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紫雲の國の玉水の恵み  作者: テディ
二の巻
45/153

手弄

 勇隼様達に、許可していただいた私達は、それぞれ

可能性のありそうな方法を、探し出していた。


伊吹様のお宅に来られなかった菊次郎様も、

いつものように道場に私の様子を見にきてくれた時に、お話ししたの。

菊次郎様は、しばらく考え込んでいたのよ。

「雫様、……薬草や、虫達、食べ物にも、様々な要素が含まれています。

私も気になる物がいくつかあるので、調べてみます。

よろしいですか?」

よろしいも何も、是非にでもお願いしたいと伝えると、

柔らかくにっこり笑った菊次郎様は、はいっと言って手当てしてくれた。


実は、思いついたは良いけれど、迷路に迷い込んだと同じ状態なので、

躊躇が無い訳では無いの。でもなぜか私は、

絶対に方法があるはずだと思っていた。

影向(やうがう)様、ヒントくれないかしら?

もし、隼のような刀が必要なら、刀鍛冶と祈りの民の力が両方

折り合わなければならない。その時にお告げが無いとは考えられないのよね。


私の勘だけど、ただの勘だけど、これは試練だと思うの。

目標に向かって、皆が試行錯誤できるかの試練。

だから、ただ影を浄化するだけではダメだということにつながる気がするのよ。

だって、影を浄化して、裏で操っていた人を捕まえて、

はい、平和になりましたって、そんなに単純な問題なのかな?

いまいち腑に落ちないのよね。

だって、この國の人が、お告げに頼りっきりになったら

それこそ自分達で工夫しない民族になっちゃうもの。聞いたところによると、

もともと平和な時のお告げは形式をとっている。

でも、わざわざ違う方法を選んだということは、

民に平時ではないって知らせたいんだと思うのよ。

じゃないと、平和の大切さも、影向様の人を思う気持ちも

ありがたみが減ってしまうもの。


この國には、まだまだ人材が埋まっているはず。

胡蝶様の技術だって、それはそれは素晴らしかった。

たぶん、誰かがヒーローやヒロインになるだけで

國一つが救われるなんで夢見たいな状況にはならない気がするの。

じゃなかったら、もっと私に人以上の能力をくれれば良いんだもの!!

魔法とか、魔法とか、魔法とか……。

でも、そんな能力はなかった。確かに影も見ることができるし、

隼も刀身を抜くことができる。でも、それだけでは浄化できない。

浄化ができるのは、ひとえに清志郎様達との稽古があってこそだ。

だって、……最初は木刀の握り方から教えてもらってるんだもの。

ただ、一つ良かったことといえば……。

私が、あの影に触れたくないという思いが強すぎて、

皆に止められるほど稽古している点だ。

自分で言うのも何だけど、この熱心な稽古がなければ

もっと計画は遅れていると思うのよね。

私が、グズグズしたり、ゴネタリするのが、一番いけないことなんだと思うのよ。

それが一番、この計画にやってはいけないことの気がするの。

……と、なると、この終着点がどこにたどり着くにせよ、

努力し続けないと、私の異世界ハッピーライフは訪れないと言う訳。

それは……、いやだなぁ……。

どうやら私は、元の世界に帰れないらしいの。

召喚の術はあっても、帰還の術はないんだって。

やっぱりその位の覚悟がないと、影向様のこの國の民を救って欲しいって

願いは叶えられないらしいのよ。

まあ、でも帰還の術は探す気でいるけどね。


私なんて、まだ可愛い方よ?

小春なんて、

「分かるわ。あなたが帰還したいなら、私も喜んで手伝うわ。

どうせなら、私も連れて行って。そして、再び帰還の術を探して、

こちらと、あなたの元の世界を行ったり来たりできるようにすれば良いのよ」

と、目を輝かせていた。

……小春、さすが学士だわ……。私の欲が足りないのかしら……?

でも、2人なら楽しそう……!!


と、言う訳で、私は研究と稽古に(いそ)しむことになったのだった。

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