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女子プラモ部  作者: 志村けんじ


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15/31

あたしが先生?


 後日。環季は悠希の部屋を訪れる。


 お互い社会人になってから、環季が悠希の部屋に来たのは、これが初めてのことだ。


 その部屋の前には、当然、『女子プラモ部』の金属プレートが掲げられている。


「なにこれー。可愛いー」

 この可愛いという環季の反応に、悠希は少し驚いたが、これも環季の感性なのだろう。


 環季が部屋に来る前に、これを隠すことも考えたが、気心の知れた環季には、そのまま正直に見せることにした。


「どうぞ。相変わらず散らかってるけど」

 悠希の部屋は、いつもプラモデル関係のもので溢れかえっている。


 さすがに物が増えすぎているので、プラモデル作りの作業もできるような貸倉庫のようなところを借りることも検討中だ。


「おぉーー。相変わらずだねぇー」

 環季は、久しぶりに入った悠希の部屋の中を、キョロキョロと見渡す。


「ごめんねー。いつも散らかってて」


「いえいえ。これからよろしくお願いしますねー。先生」


「先生? あたしが?」


「そう。先生」

 環季は、悠希のことをそう言う。


「もう、やめてって」

 いきなり「先生」と言われて、悠希も照れる。


「いえいえ。わたしには、プラモデルの先生ですから」


「それじゃ、遥香さんは?」


「あの人は……。大先生!」


「なるほどぉー。そう言われると、なんだか納得」

 でも、環季は、遥香のことを、これから「大先生」と面と向かって言うつもりなのだろうか。


「それで、いま作ってるのが、このプラモデルですか?」

 そう言って環季は、製作途中の「ν(ニュー)ガンダム」を指した。


「そうなの。これがなかなかに手間がかかって」


「でも、そこがまた可愛いって」

 環季が、そうツッコミを入れる。


「でも、そこがプラモ作りの醍醐味でもあるから」

 だから、全然嫌ではなかった。


「でも、ごめんねー。なんだか、悠希ちゃんの邪魔をしたみたいで」

 ここで「先生」から、いつもの「悠希ちゃん」に戻る。


「それじゃ、まず素組というのを教えてください」

 そう言って環季は、大きめのトートバッグから、プラモデルの箱を取り出した。


 環季が悠希と一緒に選んだのは、「アルカナディア」の「エルメダ」というキャラクター。


 ちなみに、この「アルカナディア」とは、ホビーメーカのコトブキヤが出した、オリジナルのシリーズだ。


 定価は、8965円で。けっこうお高い。


 但し、色分けもしっかりされているプラモデルなので、「素組」だけでも完成度は高いはず。


 こういった美少女フィギュア・プラモデルの特徴は、まず「髪のパーツが多い」ことだが、これだけで、10個以上のパーツが普通にあったりする。


 この「エルメダ」も、もれなくそうだった。


 まず最初に、ニッパーで必要な頭部のパーツを切り出していく。


 悠希が、少しやって見せて、そこからは環季だ。


「では、いざ」

 環季は、気合いを入れた。

 

次回の5月1日(金曜日)の投稿は、「ゴールデンウイーク企画」として、ep.16~18を連続投稿いたします。よろしくお願いします。

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