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“味がしない”と捨てられた私、吸血鬼王に餌付けされてクイーンになりました  作者: 絹ごし春雨


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4話 何もしなくていいと言われた理由

「どこへ行くつもりだ」


振り返ると、リカルドがいた。


「その……何か、お手伝いを」


少し迷ってから、言葉を選ぶ。


「食事の準備、とか……」


ほんの少しだけ、期待していた。


役に立てるかもしれないと。


けれど。


「必要ない」


やわらかく、遮られる。


一瞬、言葉の意味が分からなかった。


「でも、私——」


「君がすることじゃない」


穏やかな声音のまま、重ねられる。


怒っているわけでも、拒絶しているわけでもない。


ただ。


決まっていることを、教えられているみたいに。


「食事は用意される」


当然のように言われる。


「君は、それを食べればいい」


胸の奥が、少しだけ引っかかる。


今までずっと、作る側だったのに。


「……何もしなくていい、んですか」


思わず、こぼれる。


リカルドは、わずかに目を細めた。


「何も、とは言っていない」


一歩、近づく。


「ちゃんと食べること」


低く、静かに。


「それが君の役目だ」


その言葉に。


なぜか——逃げられない気がした。




 扉に手をかける。


今なら、誰もいない。


開けて、一歩出るだけ。


それくらい——


ゆっくりと、押す。


開かない。


鍵が、かかっている。


思わず、もう一度力を込める。


それでも。


びくともしない。


「……どうして」


小さく、呟く。


誰もいないはずなのに。


なぜか——見られている。そんな気がした。

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