最初の一歩
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そこまではっきりと言われてしまうと、悠希も今さらもう後戻りはできない。
それにこれは、プラモデル作りの中でも一番大好きなガンプラのことだ。
「なら……早速……。取りあえず、箱を開けてみようか」
そう言った。
悠希にそう言われて、みんな揃って箱を開ける。
悠希も、みんなが箱を開けたのを確認して、自分のガンプラの箱を開けた。
箱の中には、ビニールのパッケージに入った、各色に色分け済みのランナーにまだ付いているパーツたちが、それぞれの色ごとに分けられて入っている。
「おぉーー。やっぱり金ピカ」
環季が言った。
環季が選んだ「百式のガンプラ」は、「ガンダムベース」限定の、マスターグレードのメカニカルコアメッキ仕様なので、普通のガンプラとは違う、正直言って上級者モデルだ。
「あらためて本物を見てみると、本当に金メッキされてるんですね」
真唯が言った。
真唯以上に、興味津々なのが舞花だ。食い入るように、環季が手にしている、メカニカルコアメッキのランナーパーツを見ている。
「凄い、金ピカ……」
舞花が、そう呟く。
「それじゃ、最初に説明書通りに、全部のランナーがちゃんと入っているのかを確認します」
そうかしこまって悠希が言うと、三人は、真剣に説明書とランナーを見比べて確認していく。
「全部揃ってました」
「わたしも」
「全部揃ってる」
真唯、環季、舞花の順で、悠希にそのことを報告する。
「次はなんですか、先生」
真唯が言った。
「真唯ちゃん。やっぱり、その……先生と言われるのは、ちょっと……」
その自分のことを「先生」と言われるのは、やっぱり違和感がある。
「なら。部長。次はなにをすればいいですか」
環季が言った。
「あっ。そーですよねーー。「女子プラモ部」の集まりなんだから、悠希さんは「部長」ですよね」
真唯が言った。
「部長……」
と舞花が笑顔で呟く。
「女子プラモ部」は、悠希が自分で掲げたことなので、これは否定できない。
「では、次にビニールを開けて、各ランナーを取り出してください。環ちゃんのメカニカルコアメッキは、もしかしたらビニールがメッキに擦れて、傷つくこともあるかもしれないから慎重に出した方がいいかも」
そう言った。
「気をつけよ……」
環季はそう呟く。
「開けて取りだしたら、各ランナーごとにアルファベットがAから振ってあるでので、これを使ってハッキリとわかるように同じアルファベットを付けてください」
そう言って悠希は、黄色いマスキングテープとマジックペンを1セットテーブルの上に置いた。
どうしてわざわざ、最初からアルファベットが付けられているにも関わらず、こんなことをするのかといえば、この方が単純に見やすくて、わかりやすいからだ。
悠希がお手本として、これをどう使うのかをして見せる。
まず、ランナーに付いている、ランナーに付けられたアルファベットをマスキングテープに書いて、それが見やすいように折ってランナーに挟むように貼って付けていく。
みんなも悠希に習って、順番にアルファベットを書いたマスキングテープを、各ランナーに付けていった。
環季、真唯、舞花の三人は、まだこんな作ってもいない、単純なことをしているだけなのに、これからプラモデルを作るというワクワク感が湧いてきた。




