真唯の帰国の理由
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なぜ真唯が、突然日本に戻ってきたかというと、来年日本の大学を受験するためだ。
ただ、日本は4月から新学年が始まるが、アメリカは9月から新学年が始まるので、5ヵ月遅いことになる。
真唯も、今さら残りの1年だけを、わざわざ編入試験を受けて高校に通うつもりはない。
それに真唯は、アメリカで学年を飛び級しているので、実際にはすでに大学に通っている、「大学1年生」である。
それなので、留学生枠で受験をするか、高校卒業程度認定試験(高卒認定)を受けて受験をするか検討中とのことだ。
「真唯。そういうのは、見切り発車っていうのよ」
そう言って絢子さんは、真唯を窘める。
「よく、あの兄さんが許したわね」
そう絢子さんが言うと、真唯さんは。
「アメリカに行ってから、仕事ばーっかりで、6年間も日本と音信不通だったのに?」
そう言った。
「知ってたの?」
昔から体裁の良い兄だったから、そこも家族には上手く言っているのだと、絢子さんは思っていた。
「当然。わたしが知ってる限りでも、出世が第一の人だから」
と、真唯さんは言う。
「ふ~ん。いろいろと大変そうね」
ここにもう一人、「歯に衣着せぬ」言い方の松下さんが、この絢子さんと、真唯さんの話に割って入る。
「そーなんですよぉーー。もう少し聞いてくれます?」
と、真唯さんが返すと、松下さんは。
「聞く聞く。あたしそういう話大好き」
と、ノリノリで応えた。
「二人とも。いい加減になさい。初対面なのに失礼よ」
絢子さんは、そう言って二人を窘める。
「はーーい。スミマセン」
と、真唯さんが謝って。
「あーあ。もうちょっと、この面白そうな話、聞きたかったなぁーー」
と、すかさず松下さんがぼやく。
「じゃあ、そこはまた今度。別の機会で」
そこでまた、真唯さんが調子に乗った。
「二人とも。いい加減にしなさい」
そして絢子さんが、また窘めるのだ。
「あのぉーー。ところで、真唯ちゃんは、どうして日本の大学に?」
環季が聞いた。
「えーと、それはですねー。建築デザイナーになるか、『バンダイ』に入って、プラモデルの設計デザイナーになるか検討中でして」
それを聞いて、「なんですとぉーー!?」と、悠希の目つきが変わった。
それを見て、悠希と真唯以外の三人が笑う。
「それで、真唯さんは、なんで『バンダイ』に入社したいと?」
悠希は、食い気味に真唯に聞く。
「いや。ほらわたし。小さいときからお父さんに、ガンダムのアニメ見せられてて、それでその立体像を作るんなら、やっぱり『バンダイ』しかないんじゃないかなぁーと思いまして」
この真唯と悠希はが言っている、『バンダイ』とは、正式には『バンダイナムコ エンターテインメント』の中の「玩具・模型・食玩」などのトイホビー事業を行なっている『バンダイ スピリッツ』のことである。
「それは、実に興味深い」
悠希はそれを聞いて、さらに食いついた。
「ところでー、これはなんの会ですか?」
真唯が聞いた。
「そうねー。さっきまでは「お茶会」だったけど。もしこれから真唯ちゃんも参加するなら、『女子プラモ部会』に改めないといけないかもね。
そう松下さんが言った。




