第205話 呼ばれて飛び出て
3月になった。
アリッサさん達3人の妻の、つわりの時期も過ぎたようで落ち着いている。
アスケルの森はとてつもなく広く、まだまだ開拓していないところが多い。
俺は暇を見ては森の中に入り、開拓を進めていた。
そんなある日のことエリザちゃんと、森の奥まで進んだ。
すると見たことも無い光景が目に入って来た。
空間が裂け、そこから何かが出ているのだ。
よく見るとそれは、瘴気と言われるものだった。
そして見ていると瘴気に、魔素が集まり魔石になっていく。
段々と魔石周辺に肉片が付き始め、魔物になって行くではないか?!
何ということだ!!
「これは、なんでしょうか?エリアス様」
「近づくと危ないよ、エリザちゃん。きっとここから瘴気が漏れて、魔物になって行くんだと思う」
「次元の綻びみたいなものでしょうか」
「そうかもしれない。綻びがあるところは瘴気に魔素が集まり強い魔物になっていくのだと思う」
「ではどうすれば?塞ぐことが出来るのかしら」
「そうだね、念のため出来るかやってみるよ」
そう言うと俺は次元の綻に向け、ストレージで収納可能か試みた。
俺のストレージは時空間魔法で収納には制限がない。
だから瘴気を全部収納できればいいはずだ。
そう思い収納を始める。
しかし収納を始めたのは良いが、終わる気配がしない。
終わりが無いと言う事か?
そんなことを考えていた時、突然それは起こった。
裂けた空間から瘴気が延び、俺を覆い中に引きずり込まれたのだ。
「 エリアスさま~?! 」
エリザちゃんの声が聞こえたが、俺の伸ばした手は届かなかった…。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「………」
「……………」
「………………………」
「や、やりました。王女様、召喚成功です!」
そんな声が聞こえ目を開けると、そこは石作りの神殿の様な場所だった。
石畳には魔法陣の様なものが描いてあり、その中心に俺はいた。
「う~~~~ん。ここはどこだ?」
周りを見渡すと神官服の男達が魔法陣を囲み、騎士が数名と12~15歳のくらいの王女と呼ばれた女性が居た。
「ようこそおいで下さいました、勇者様!!」
「勇者?!」
「はい、今この国は手が付けられないくらい魔物の数が増え、国力が落ちしまいました。そこで国始まって以来の、勇者召喚の儀式を行い勇者としてあなた様が呼ばれたのです」
は?召喚されたって?
しかしなぜ俺が?
「さあ、どうぞこちらへ」
そう促がされ俺は騎士の後について歩いて行く。
「こちらでお待ちください」
そう言われ広い部屋に案内され座って待った。
トン、トン!
暫く待っているとドアを叩く音がした。
「どうぞ」
俺がそう言うと王女と呼ばれていた少女と50代の司祭、貴族の様な服を着た30歳くらいの男が入って来た。
俺は一度立ち上がり3人が向かいのソファーに座るのを待った。
「さあ、座ってください」
王女に促され俺は椅子に座り、テーブルを挟んで向かい合う。
「お名前を教えて頂けませんか?」
「エリアスです」
「エリアス様ですね。私はこの国の第一王女ビッチェ・ディ・サバイアです」
「ビッチェ王女様。こんな下賤な奴にそんな丁寧な言葉を使わなくても」
「お控えください、ロターリ司祭様。エリアス様は私の召喚でこの世界に呼び出されてしまったのですから」
「チッ、わかりました。ビッチェ王女様」
「エリアス様、申し訳ありません。実はここ数年、魔物の数が増え国を挙げて討伐をしても、倒しきれないほど荒れているのです」
「は~、大変ですね」
「それを挽回しようと言い伝えにある勇者召喚を行ったところ、エリアス様が召喚されまして…」
王女はさらに話し出す。
召喚された人は特殊な能力がある人が多い。
だから俺に力になってほしいと言う。
「元の世界に帰れるのでしょうか?」
「使命を果たして頂いた暁には…」
嘘だ。
異世界召喚の定番は元の世界に戻れないことだから。
ファンタジー好きの人なら誰でも知っていることだ。
ランダムでどこから召喚したのかもわからない者を、元の場所に戻すことなんて出来る訳が無い。
そう思った俺はつい口に出してしまった。
「王女様、嘘はいけません。召喚をして元の世界に戻れる保証があるのですか」
「そ、それは」
「き、きさま!ビッチェ王女様になんと失礼な事を」
ロターリと呼ばれた司祭が俺に掴みかかってきた。
いつも応援頂いてありがとうございます。
ここからは『聖女戦記物語』を元に書いて行こうと思います。
この作品は私がひねくれていることが原因で、嗜好が分かれる作品になってしまいました。
私としては面白いと思っているので、その世界観を統合できればと思います。




