ゲート処理
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「では、最初に……」
と悠希が言うと。
「ゲート処理を行ないます」
と、悠希が言う前に、環季がカブせて言ってくる。そしてそのまま、こう続けた。
「ゲート処理というのはですね。最初にこのランナーとパーツが繋がっている細いところを、パーツギリギリのところで切るわけではなく、敢えてちょっと残して切ります」
悠希は、その環季の説明を黙って聞いていた。
「では、部長。あとはお願いします」
そう言って環季は、しれっと説明を悠希に戻す。
「えっ!? あぁ……。あと、一つのパーツのゲートを切るときは、ゲートが細いところと太いところがあるから、最初は細いところから切ってくと、そのバーツの重みで細いゲートがちぎれ落ちたりしないので安心だよ」
そう教える。
「それは聞いてなかった……」
環季が、少しぼやき気味に呟く。
「じゃあ、ちょっとやって見せるね。それで最初は、説明書通りにパーツを切り出していってみるね」
悠希はそう言って、ニッパーでそのゲートをちょっと残して切ろうとする。
「あの部長! せっかくなんで、アルティメットニッパーの使い方も教えてください」
そう、真唯が言った。
「もうみんな用意済みなので、お願いします」
そう真唯が言うと、三人はまだパッケージに入った未開封状態のアルティメットニッパーをテーブルの上に置く。
このアルティメットニッパーというのは、普通のニッパーとは違う、いわゆる「片刃のニッパー」を扱う、ゴッドハンドというメーカーの商品のことだ。
但し、このアルティメットニッパーは、金額が5000円以上する高級品である。
それなので、実際にアルティメットニッパーなのは、真唯だけで、環季と舞花は、メーカーの違う、薄刃の片刃ニッパーのようだった。
有名なのは、真唯の言った、アルティメットニッパーだが、絶対にそれでなければダメだということはない。
ちなみにプラモデル用の「薄刃の片刃ニッパー」は、大体3000円ぐらいで購入できる。
悠希も最初は、その「薄刃の片刃ニッパー」で使い方を練習した。
その練習したというのは、片刃ニッパーを使いこなすには、ちょっとしたコツと注意がいる。
「一応、みんなYouTubeで見てはみたんですが、やっばり目の前で直接見せてもらって教えてもらった方が良いと思いまして」
そう真唯が言う。
「でもみんな。開けて出して見なかったのは、どうして」
そう悠希が、そのことを聞くと。
「わたしたち。美味しいものは、最後に取っとく派なので」
そう真唯は答える。
「そういうことです」
環季が、それに少しカブせて言ってくる。
舞花は、早速パッケージを開けて、その片刃ニッパーを取り出そうとしている。
「そ……それじゃー、まずは普通のニッパーで、ゲートから切り離してみようか」
そう言った。




