平凡な幸せ 9
湖は、信じられない程美しいかった。
日の光を浴びて、キラキラと輝く湖面には、沢山の鳥が泳いでいる。
そして、湖の畔に佇む少女―――――。
ロイルは少女の身体を抱きしめた。
「そんなに身を乗り出しては危ないですよ、お嬢さん」
マリンは泣きそうな笑みを浮かべる。
「私、もう『お嬢さん』なんかじゃないわ」
ロイルが頷いて、腕に力を込める。
「ああ。俺の愛するマリン」
ロイルは片膝を付き、マリンの手を握りしめた。
「俺は、あなたに恋をしてしまったようです。離れる事など出来ません。一緒に歩んでくれますか?」
マリンの頬を、涙が伝う。
「ええ。あなたとなら」
ロイルがマリンの手の甲に、口付ける。
一羽の鳥が空に向かって羽ばたき、それが合図だったように、鳥達が一斉に空へと飛んで行った。
その夜、二人はまるで初めての夜のように、微笑みあい、互いの手を握りしめて眠りについたのだった。
これにて完結です。
読んでくださった方々、ありがとうございました!
見事にグダグダのグチャグチャで、書き直したいのですが、実力が無いので放置です。
すみません・・・。
「マリアンヌ番外編・過去未来」というタイトルで、番外編を少し投稿しました。
アンの過去話はムーンライトノベルズにあります。
「アン」で検索してください。