みんなで一緒に作ります
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この環季が言った「大先生」とは、遥香のことである。
遥香は、現在は岩手県盛岡市の実家に住んでいるが、悠希の叔父の鉄二と結婚したあとは、東京で生活が決まっている。
「遥香さんは、それで良いって?」
悠希は、一応それを確認する。
「当然、確認済みです」
環季は、そう自信満々に答える。
「なんだかんだと。悠希ちゃんは、先生から部長に格下げになっちゃうかもだけどねー」
そう言った。
「いや。それは別にかまわないけど……」
そう悠希は呟く。
「希実さんも、あとでマネージャーとして合流するって言ってましたしね」
そう真唯が言った。
「えっ!? 松下さんも!?」
次から次へと、自分の知らないところで進んでいた話に、悠希の頭が追いつかない。
「なんでも、義理の妹が顧問を務めて、義理の姪が部長を務める女子プラモ部に、自分が参加しないわけにはいかないって言ってましたよ」
真唯はそう言った。
「なにも、そこまで律義にしなくても、いいとは思うけど……」
そう悠希は呟く。
「そういうことで、悠希さんの部屋のドアに掛かっているという、「女子プラモ部」のプレートと同じものをあとでくださいね」
そう真唯は言った。
「じゃあ。せっかくだから、わたしにも同じものをお願い」
そう環季が言う。
舞花は、黙って悠希を見つめる。
「じゃあ、三つ。「女子プラモ部」のプレートが欲しいということで……」
そう悠希が確認する。
「じゃあ、それは近いうちに……」
そう言った。
「最初に、アレを作るのにどれぐらい掛かるのかを教えてもらえれば、先にお金は用意しておくわ」
そう絢子さんが言った。
正直言って、それはかなり助かる。
すでに鋳造用の原版があるとはいえ、社会人一年目の会社員には、まとめて三枚はちょっとキツイ。
「それじゃ、三人分。お願いね」
そう絢子さんは言った。
どうやら、取りあえずは絢子さんが、そのお金を出してくれるようだ。
「ところで部長。舞花の話にもありましたけど。みんな一度、部長に自分がどんな風に作りたいのか相談してから、作っていく方が良くないですか」
そう真唯が言った。
「わたしは別に、急いで作りたいわけではなく、じっくりと観察しながら作りたい派なんで、時間の方は特に気にしてないです」
真唯はそう言う。
「環ちゃんはどうしたいの?」
悠希は、いつも勢いで行動している感のある環季にそう聞いてみる。
「わたしは……。わたしはみんなと一緒にプラモデル作りを楽しみたい」
そう言った。
「舞花ちゃんはどうしたいかな?」
そう聞く。
「……」
舞花は、なにも答えられずに黙ったままだ。
「舞花。さっきはちゃんと自分で聞けたんだから、やっぱり。ちゃんと自分の言葉で言った方がいいよ」
そう真唯が言った。
「作りたい……。みんなと一緒にプラモデルが作りたい」
そう舞花は言った。




