリジナルブレンドを飲みながら、遠い目をした。


「ちなみに今の推しカプは?」


「六冬」


 ノータイムで答える。一応ログは漁っているんでコメントと齟齬は発生しない。問題は俺が深刻な腐男子だと思われていることで。ルイには大腕硬爆衝をくらわせたいところだが、今現在ここにはいない。いい御身分だことで。


「男にしか興味ないとか?」


「あくまでBLに理解があるだけだ。あとナマモノは御法度」


「でも理解があるのはいい事だ」


「お前の推しカプは?」


「最近はマンガも読んでいなくてね」


「仕事が忙しいとかそんな話か」


「イエス。アイドゥー」


 まぁ勝手に頑張れ程度しか言えないのだが。


「俺とお茶する理由を聞いていいか?」


「マネージャーさんと仲良くなりたい……じゃ足りない?」


「全く足りない」


「じゃあこれからホテル行こっか?」


「ノーセンキュー」


 コーヒーを飲む。客もそこそこ。繁盛しているのだろう。だが髪色を変えているとはいえ、星空野シータに気付く人間はいなかった。さすがにここら辺のステルス性能は大人気アイドルが故……とでもいうのか。


「マネージャーさんは移籍金いくらなら応えてくれる?」


「即金で十億」


「それは無理だー」


「ちなみに米ドルでな?」


「もはや不条理だー」


 まぁ十億ドルで即金払ってくれるなら、願ったりで移籍はするが。


「じゃあせめてホシガリの星空野シータがベッドのお相手をするとか」


「興味ないっす」


「童貞なのに?」


 童貞は関係ないやろ。童貞だけど。


「言っておくが、俺のアレは然程でもないぞ」


「そこは気にしないかなー」


 ラブコメ主人公でもあるまいし。ベッドヤクザだったり糸色倫だったりとかそんなことはありえない。日本人の平均相応だ。期待してたなら悪かったな、とコーヒーを飲む。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ