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女子プラモ部  作者: 志村けんじ


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帰り際にスカウトされました


 ガンダムベース東京では、優良ユーザーを守るために、一度のお会計につき、各商品1個までの販売と、一度のお会計の上限点数を10点までと制限されている。


 これは言わずもがな、転売を防ぐためだ。


 そのことは注意事項として、「店内でほかのお客様向けに商品を確保する行為はご遠慮ください。」とある。


 もちろん。並びなおしでの会計もすることはできない。


 ちなみに環季が選んだ「ガンダムベース限定の MG 1/100 百式 Ver.2.0 メカニカルコアメッキ」の購入には、THE GUNDAM BASE MEMBERS 本会員限定販売になるので、スマホでの「バンダイナムコID」の登録が必須である。


 環季は、もちろん悠希にそのことを聞いて 、事前に会員登録していた。


 真唯マイは、ガンプラとエアブラシのほかに、計10点を購入して、そのまま全員の買ったものすべてを、そのままガンダムベース東京から宅配便で木村家の自宅に送った。


 悠希は、なかなか何を作ろうかと迷ったが、最後の最後に、次のガンプラを決めた。


 ガンダムベース東京を出て、そびえ立つユニコーンガンダムを、また四人で見上げているとき。一人の見知らぬ中年男性が声を掛けてくる。


「あのぉーー。スミマセーン。みなさん、お友だちですか?」

 そう、声を掛けてくる。


「そうですけど。なにかわたしたちにようですか?」

 そう真唯マイが答える。


「実はワタクシ、こういう者でして……」

 そう言って、真唯マイに名刺を渡す。


「えーと。これを見ますと、芸能事務所のスカウトの方なんですねー」

 その名刺には、芸能事務所の名前と、男の名前が書いてある。


飯田正イイダタダシさん」


「はい。ワタクシ、飯田タダシと申します。みなさんが全員ステキなものですから、声を掛けさせてもらった次第で」

 そう、飯田という男は、白々しく言った。


 舞花まいかが、後ろから真唯マイの服を引っ張る。


 舞花まいかの目は、明らかにこの男を疑っている。


「あの。みなさん、ガンダムがお好きなんですか? ワタシもなんです」

 そう言って飯田は、ジャケットの下に来ていた、ガンダムベースでしか売っていない、ユニコーンガンダムのTシャツを見せた。


「あなたも、ガンダムのファン?」


「そーなんです。今、ガンプラ好きの女性ユニットを探していまして。それでみなさんが、ピッタリかと」

 そう言った。


「なるほどですねぇーー」

 真唯マイは、如何にも興味があるかのように言う。


「それで、ご興味のほどは?」

 そう。探りさぐり飯田が聞いてくる。


「どうしますかねぇーー。一度みんなで相談しますね。ちょっと待っててください」


 そう言って真唯マイは、みんなを集めると、四人で頭を合わせて作戦会議を始める。


「なるほどぉーー。そういうことかぁーー。面白そう」

 真唯マイの話を聞いて、環季は善からぬ笑いが込み上げる。


「それじゃ、そういうことでよろしくお願いします」

 真唯マイはそう言って、笑顔で飯田に話しに行く。


「話、まとまりましたか?」

 そんな真唯マイの顔を見て、飯田は何を確信したのか、自信満々に聞いた。


「はい。取りあえず、一度ママに話して、あと、マネージャーにも確認します」

 そう言った。


「はて。ママはわかるのですが。そのマネージャーとは?」

 そう聞いてくる。


「わたしたちのマネージャーです」

 そう、真唯マイは答える。


「あの……。もしかして、もうすでに、どこかの芸能事務所に所属されてるとか?」

 飯田は、恐るおそる聞いてくる。


「いいえ。小さい個人事務所ですから」

 それを聞いて、飯田は小さくガッツポーズする。


「それじゃ、今日は急ぐんで。あとで連絡しますね」

 そう真唯マイは言って、四人は飯田と別れた。


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