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女子プラモ部  作者: 志村けんじ


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複葉機のプラモデルの作り方


 翌日。会社内で、木村絢子きむらじゅんこさんに返事をする。


「あの。是非、あたしにやらせてください。どこまで期待に応えられるかはわからないけど、精一杯やらせていただきます」

 そう。力強く返事した。


「ありがとう。あなたなら、そう言ってくれると信じてた」

 木村さんは、そう言ってくれた。


「いや……。なんだかすみません。返事を待たせてもらって」

 そう言って、頭を下げる。


「いいのよ。受けてもらえただけでも嬉しいんだから」


「あの……。失礼ですが、時間はどれぐらい?」

 木村さんのお祖父さんは、介護施設のベッドで寝たきりだと言っていたので、失礼を承知で聞いた。


「2週間……。できれば2週間以内に仕上げてほしいの」

 そう言って、木村さんは懇願した。


「……。わかりました。できるだけ早く、頑張ります」

 そう言った。


 そうして、木村さんの会社のロッカーに入れてあった、そのプラモデルを受け取る。


 悠希には、「零式水上観測機が飛んでいる」一つのイメージがあった。


 ただ、それが上手くいくかどうかは、まだわからない。


 取りあえず、必要となるものを、会社帰りに買っていく。

 

 悠希がこれまで一度も使ったことがない色。特に、タミヤカラーのラッカー塗料「LP‐31 暗緑色 (日本海軍) 半つや消し」と、ミスターホビーの「半光沢 明灰白色 (三菱系)」は外装の色なので重要だ。


そして、そんな飛行機の専用カラーがあることにも驚いた。


 他にも、日の丸の赤であったり、サーフェーサーのシルバー色であったり、これは完全に、あの見た動画を参考にした。


 自宅に帰って、両親と一緒に晩ご飯を食べたあと、プラモデルの箱を開けて、中のパーツの現物をあらためて確認する。


「うわっ。やっぱり、細かいなぁー」

 そう思わず、口に出た。


 とにかく、今まで見たことがないパーツばかりなので、説明書通りにランナーからパーツを切り出して組んでいく。


 やはり、参考にさせてもらった動画にもあるように、このプラモデルのきもは、塗装なのだろう。


 動画の中の飛行機は、地上にあるイメージで作られていたが、悠希はこれを、「空が飛んでいる」ように作らなければならない。


 それなので、その塗装も、ただ同じように真似るだけでは駄目なのだ。


 説明書通りの順番組んでいって、その都度塗装するわけにはいかないので、取りあえずあとからまとめて塗装できるように、各パーツごとの組み立てを分けることにした。


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