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魔族の女王が転生したら聖女になっていた  作者: 白神 エル
第七章 王都へ続く道 ― 交易都市アルフェリア ―

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第七章のまとめ

エリスは“境界の子”、別名――聖女。

そして同時に、元・魔族の女王。

誰も辿らなかった第三の道を、彼女は選ぶ。

◆第七章あらすじ

帝国領モニカで起きた海からのスタンピードを食い止め、ミネア村へ戻ったエリス達。

ミネア村では、エリス、ミリア、スピカが教会で治療を行い、エリスは右腕を失った少女や左足が壊死した男性を、自らの力によって救った。

三日間の滞在を終えた一行は、いよいよ王都グランヴェイルを目指して出発する。

その旅の途中、一行は異変に遭遇する。

街道の先で戦闘が起きており、そこには襲撃を受け、炎に包まれた王家の馬車があった。

王家の紋章に気づいたクラリスは、メルキオラと共に燃え上がる馬車の中へ転移。


そこで救出したのは――

サントス王国第二王女、アイリーナ・サントス。

さらに王女付きの近衛兵アラン、侍女達、そして生き残った近衛兵達だった。

一方、外ではエリス達が襲撃者と交戦。

襲撃者達が撤退しようとしたところを、メルキオラが『アビスバインド』によって拘束する。

その場にいた襲撃者のうち、生き残っていた者達は全員捕らえられ、一人も逃がすことなく戦いは終わった。

しかし、アイリーナが生きていることを敵に知られるわけにはいかない。

そこで一行は王家の馬車を爆破。

襲撃者達には、アイリーナが馬車と共に死亡したと思わせたまま、彼女達をメルキオラの異空間へ匿うことにする。

こうしてエリス達の王都への旅は、第二王女を秘密裏に守りながら進むことになった。


◆『新たなる星座』

帝国でリディア、ソフィア、スピカが加わり、十二人となったエリス達のパーティ。

王都グランヴェイルを目指す旅でも、それぞれの力を生かしながら行動している。


●エリス

本作の主人公。十五歳。

前世は魔族を治めていた女王エルシア。

現在は人間として生まれ変わり、クラリスとエノクの娘として育った。

聖・光の属性を持ち、通常の治癒魔法とは異なる『現象消去』、さらには『存在抹消』の力を持つ“境界の子”。

各地で人々を救い続けた結果、すでに多くの人々から――

「聖女様」

と呼ばれるようになっている。

ミネア村では、通常の治癒魔法では治すことのできない欠損や壊死まで治療。

旅の途中では、第二王女アイリーナの救出にも関わることになる。

また、王都を前にアランがクラリス不在時の護衛戦力を心配した際には、聖獣セラフィスを召喚。

アイリーナ達に初めてその存在を明かした。


●マリン

エリスと同じ十五歳。

風と火の魔法を扱う魔法使いで、エリスの親友。

母親はミリア。

エリスとは旅の途中でも行動を共にすることが多く、二人揃って甘いものが大好き。

アルフェリアではアイリーナ達の変装用の服を買うためエリスと街へ出たものの、その後スイーツを求めて寄り道。

しかし、行列に並んだ店では目の前で売り切れ、マカロンだと思ったものは化粧品、ケーキやパフェのように見えたものは石鹸と、散々な結果に終わった。

最後にはエリスと一緒に自分達でクッキー作りに挑戦する。


●クラリス

エリスの母親。

元王国騎士団長であり、かつて――

『白銀の剣姫』

の二つ名で知られた剣士。

元Sランクパーティ『白銀の聖剣団』の一員でもある。

王女襲撃の際には、王家の紋章を見て即座に異変を察知。

メルキオラと共に燃え上がる馬車へ転移し、アイリーナ達を救出した。

かつて王国騎士団に所属していた経験から王都の街並みや王城周辺にも詳しく、第七章の最後には、レオネリア、メルキオラと共に王都へ先行する斥候役を引き受ける。


●ミリア

マリンの母親。

元『白銀の聖剣団』の一員であり、現在は神官として治癒魔法を得意としている。

ミネア村ではエリス、スピカと共に教会で住民達の治療を担当。

旅の途中では母親としてマリンを見守りつつ、クラリスと共に一行を支えている。

アルフェリアでは、エリスとマリンが服を買いに出かけた際、二人がまたスイーツを探しに行くのではないかと心配していた。


●ルシアン

元Sランク魔導士。

かつて『白銀の聖剣団』に所属していた魔法使いで、現在の冒険者ランクはA。

高い魔法能力だけでなく、冷静な判断力を持つ一行の策士。

クラリスと共に、外部との交渉や一行全体の方針を考える中心人物の一人。


●カイル

元Sランクの弓使い。

元『白銀の聖剣団』の一員で、二つ名は――

『鷹の目』。

アルフェリアではガルドと共に、アランと近衛兵達が冒険者に変装するための服を買いに出る。

必要な服を手早く揃え、エリスとマリンより先に戻ってきた。


●ガルド

重装備を得意とする戦士。

元騎士でもあり、前衛として仲間を守る役割を担う。

アルフェリアではカイルと共に男性陣の変装用衣服を担当。

アランと近衛兵二人のために三着ずつ、合計九着の服を用意した。


●レオネリア

エリスの前世――魔族女王エルシアに仕えていた元側近。

現在もエリスを――

「エルシア様」

と呼ぶ。

高い戦闘能力だけでなく、周囲の警戒や偵察にも優れている。

第七章の最後には、その能力を生かし、クラリス、メルキオラと共に王都グランヴェイルへ先行する斥候役に選ばれる。


●メルキオラ

レオネリアと同じく、かつて魔族女王エルシアに仕えていた元側近。

魔法と魔道具に関する非常に高い技術を持つ。

馬車から繋がる巨大な異空間を作り上げており、エリス達の旅を大きく支えている。

王女襲撃ではクラリスと共に燃える馬車へ転移し、アイリーナ達を異空間へ避難させた。

逃走しようとした襲撃者達には『アビスバインド』を使用。

五十人を超える捕虜を異空間へ収容し、その後アルフェリアで一度に外へ出したことで、領主ユリウスを驚かせた。

また通信機の製作者でもあり、ユリウスと国王へ渡すため、新たに二台の通信機を用意した。

認識阻害などの隠蔽魔法にも長けており、王都への先行偵察にも同行する。


●リディア

元王国騎士。

新人騎士だった頃の上官がクラリスであり、今でも『白銀の剣姫』として憧れている。

クラリスのことは――

「クラリスさん」

と呼ぶ。

帝国でエリス達と行動を共にするようになり、そのまま『新たなる星座』に加わった。

アルフェリアでは、アランとクラリスと共に領主ユリウスを迎えに行く役目を担った。


●ソフィア

リディアと共に帝国側からエリス達に加わった仲間。

戦闘では仲間との連携を重視し、帝国での戦いを経て『新たなる星座』の一員となった。


●スピカ

リディア、ソフィアと共にエリス達へ加わった魔法使い。

帝国での戦いではマリンとの合体魔法も披露している。

ミネア村ではエリス、ミリアと共に教会で治療を担当した。


●セラフィス

白いフェンリルの聖獣。

愛称は――

「セラ」。

女神セレネによってエリスへ授けられた存在で、普段は腕輪の姿となってエリスと行動を共にしている。

エリスとは念話で会話することができる。

第七章の最後、クラリス達が王都へ先行することになった際、アランがアイリーナの護衛戦力を心配したため、エリスがその姿を召喚。

初めてセラを目にしたアイリーナ達を驚かせた。

アイリーナから「セラフィス」と呼ばれると、

『セラでいいよ』

と答え、アイリーナからは――

「セラさん」

と呼ばれることになった。


◆第七章で登場した重要人物


●アイリーナ・サントス

サントス王国第二王女。

王都へ向かう街道で何者かの襲撃を受け、エリス達によって救出された。

現在、王国内では襲撃後――

「第二王女は消息不明」

として扱われている。

敵側にも死亡したと思わせたままにするため、その生存は極秘。

メルキオラの異空間に身を隠しながら、エリス達と共に王都グランヴェイルを目指している。

セレフィーナ・レインハルトとは従姉妹。

幼い頃からセレフィーナを実の姉のように慕っており――

「姉様」

と呼んでいる。

王女だからといって城から出たことがないわけではなく、王都では近衛兵を伴い、お忍びで城下を歩いた経験もある。

そのためアルフェリアでも、冒険者風の服へ着替え、クラリス達の護衛のもとで最後の夜の街を散策した。


●アラン

アイリーナ付きの近衛兵。

クラリスが王国騎士団長だった頃の元部下。

燃える王家の馬車へクラリスが現れた際、その姿を見て反射的に――

「団長」

と呼んだ。

現在はクラリスを――

「クラリスさん」

と呼ぶ。

アイリーナを守ることを最優先としており、王都への先行偵察でクラリスが一時的に離れると聞いた際には、護衛戦力が低下することを心配した。

しかし、エリスの実力に加えて聖獣セラフィスの存在を知り、クラリス達が王都へ先行することを受け入れる。


●アグネス

アイリーナに仕える侍女。

襲撃から救出され、他の侍女や近衛兵達と共にメルキオラの異空間で過ごしている。

普段、王女の食事は王宮の料理人が担当しているものの、アグネス自身も料理ができる。

アルフェリア最後の夜にはクラリス、ミリアと共に料理を担当し、王都へ向かう前の食卓を支えた。


●ユリウス・マルケッティ

交易都市アルフェリアの領主。

アランからアイリーナの手紙を受け取る。

しかし、手紙だけでは「怪我を負っていても心配をかけまいと無事だと書いている可能性がある」と考え、本人と直接会わせてほしいと求めた。

そのため、クラリス、アラン、リディアが密かにユリウスのもとを訪問。

ユリウスは護衛や使用人を残さず、一人でエリス達の馬車へ向かった。

そこでメルキオラの異空間へ入り、アイリーナ本人と対面。

さらに通信機を通じてセレフィーナとも話し、王女の生存を極秘に守ることへ協力する。

その後、エリス達が捕らえた五十人を超える襲撃者達を引き取り、襲撃の目的や依頼主について尋問を行うことになった。

エリス達との連絡用として、メルキオラの通信機を一台預かっている。


●セレフィーナ・レインハルト

セントポル領主ヴァルディスの妻。

現国王の弟である王弟の娘。

第二王女アイリーナ・サントスとは従姉妹にあたる。

アイリーナとは幼い頃から親しく、実の姉妹のような関係を築いてきた。

そのためアイリーナからは――

「姉様」

と慕われている。

一方、セレフィーナはアイリーナを愛称の――

「アイル」

と呼ぶ。

幼い頃から、王国騎士団長として活躍していた『白銀の剣姫』クラリスに強い憧れを抱いていた。

当時はクラリスの姿を見つけては後を追いかけるほど彼女を慕っており、セレフィーナにとってクラリスは幼い頃から憧れ続けてきた騎士でもある。

成長した現在ではクラリスとも親しく話せる間柄となり、クラリスからは親しみを込めて――

「セレフィー」

と呼ばれている。

第七章では通信機を通して救出されたアイリーナと話し、その無事を知って安堵する。

その後、アイリーナの生存を現国王へ極秘に伝えるため、自身が利用できる特別な秘匿便を使用。

さらに国王へ通信機を届けるため、同じ秘匿便を再び利用できるよう手配した。


◆第七章の主な舞台


●ミネア村

帝国から戻ったエリス達が再び滞在した村。

エリス、ミリア、スピカが教会で治療を行った。

エリスは右腕を失った少女や、左足が壊死した男性を救う。

三日間の滞在を終え、一行は王都を目指して出発した。


●王都へ続く街道

ミネア村から王都方面へ進む途中、アイリーナの乗る王家の馬車が襲撃された場所。

エリス達が到着した時には護衛の騎士達が倒れ、馬車は炎に包まれていた。

ここでエリス達はアイリーナ達を救出し、襲撃者の生き残りを全員捕縛。

その後、王女が死亡したように見せかけるため、王家の馬車を爆破した。


●交易都市アルフェリア

王都グランヴェイルへ向かう途中にある大規模な交易都市。

領主はユリウス・マルケッティ。

エリス達が街へ入った際、門兵達はセントポルから届いていた知らせによって一行を――

「セントポルの英雄様御一行」

と認識していた。

そのため馬車内部を詳しく調べられることなく入城。

異空間に隠れていたアイリーナ達の存在が知られることもなかった。

アルフェリアでは、

アイリーナとユリウスの極秘会談。

襲撃者達の引き渡し。

通信機の受け渡し。

アイリーナ達の変装準備。

エリスとマリンのスイーツ探し。

アイリーナのお忍び散策。

王都へ向かうための最終準備。

などが行われた。

第七章後半の重要な舞台となった都市である。


●王都グランヴェイル

サントス王国の王都。

アイリーナ達の本来の目的地であり、エリス達も向かっている場所。

しかし、王都へ向かう途中で第二王女アイリーナが襲撃されたことから、王都内部にも敵側と繋がる者がいる可能性を否定できなくなった。

そのため一行は、そのままアイリーナを連れて王都へ入るのではなく、まずクラリス、レオネリア、メルキオラの三人を先行させることを決める。

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