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12. おまけ

 俺はタイガー、この家で二番目に強い男だ。俺はこの家に連れて来られる前の記憶が無い。俺がこの家の玄関で泣いていると、長い白い毛の女がやって来て、おれをひっくり返した。何をする!と更に大声で泣いたが、女は俺をぺろぺろと舐め始めた。不思議と俺は泣き止んだ。何かの記憶を呼び覚ましたらしいが、それが何だったかはもう覚えていない。大人しくなった俺の首の下を舐めた後、女は去って行った。


 それから、俺が騒ぎを起こすとその女がやって来て、その度に俺をひっくり返して舐める事を繰り返した。逃げようとしても、鈍重そうなあの女は最後の一歩が素早い。毎度俺は捕まってひっくり返される。つまり、俺よりあの女の方が優れたハンターなのだ。優れたハンターは相手の動きを察知出来なければいけない。その点、相手の動きを読んで避けようとする俺の判断より、俺の動きを読んで捕まえようとするあの女の方が優れているのだ。


 相手の方が上だと悟ったなら、敬意を表さないといけない。あの女がトラブルに向かう時、俺も付いて行った。しかし、何という事だろう、この家の全員を、あの女は軽々とひっくり返す。そう、この家の最強はあの女だったのだ!誰が強く、誰が弱いと判断出来ないヤツは強くなれない。その判断が出来ていなかった俺はまだまだ弱い筈だ。俺はこの家で二番目に強い男を目指してあの女に付いて歩くようになった。


 近くで見ると、あの女は歩き方からして優雅にして誇り高かった。そうか、強いだけでは無く、優雅で誇り高くなければ周囲に認められない。俺は今までより、もっと誇り高く振舞う様になった。しかし、俺はどうしてあの女をこうも気にするのか……そうか、これが愛と言うものか。これが愛と分かった以上、俺が目指すのは、あの女に認められる様な男になる事だ。俺はますますあの女の傍で男を磨く事になった。



以下、アデラインの見解。


 チャーはこの家に来た時からずっとやんちゃだったけど、ある時から私をお母さんと認めてくれたみたい。お腹を痛めて生んだ子ではないけれど、ちゃんと愛してあげますからね。

 タイガーで、チャー、つまり茶虎。茶虎猫くんが出てきましたよね?彼がアデラインの舎弟をやってる理由を書いてみました。


 こんどこそ、おしまい。

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