11. みんなでまるくなって
そろそろケイスネス伯爵の館にも慣れた。サーシャと侍女と私が館の敷地を一周する散歩から戻って2階の階段を上がったところで、白猫のアデラインと目が合った。
アデラインは私の足に身を寄せて来た。もうサーシャもアデラインから私を守ろうとするのを止めていた。それをすると、いつもひっくり返されて毛づくろいをされてしまう。自分で毛づくろいをするのは良いが、他の猫から猫扱いされるのは嫌がるサーシャだ。アデラインに気を許している訳ではない……本人はそう思っているだろう。
私がしゃがみこむと、アデラインは身体を私の足に擦り寄せながら、私を見上げる。甘えている訳ではない。アデラインは、多分私に許可を与えているんだ。だから、私はその場に座り込んで、左太腿の上にアデラインを抱き上げ、左手で転げ落ちない様に支えてあげた。
このままだとサーシャが拗ねるから、サーシャは右太腿の上に抱き上げ、右手で支えてあげた。私のスカートの上で身を寄せ合って丸くなる二人……もう夕方には涼しくなるから、温もりが欲しかったのだろう。私もスカート越しに伝わる二人の温もりに、のどかな幸せを感じる。
そうしていると、通りがかった猫が私の足元に身を寄せ、丸くなる。通りがかる子が次々と周りで丸くなる。みんな温もりを求めているんだ。私とみんなの温もりが混じり合い、溶けあっていく……私も家族と認められている幸せを感じる。
私も猫だったら、何も考えずにみんなと丸くなっていられるのにね……お母さんも猫に生まれていれば、こんな風に一緒に丸くなっていられたのに……でも駄目か。野良猫なら貧乏人よりひもじい暮らしになりそうだ。
階段を上がってくる足音がする。ケイスネス伯爵ウィリアム、今の私の義父が目を見開いてこちらを見る。私が何か言おうとすると、口の前で指を立てる。猫達を驚かしては駄目だよ、と言っているんだ。
そして顔を近づけて言う。
「夕飯を告げれば皆降りるさ。もう少し一緒にいてやってくれ」
私は小さく頷いた。この家では猫も大切な家族だから、人が猫の言う事を聞くのが常識なんだ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
意味わかんないと思うので、第三者視点で締めます。
母猫から離されて立ちすくんでいた子猫二匹は、こうして先住猫の愛情とぬくもりで前に進める様になりました。めでたしめでたし。
結局子供というのは、人肌の温もりで落ち着いたりするもので。男たちはそういう事に気づかない様です。
ノッティンガム家の人々を悪い人とは思っていません。ただ、いい人でもないと言うだけで。でも、いい人でないと他人からは思われたくない訳で。それで、「相手が悪いから仲良くできない」と口にしたくなるのです。
まあともかく。次回作「春風のあなた」は夏休みの思い出パート2ただし脇役編、を5話くらい書いた後、本編に進みます。よろしければ、11月10日頃のイセレン、22時40分頃のチェックをお願いします。
またやってしまいました。この話で完結する、にチェックを入れ忘れました。完結するために、あと1話を10分後に投稿します。でも、本当におまけなので、暇でしょうがない、ぐらいの人だけお読みください。




