表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/13

カラス

「クローヴァル・ハシュブルト・ギャウ・26世」

この町のボスであり、パトロールをする烏だ!

よく、人間どもは、いたずらカラスと呼び、誤解され続けている存在だ。

例えば、ゴミを荒らし。


違う。


決められた日でもないのにゴミを出す愚か者を観察しているのだ。

町を汚すのはいつも人間である。


今日の夕刻、駅上空を巡回中、妙な動きをする黒服の男をみつけた。


人間が使うお金というものが沢山ある建物の近くで、出てくる人を観察している。


手押し車を押している老婆が出てくると、その後ろを追跡しはじめたのだ。


通りを曲がってすぐに、男が老婆に話しかける。


手押し車の中に手を突っ込み、そこからお金というものが入った黄色い入れ物を強引に抜き取った。


うむ、あれは盗人だな。


すぐ人混みの多い通りに逃げ込む。

手慣れている。


老婆も追いかける。

すごい勢いで加速する。

しかし、次第に差が開いていく。


男は踏切を渡り、交差点を駆け抜け、路地を何度か曲がる。


私は上空から追跡した。


やがて、男は公園のベンチに腰を下ろし、中身を探り出す。


愚かだ。


普通のカラスではこんなことはできないだろうが、俺の縄張りを荒らす奴は許さん。


風向、高度、上空から狙いを定める。


投下!


見事、男の手に命中する。


男は顔を上げる。


単純な生命体だ!


私は、旋回しながら二射目を放つ。


今度は見上げた顔面へ直撃した。


「うえぇ~ぺっぺっぺ」


「アホー」

「アッホー」


高度な二段構えの戦術は人間でも不可能だろう。



男は怒って石を投げるが、届くはずがない。この空を支配する者に挑戦するとは愚かだ。


あの3人組は・・・・昼間の・・




彼女たちに、この男を料理してもらおう。


ここからは地上戦だ。石が当たったように見せかけて地上へ降りる。


ホップステップジャーンプ

「カア~カカ」


「そのあほカラス、捕まえてくれ」

男が叫んでいる。


あほはお前だ!罠にすでにハマっているのだからな。


3人組の後ろへ入る。


すらりとした足の間から男の顔を見ると投下したものが垂れている。

男は勢いよく私を捕まえようと、真ん中の女の子の足元へスライディング。

そんな速度では捕まえることは不可能、電柱の上にとまる。


女の子の周りに煙が立ち上る。

「おりぁ~お前何してくれんの」

男を踏みつけて

「イチゴ倒れたじゃねーか」

やはり怖い・・・・


端っこの女の子は

「まあ、おちつくのじゃ・・」

やさしい・・・

男は3人に謝っているが


地面に黄色い財布が落ちているのを見て。


「見覚えのある財布だ・・・辰バアのじゃないか?」

黄色いものは財布と呼び、老婆は辰バアというのか・・


男は顔色を変えて逃げ出した。

その拍子に靴が脱げる。

3人組で私に弁当をくれた男は、それを拾って投げた。

届くわけがない。

と思った瞬間、突風が吹く。

私の羽があおられるほどの強風。

靴が加速。

ボコッ!!

男の後頭部を直撃して前のめりで倒れるが、

運が悪く、電柱に立てかけてある看板に、顔が直撃。看板は男の横にパタンと倒れる。

あのルネアという女性だ、私が唯一認めた人だ。

周囲に人が集まり、騒がしくなった。




盗人を探していた、地上をパトロールする2人組が、人の輪をかき分けて入ってくる。

警察カラスというようだ。


倒れた男と、横には看板が。

なんて書いてあるかはわからない。


このさき工事中

ご迷惑をおかけします



警察カラスは倒れている男を確保する。

弁当をくれた男が黄色い財布を警察カラスに渡す。

公園のベンチあたりを指さして、会話している。


警察カラスは男をどこかへ連れていくようだ。


偵察すると、赤く点滅している箱が近づいてくる。

箱の中に男を押し込む警察カラス。


点滅する箱は盗人を乗せて町へ消えていった。

警察カラスも箱の中へ入っていく。


箱の中にはさっきの老婆が悲しそうに座っているのが見えたが

警察カラスが黄色い財布を渡すと笑顔が戻る。


老婆が見上げている。片方の羽を上げてあいさつする。


ここは私の町。街灯の上で羽を整える。



さっきの老婆がいる。

ゴリラマッチョのような男をつれて歩いている。

子分か・・


手押し車の白い袋の中をガサゴソしている。

老婆が手をかかげる。


カラアゲげだ!


空へ放り上げる。





おいしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ