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女子プラモ部  作者: 志村けんじ


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プラモデルは自由


 動画では、緑色キャップに付いている筆で、接着剤を塗り、胴体のパーツを左右合わせて接着すると、マスキングテープでしっかりと固定し、同じようにスポンジヤスリを使って合わせ目消しをしている。


 これも同じだ。これなら、環ちゃんと美少女フィギュアのプラモデルを作ったときに使った、爪楊枝に付けたスポンジヤスリの方が、作業はしやすそうだ。


 ただ、ここからは、なんか違う。デザインナイフで胴体の細かいバリを取って、デザインナイフの刃で、胴体の薄い線をなぞって、はっきりとした線にしている。


 そのあと、接着剤だと思うのだが、爪楊枝の先に付けて、胴体の線を一部埋めている。


 そうかと思ったら、今度は細い針が付いた穴あけみたいな工具で、胴体の線をなぞって、はっきりとした線を引いている。


 そのあと、歯ブラシだろうか。それで胴体のパーツを激しく擦っている。


 悠希には、謎だらけで、頭が追いつかない。


 パーツのバリを、デザインナイフの刃で擦って、軽く鉋掛かんながけするところは同じだ。


 それよりも見たことがないパーツだらけで、組み立てるときは、説明書通りに組み立てていかないと、全部わからなくなるだろうと思った。


 たぶん作りながら、穴あけの工具の針で線を引いて、いろいろとカスタムしているようだが、悠希にはそれがどういう理由でしているのかは、まったくわからない。


 マスキングテープではなく、養生テープを細く切って貼っているのは、その方がマスキングしやすいかなのだろうか。


 確かに、見てみると、好みの太さに調整はしやすいようだが、それならマスキングテープでも変わらないような気もする。


 初めてのこと尽くしで、この動画を見ていてもわからないことだらけだ。


 結局、養生テープを細く切って貼っていたのは、飛行機の浮のパーツにラインを書いて、そこに傷を入れて、本物らしさを出すためのようだが、悠希にはそれ自体がよくわかっていないので、そうなのかと思うばかりで悩む。


 最初は、ひょとしたら意外とできるかもと思っていたが、そう簡単には行きそうにない。


「あぁーー。どうしよう。明日には、返事しないといけないしぃーー」


 一度は、作ってみたい気もするが、それが誰かのため。それも木村さんの100歳になるお祖父さんのためとなると、かなりのプレッシャーだ。


 ここで頼れる相談相手といったら、やっぱり叔父の鉄二だ。


 悠希は、鉄二に電話した。


「おっ、どーしたぁー、悠希。なにかプラモデルの悩み事か」

 悠希が鉄二に電話をするときは、大抵プラモデルのことなので、察しが早い。


 悠希は、木村さんのお祖父さんと、複葉機のプラモデルの話をした。


 叔父の鉄二がくれた答えは、実にシンプルなものだった。


「悠希さ。そんな難しく考えなくてもいいんじゃない。プラモデルは、元々自由なものなんだから、悠希がこれだって思った通りのものを作ればいいんだよ」

 と、鉄二はそう言う。


「でも、それだと……。大丈夫かな」

 悠希は、不安を口にする。


「大丈夫、大丈夫。心配ない」

 鉄二はそう言って、悠希の背中を押す。


「わかった! あたし、やってみる!」

 そう決めた。


「あっ、そうそう。遥香が、この前ありがとうって。次会ったとき、お礼するって言ってたぞ」

 そう言って、鉄二は電話を切った。


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