第247話 威圧
「なんだその角無しは?」
「はっ!プセウドテイ様、まずは順番にお話いたします」
「話してみろ」
「我々が苦労をしてアスケル山脈を越えると豊かな土地がありました」
「おぉ!そうかのか?!」
「しかしそこは火竜の縄張りで、1,000人以上の犠牲を出しながらもなんとか倒しました!!」
「倒したのか?!よくやったぞ!!」
「あ、ありがとうございます。そして今はテントを張り、国作りを始めているところです」
「では、そこを拠点に勢力を拡大していくのだな?」
「それが…、実はそこから西や南側もすでに他国がありまして…」
「なんだ、そんなことか。いつものように攻め込めばいいだけだろう、お前らしくもない。残った戦士2,000人がいれば、大概の国なら落とせるはずだ」
「実はこちらにおられるエリアス陛下は、その魔族領となった場所から南下したところにある国の王で、隣にいらっしゃるのが奥様のオルガ様です」
「そこの角無しは、我らの力にひれ伏し属国になりたいと言うのか?感心なことだ」
「い、いえ、違います、プセウドテイ様」
「違うだと?どういう意味だ、バジム?」
「エリアス陛下は我らに従うのではなく、貿易を望んでいらっしゃるのです」
「貿易だと?対等の立場で我々と取引をしたいというのか?馬鹿な、そんなことなら武力で落した方が早いだろう」
「それは無理です…、エリアス陛下1人で我ら魔王軍2,000人は消し炭にされます」
「な、なんだと?!それ程の者か」
先ほどから聞いていると魔族はプライドが高く自尊心が強いらしい。
自分達は強く他の種族を下に見る傾向があるようだ。
俺は我慢できず口を開いた。
「プセウドテイ殿でしたか?先ほどから聞いていれば、私達を下に見ているようだがその根拠はなんでしょうか?」
「なんだ、角無しの分際で。我らは力が全てだ。そんな弱そうな魔力で対等な口を訊くな」
「魔力値が強さの全てと言う訳ですか?ではお見せしましょう」
そう言うと俺はオルガさんが魔力に当てられようにストレージに包み、魔力を解放した。
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〈〈〈〈〈〈〈〈〈 ズゥ~~~ン!! 〉〉〉〉〉〉〉〉〉
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「う、わっ?!なんだこれは?」
空気が振動し大地が揺れる。
そんな錯覚が起こるほど俺の威圧は激しいものだった。
プセウドテイと言う魔族とバジムさん、お供の2人も膝をついて座り込んでいる。
テントの外に居る人達が倒れる音がする。
「 ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、!!! 」
「わ、わかった!!悪かった。態度を、改めよう」
プセウドテイが両手を前に差出し威圧を止めるように求める。
俺は魔力開放を止めこう言った。
「改めまして自己紹介を致しましょう。私はセトラー国国主、エリアス・ドラード・セルベルト。そして妻のオルガです。そして我々は角無し族ではなく、私は人族、妻は虎猫族です」
そう言うと俺は、うずくまったままのプセウドテイを見下ろした。




