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紫雲の國の玉水の恵み  作者: テディ
四の巻
94/153

疑問

 たった三回の稽古で、私はクタクタになってしまったの。

俯瞰(ふかん)でものを見る。これが想像以上に、

というより予想すらしてなかったくらいに疲れてしまった。


あとで千隼様に心配されたのだけれども、

どうやら頬がゴッソリと痩せこけて見えた位に疲れたみたい。

清志郎様も、朔太郎様も、慌てて実道様に医局に走るように言っていた。


「あぁーー、大丈夫ですよ? たぶん……」

ぼそっと言うと、清志郎様に珍しく怒られた。

いつものはアドバイスか注意なんだもの。

「雫、()()()は大丈夫な時には使わぬ言葉だ。

そこへ寝ておれ」

「は〜〜い」

私は、大人しく稽古の時にノビテしまった人が寝る、窓枠の下に移動した。

手拭いで目元を隠し、横になってみることにしたの。

……何やら涼しげな風が……。

そう思うと、千隼様が脇に座って団扇であおいでくださっている。

「雫様、どうぞそのままで。少し眠られるのも良いかもしれません」

あぁ〜〜、気持ちいい〜〜。

「千隼様……」

お礼を言おうと口を開いたが、千隼様に制されてしまった。


目を閉じて、さっきの3回目の稽古を思い出す。

イメトレ反省会だ。あの空中に浮く感じ……、

毎回行うのは大変そうだな……。

それに、何だか思考が変だった感じがする。

空間だけが大切で、その中に必要なものだけが浮かんできた感じがしたのよ。

でも思った言葉が変だった気がする



ーー私が感じる時間がウィルスで、弱さと共に震えているーー


なんであんな事、思ったんだろう?

時間がウィルスで震えている、弱さと共に???

ウィルス……、ウィルスって、なんのことをウィルスって思ったんだろう……。


そんなことを考えていると、頭の中がぐるぐるとしてきた。

マズイ、めまいだ。寝てるのに??

「千隼様、ちょっとマズイかも……」

そう呟くと、千隼様は正座していたはずなのに、飛び上がった。

「清志郎様!! 早く雫様を医師に見せなくては!!!」


ああーー、皆さん、すみません……。

私が原因で、大騒動がやってくる……。

でも、ちょっと気持ち悪い……。

そんな絶好調に?調子が悪くなってきた時、ドカドカと誰かが入ってくる音がした。


「仁様……、うるさい……。もっと静かに……、気持ち悪い……」

そう呟くなり、大きな声が聞こえる。

「雫!!! 大丈夫か?!って大丈夫じゃねぇな。

千隼、すまんがあおいでいてやってくれ。涼しい方がラクか?!

お前、……いったいどうしたんだ…?!こんなに、やつれて……!!

いったい、いつからこんな無茶をしてたんだ!!!

清志郎様、ご説明いただきたい!!!」

マズイ、私の体調より、仁様が怒ってる。説明……、ごめん、私は今は無理……。

千隼様も実道様も、慌てて仁様をなだめている。


「仁様、落ち着いてください。雫様は稽古が始める前までは

いつもの通り変わりありませんでした。稽古が少し特殊だったのです」

「仁様、医師たるもの、取り乱さないことが大切なのでは?」

千隼様の的確な説明と、実道様の冷静さが、今はとても有り難い……!!!

仁様、聞いてました?すみませんね、話すとキラキラが上がってきそうなんですよ……。

仁様が、グッと何かを飲み込んだのが分かった。


「すまん、あまりの変わりように驚いたのだ……。説明は後で聞く。

雫、雫!!気持ち悪いのか?」

おお、ここで一発で症状を言い当てるあたり、仁様は名医です。

私は、コクコクと頷いた。お願い、話させないで。

「分かった。 来い!!! 気持ち悪い時はガマンするな」


そう言って、抱き抱えられご不浄トイレへ一直線。

……仁様、私、一応女子なんですけどね……。


こうして心身ともに、乙女として大切な

何かを削られたのだった。

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