表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

413/429

【第404話】オルレーンの状況

 アルフォロメイ王国の王都アルファスを出発して三日後。


 シリューたちはオルレーン王国の都市サラフに到着した。


 オルレーンを含む各国は連合軍を組織し、現在このサラフに続々と集結中である。


 途中で追い抜いたドクの率いるアルフォロメイ軍も、明日には到着の予定だ。


 都市のすぐ手前には防御のための要塞が築城されていて、今回はそこが連合軍の前線指揮所として使用される。


 シリューたちはサラフに着いてすぐ、要塞の幹部用会議室に案内された。


「おお、明日見、お疲れ。来るとは聞いてたけど、意外と早かったんだな」


「日向さん、お疲れです」


 会議室には数人の軍幹部の他、先にサラフ入りした直人たちが待機していて、シリューを見るなり近況を尋ねる。


「アストワールはどうだった?」


「無事に片付きましたよ。それで、この人がアストワールの王女で……」


「アリエル・ミュラトールです。初めまして、勇者様、従士様方」


「初めまして、ナオト・ヒュウガです」


 王族との挨拶にも慣れたもので、直人も後に続いた有希たちも堂々とした振る舞いを見せた。


「日向さんの方はどうでした?」


「こっちも、順調ってカンジかな。災厄級も、楽勝倒せたしな」


「楽勝とか、あり得ないんだけど?」


 少し調子に乗った直人を、有希がジトっとした半開きの目で睨む。


「それより……大変な事になってるみてぇだけど、もう何か聞いてるか?」


「いえ、俺たちもたいした事は……」


 大災厄が出現して四日。


 既に三つの都市と街が侵攻によって破壊され、対応に当たった部隊は僅か数分で壊滅した。


 また、住民が避難する時間を稼ぐため、魔石数百個を用いて都市以外へ誘導しようと試みたものの、大災厄には効果がなく成功しなかったらしい。


 イロウシュットやブラエタリベルトゥルバーとは、異なる器官を持っているのだろう。


「1000mを超えてるバケモノだって……ホントかな……」


「ちょっと、想像できないですよね……」


 ほのかと恵梨香が、頬に手を添えてこっそりと囁く。


「私たちも、そう聞いてます……」


 ミリアムも同じように小声で返す。


 とてつもない巨体を持ち、圧倒的な質量と火力で蹂躙する。


 遠距離から観測された情報しかないため、正確な形状や能力は掴めておらず、今のところ分かっているのはせいぜいその程度のものだ。


 オルレーン軍の指揮官が、硬い表情で口を開く。


「我が軍も、何度か偵察隊を差し向けてはおりますが……」


 未だ戻ってきた者はいないのだろう。


 はっきりと口にはしなったが、指揮官の口振りと表情から、偵察が失敗に終わっている事は明らかだった。


「とにかく、情報が少なすぎますね……」


 パティーユが眉根に皺を寄せて呟く。


 現状のままでは、作戦をたてる事もできない。


 集結する連合軍を効果的に展開させるためにも、もっと詳しい情報が必要だ。


「早急に偵察隊を増員いたします」


「いや、ちょっと待って」


 指揮官の申し出をシリューが制止した。


「これ以上、貴重な人員を失わせる訳にはいかない。俺が行く」


「そうですね、私たち『銀の羽』が行きます」


 ミリアムが銀の羽を強調したのは、シリューが自身を顧みない無謀な行動に走る事を止めるためだ。


「いや、俺が一緒に行った方がいいだろ」


 直人も同行を申し出る。


「それなら、私たち皆で行こうよ」


 有希の提案は、もはや偵察を前提にしていない。


「ここは俺に任せて。俺なら上空からでも観察できるし、危なくなれば音速以上で逃げられる」


 言葉通り、シリューの『翔駆』は音速を超える。


「ホントに、一人で戦っちゃダメだよ?」


 クリスティーナがしっかりと釘を刺す。


「分かってるよ。ってか、元々俺は戦闘とか好きじゃないから」


「確かに……猫探しとか、薬草採取とかをやりたがるわね」


 ハーティアの言葉は間違っていない。シリューが率先して戦闘系のクエストを受けた事はほとんどない。


 それは、『銀の羽』メンバー全員が知るところだ。


「アリエル。大災厄が今何処にいるか、分かる?」


 シリューに問われたアリエルは、一緒に砦の建物から出ると星の意識を探る。


 だが。


「ごめんなさい、わたくしに残った力では、もう大まかな方向しか分からない……」


 そう言って、南西の方向を指差す。


「十分だよ、ありがとう」


 シリューは空へ駆け上がり、南西を目指した。

 





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
下記のサイト様のランキングに参加しています。
よろしければクリックをお願いします。

小説家になろう 勝手にランキング
こちらもよろしくお願いします。
【異世界に転生した俺が、姫勇者様の料理番から最強の英雄になるまで】
― 新着の感想 ―
運命の7人の少女のこと、勇者に話さないつもりなの? だってみんな幼馴染じゃないか。
更新有り難うございます。 そう言えば勇者の知名度ってどのくらいです?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ