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女子プラモ部  作者: 志村けんじ


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16/30

事前準備は、バッチリOK!


 ランナーからパーツを切り出していく際は、パーツが付いているゲートと、そのパーツの境目ギリギリを切るのではなく、ゲートの細いところを少し残して切ったあとに、もう一度きれいに切り取って処理する。


 いわゆる、「二度切り」というやつだ。


 手間かもしれないが、こうやった方が上手くきれいにできるので最適だ。


「ほうほう。なるほどー」

 こんな初歩的なことでも、初めてプラモデル作りをする、超初心者の環季は 感心する。


「それで、組み立てるときには、合わせ目消しっていうのをするんだよね?」


 超初心者のはずの環季から、思わぬワードが飛び出した。


「えっ!? えーーーっ!? なんで知ってるの!?」


 環季は、悠希が知っている性格上、好きなものには熱心だが、どちらかというと直感というか、行き当たりばったりなところがある。


 だから、このことは驚くべき意外なことだったのだ。


「し・か・もーーー。これも悠希ちゃんに内緒で、買ってきちゃいましたーー!」

 そう言って環季は、持ってきた別の「コトブキ堂の白いビニール袋」から、ガイアノーツ(M-7シリーズ)の瞬間カラーパテ1種類とアルテコ・スプレープライマー(瞬間接着剤用硬化促進剤)を取り出す。


 瞬間カラーパテの色の種類は、肌色系のフレッシュだ。


「調べたんだ……」


 こうなってくると、単なる「素組」とは、話しが違ってくる。


「当然! ねっ。イイでしょーー、イイでしょー」

 これで、準備万端とばかりに、環季は誇らしげだ。


「そう……だね」

 悠希は迷った。


 瞬間カラーパテ自体は、もちろん知っている。しかし、使ったことはほとんどない。


 それは、いつも塗装することを前提に、プラモデルを組んでいるからだ。


 この環季の「プラモ作り」への気合いがどこまで続くのかはわからないが、いまのところ環季が本気なのはわかった。


「それじゃーー、続き、続き~!」

 環季は興奮して、もうノリノリだ。


「環ちゃん。初めてだから、ちゃんと説明書見て作ろうね」

 悠希はそう言って、環季に念を押す。


「はい。先生! 大丈夫です!」


「一旦。落ち着こう」

 悠希はそう言って、環季に冷静さをうながす。


 細かい作業のプラモデル作りには、はやる気持ちを抑えながらの冷静さも必要だ。


「えぇーーっ!? なんでぇーー!? せっかく気分が盛り上がってたのにぃーー」

 悠希にそう言われて、環季は不満を口にする。


「でも、このままやってたら、遥香さんに教えてもらえないかもよ」

 そう言って、環季の気持ちを落ち着かせようとうながす。


「えっ!? それは、絶対にイヤ!」


「ね。だから」


「わかりました。先生! またよろしくお願いします」

 そう言って環季は、少し落ち着いた顔を見せた。


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