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イベントは続く

この街は大きいが、シロはそれなりの速さで走るからすぐに表彰をやっている街の中央広場が見えてくる。

特別に設置されている檀上では、プレイヤーと思しき数人の人間とついさっき別れたばかりのセティンが喋っている。どうせ転移魔法でここに来たのだろうと目星をつける。


ついに広場の周りの家の屋根に到着し、シロは一瞬の躊躇がないままその壇上に飛び降りた。



「やはりシロは早いな。私が話したかったことの半分も話せていない」


「別に時間稼ぎしなくて済んだってことでいいじゃん。なんでもポジティブに捉えれる人って素敵だと思うぜ」



分かっていたであろうセティンは動じずに言ってくるので、軽口を言いながらシロから飛び降りた。



「なるほど。しかしそれでは私のファンがさらに増えてしまうがいいのかレイス」


「それこそどうでもいい。それより冒険者たちに説明したらどうだ? 半数がわけわからねえと言わんばかりの顔してるぜ」



安全と思われていた街の中に巨大な狼が出てきたので混乱するかと思ったら「ちょっと何あれ羨ましい」「獣を使役するスキルあったっけ」「なんか森の巨狼に似てない? こっちの方が綺麗だけど」などとざわついているが、敵意を向けてくる人は皆無だ。なんだ、結構冷静なのね。



「では紹介する。少し遅れてしまったが彼がこの度の祭りの功労者、レイスだ。先ほども言った通り一人にも関わらず頑張ってくれた」



そう紹介されると何かくすぐったい。気を紛らわせるために足元で伏せたシロの頭を撫でながら終わるのを待つ。



「そこで彼には賞品と、我が王家の森での主狩りに参加してもらう。見事狩れたら祭りの食事に並ぶぞ」


「…ん?」



その他大勢に向って言われた言葉にかなり不穏な言葉が聞こえた気がする。いや、気じゃなくて言った。


しかしそれに突っ込む前にセティンがまた喋り出す。



「開始は今すぐだ。全員準備はできたな?」


「待てこら聞いてないぞそんなこと」


「聞いてないのは遅刻したからだな。大丈夫、レイスだけではなく五位までの受賞者全員が狩猟するからな!」



それでも嫌なものは嫌に決まってる。何より俺以外は全員パーティーで、索敵や火力などで多きく劣る。

シロも連れていけたらいいだろうけど、シロはあくまでここまで送ってくれただけだ。それ以前にそんなことしたら流石にプレイヤーたちに何言われるかわかったもんじゃねえし。


凄まじく文句を言いたいが、俺が口を開く前に表彰のために壇上に呼ばれていた男の一人が俺に言った。



「ビビってんのかランキング一位さんよぉ?」


「…………」



なんかすごく頭悪そうに挑発してきたから無視安定。壇上なのによくもまあやろうと思うなおい。


これ以上何か言う前にどうにかしてほしいとセティンに目くばせするが、こっち見てないね、はい。



「おいおい無視すんなよ。なに、そんなペット手に入れるくらいの裏ワザ知ってるんだからこんな余興くらい簡単だろぉ?」


「…………」



どうやら嫉妬の類でこんな難癖つけてきているらしい。そんなにシロが羨ましいのか、自慢は十分にするけど譲ってやらねえぞ。


まあそれ以前にペットじゃないですけどねー。どちらかっていうと友人やそこらだと思う。



「もしかして俺が怖いのかぁ? そんなでかいの従えてるのに随分と臆病だな 」


「…………」



それを無視してセティンの話聞くに、規模は違えどシロの所みたいな森林のフィールドに転送するのでボスモンスターを探して狩れというらしい。

もちろんフィールド自体も大きいし、他のモンスターも出る。しかしそこ限定のアイテムなどが出るので勝手に持って帰っていいらしい。


なんという太っ腹、裏がありそうで怖いね。気を付けた方がよさそうだ。


そしてボスモンスターがどんなものかは秘密にするらしい。素人でも見れば分かるそうなのでそこは楽しみに待っていればいいだろう。予想としては肉を食えるらしいから鹿や猪といったところだろうか。



「それと森林では一度やられたらこちらに強制転送されるから気を付けろ。つまりチャンスは一回だけということだな!」


「てめえ何とか言えよ…!」


「…セティン、おやつはいくらまでだ?」


「300Gまで、と言いたいが太っ腹に500Gまででいいぞ。ちなみにバナナはおやつだ」


「そうじゃねえだろうが!」



マジか。俺的にバナナはデザートに入ると思ってたんだけどなあ。まあ今からじゃ時間なくて何も買えないからいいんですけどね。


そしてなぜか壇上にいる他の方々がうわー、とでも言いたげな目でこっちを見ているのはなぜだ。特に何もしてないからそんな目で見られるのは心外なのだが。



「それでは開始させてもらうぞ」



そう言ってセティンが腕を振るうと檀上を覆うほどの大きさの魔法陣が現れ輝きだし、どこからともなく風が吹き荒れる。


なんという演出。魔法技能が高くなるとこんな風になるのだろうか。だとしたらその中でローブをなびかせて詠唱する姿は厨二感溢れる、もといかっこよく見えるだろう。


これから行くフィールドとは全く無関係なことを考えていると言い忘れていたようにセティンが付け加えた。



「ちなみに背後に魔法球を浮かばせて中継するからくれぐれも壊すのではないぞ。壊したら罰金だ」


「マジか。引きこもってる戦法使えないじゃん」



そんな後ろ向きな言葉を発しながら何度か体験しているワープの感覚を味わった。

剣Lv36 回避Lv37 隠密Lv30 料理Lv26 投擲Lv21 影魔法Lv24 魔法熟練Lv28 隠蔽Lv24 罠Lv11 盗賊の技術Lv31


タンクと提督と飛行戦と近未来FPSで時間がガリガリ削れていく。ゲームだけなら軍事関係者ですわ

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