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第196話 石鹸

 年が明け1月になった。

 以前からの小人族との約束で、煙草を栽培することを許可した。

 秋口には煙草として出荷できるそうだ。

 小人族が作る煙草はとても美味しいらしく、今から楽しみにしている住民が居る。



 そして俺は久しぶりにアレン領にやってきた。

 たまにはエリアス商会に顔を出しておかないとね。

 そんなことを思いながら歩いていると、洗濯物と桶《おけ》を抱え歩ている女性を見た。

 同じ方向だったらしくそのまま女性の後を付いて行くように歩く。

 すると女性は井戸に向い水を汲み桶の中で洗濯物を洗う。


 みると他にも洗濯をしている人達がいる。

 汚れ物を桶に入れ、踏んだり叩いたりして汚れを落としている。

 押し洗いという手法だ。

 科学的な方法で汚れを落とすよりも、物理的な力を加え汚れを取る洗浄方法だ。

 これは重労働な上に生地が傷む。

 しかも油汚れが落ちるとは思えない。


 まして今の時期は真冬で、風が吹き水が冷たい。

 俺の屋敷や住民が暮らすアパートは、魔道具で温水が出るようになっている。

 だから気づかなかったのだが。


 

 俺は【スキル】世界の予備知識を使い調べる。

 只今、検索中・・・・………………検索完了。

 俺はその中から、欲しい知識を捜していく。

 あった!これだ。

 これを作ろう。


 俺はセトラー国に戻り、庭で雑草を燃やし灰を集める。

「なにをしているのですか?エリアス様」

 エリザちゃんが不思議そうに質問をしてくる。


「まあ、見ていて」

 俺は集めた灰を持って台所に向った。

 鍋を用意して草木灰と水を入れそしてよくかき混ぜそのまま1日放置する。

 翌日、上澄みだけを移して溶液を加熱して沸騰させる。

 水溶液を煮詰め水分を飛ばし、粉末になるまで加熱して水分を飛ばす。

 そして油に混ぜ型を取るために小さめのカップに流し込み、冷えたら取り出せば石鹸の出来上がり!

 灰汁はアルカリ性だから、衣服に付着した油脂を溶かすことができる。


「これなはんでしょうか?エリアス様?」

「エリザちゃんこれは石鹸というもので汚れを落とすものです。これで洗えば洗濯物の油汚れも落ちて、洗濯が楽になりますよ」

「まあ、そんなことが?!それなら今後、どれだけ洗濯が楽になるか…」

 エリザちゃんと一緒に居たメイドのアーネさんが喜んでいる。



 これを街で販売すればきっとみんな喜んでくれるに違いない。

 そう思いさっそく俺は商品化を進めていく。

 

 そして灰汁《あく》と混ぜる油は2種類で作る事にした。

 労働者用は臭みが出るが単価が安くなる動物油。

 富裕層は植物油を使うことを話した。

 そして香り付けに花のエキスを入れ香り付けをしておいた。





 あぁ、でも足りないものがある。

 シャルエル製作所で作ってもらおうか。

 そう思い俺は再びアレン領に行くことにした。


 するとエリザちゃんも行きたいと言う。

 ここに居ても退屈だろうから、一緒に連れて行くことにした。



 最近アレン領に行くときは、椅子を付けた手漕ぎトロッコで行くことにしている。

 天気の悪い日もあるので、雨除けの屋根も付けている。


 今までのようにエリザちゃん達を連れて行くのに都度、蒸気機関車では大げさすぎるからだ。


 エリザちゃんを連れ、2人でさあ出発だ!!

 いつも応援頂いてありがとうございます。

 石鹸の作り方はあくまでフィクションですので、突っ込まないで下さいね。

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― 新着の感想 ―
[一言] その灰汁と使う灰汁は違うよ。 灰を水に溶いた後、暫くして沈殿物と分離した上澄みが使う灰汁。
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