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ダンジョン探索者だけど猫耳美少女になった件について  作者: 蒼井茜


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妹可愛い

「そもそもの話、私服でダンジョンに潜る人の方が少数です」


「いや、鎧とか重いし街中だとめっちゃ職質されるから皆適当な改装で着替えるって」


「それはアイテムボックスかそれに似たスキルを持っている人の場合です」


「じゃあ俺持ってるからいいじゃないっすか」


「目立たないという方針ならばもっと適した格好があるという話でして」


「ジャージとか?」


「いえ、ギルドで売ってる作業着とか」


「あれ高いじゃないっすか、それにサイズが少なくて……俺今中学生の妹と同じサイズっすよ?」


「買えるくらいの予算はあるはずですが?」


「そんなん妹たちの学費優先ですよ。俺は長男……なので、自分の生活費+学費とこづかいくらいは自前なんですよ。バイト先の制服が買い取りとか嫌でしょ」


「それはそうですが、そのための支援でもあるとご理解ください」


「つっても妹もその支援対象ですし……正直レベルにかまけて装備はある程度適当でもいいんですって。ほら、持ち越しの物もあるから」


「だからそれでは目立つのです」


 喧々囂々、というわけではないが懇々とお話が進む。

 雑賀さんと帰り道でどんな格好ならダンジョンで目立たないか、という議論を繰り広げていたわけだが……結論から言えば女の子とおじ様が並んでダンジョンはいれば目立つよという所に落ち着いてしまった。

 女の子とおじさんペアという扱いを受けた俺たち二人は自分の言葉に打ちのめされることになったのは別の話だが……。


「ねぇお兄ちゃん。今度ダンジョン連れて行ってよ」


「あー? ギルドカード目的かー?」


 三つ子の次女、茉莉が帰宅早々そんな事を言ってきた。


「そう! ほらなんだっけ、ギフト? あれ欲しい!」


「狙って貰えるもんじゃないぞ」


「けど亜衣がさぁ」


「あー、まぁ気持ちはわかる。雑賀さん、どない?」


「ダンジョン省として承認してもいいですが……万が一がありますからね。やはり正式にコースでやった方がいいとは思います」


 まぁそうなるわな。

 いくら相手が鼠とはいえ、でかいし病原菌を持つようになったかもしれないとなると今まで以上に危険が伴う。

 いや、やる事は簡単なのよ。

 ネズミ捕り仕掛けておいて、バチーン。

 そこに向けてナイフ振り下ろすだけの作業。

 危険はほとんどない。

 だが皆無でもない。

 だからこそ管理されているというのもあるわけで、俺が独断で決めるにはちと荷が重い。


「つーか母さんたちはなんて言ってんだ?」


「いいよーだって」


 軽いなぁ……まぁ息子がこれだし、長女の亜衣もギルドカードは持ってるしな。

 それに雑賀さんがいて、母さんも親父もレベルアップ済み、爺ちゃん達に関しちゃレベル不明だけど一流だってのはわかる。

 つまるところ、正式に手続きしろって話になるわけだが……。


「あんまりお金使いたくないんだよね」


「それはわかる」


 その一点に関して俺達はシビアに生きている。

 貧乏ってわけじゃなかったし、俺と違ってみんな頭いいから奨学金というコースも考えていた。

 なんなら俺がダンジョンに行くまでもなく、生活費くらいはどうとでもなっていた。

 ただその上で、俺にできる事をしたいと思った結果探索者になっただけの話だ。

 ほら、休暇を考えなければ月30万以上の手取りって考えると相当美味しいバイトじゃん。

 命の危険があるよって話になるけど、それは現場作業とかそういう仕事でも同じだし。

 ただちょっとばかり怪我とか死ぬ頻度が高いだけの高給取りなんよ。

 ついでに一定以上のライセンス持っていれば探索者の所得税は結構安くなる。

 なんならギルドの取引がメインだから、個人間で依頼とかこなしてないなら確定申告もかなり楽だという。


 俺にとって滅茶苦茶都合のいいバイトだったんだ。

 で、それに感化された亜衣が私も将来一緒にダンジョンに行くと言い出して、ギルドカード取得。

 茉莉や、三女の瑠璃はタイミング悪く金欠だったため見送ったらギフトどーん。

 結果として慎重やら胸囲が増した亜衣は一人高校生もかくやという美貌……というと身内贔屓が入っているが、そんな成長を遂げたのだった。

 本人は「成長痛がきつかった」と言ってたし、衣類を買い直しになった等の問題はあったが三つ子でありながら一人だけ変貌を遂げたと言えるレベルの変化を見せたのだ。

 なお今は俺の方が身長低くて、変貌度合いなら負けなしで、下着もちゃんとしたのを用意しろとせっつかれている状態ですはい。


「まぁ、コース申し込みの身内が護衛兼見守りで参加が一番角が立たないだろうな」


「だけどぉ……」


「雑賀さん、伝手で何とかなりません?」


 無茶ぶりとわかったうえで言っているが、半分はマジだ。

 もちろんダメと言われたら素直に従うし、金も出すぞ。

 今俺はメガトンボアの素材のおかげでうはうはなのだ。

 というか母さんから「もうお金はいいから、それとこれ今まで貰ってた分貯金してたから返すわね」と言われて通帳を押し付けられた。

 ゴールデンウイーク迎えてない高校生が稼げる金額ではないとだけ。


「そうですね、現在セカンドギフトについての調査が進んでいます。今まで探索者じゃなかった方々が、新たにギルドカードを取得した場合のギフトについてと言えばわかりやすいでしょうか。三上幸助さんほどの変化はありませんが、セカンドギフトと思わしき例がいくつか見つかってますので……その調査として、という名目でねじ込むことは可能です」


「あぁ、比較検証」


「はい、三つ子という事もありますので上に話を通すのは容易いです。ただそれ以外は規約に従っていただくほかありません」


「という事だ。それでも良ければ茉莉も……そんで、そこで隠れて聞いている瑠璃も参加という事で」


 三つ子とはいえ性格の違いは結構出てくる。

 長女の亜衣は直情的で真っ直ぐ突っ込んでいくけど、ちゃんと計算した動きをする。

 だからカード取得のためのコースにつぎ込むだけ貯金できた。

 タイプ的な言い方をするとタンクだな、周りをよく見て長期戦に持ち込むことも視野に入れる。

 茉莉は似たように前衛的な動きをするが、短期的な物の見方が多い。

 結果的にカード取得はできなかったけど、俺が一段落したタイミングを見て提案してきた。

 アタッカーに向いてる「とにかく瞬間的なダメージを」というパターンだ。

 ちなみに間違ってもリーダーにしてはいけないタイプでもある。

 ……3000円も貯金できない所は直した方がいいとお兄ちゃん思うけどね。

 そして三女の瑠璃は引っ込み思案で大人しいが、それはそれとしていざという時はそれとなく主張する。


 今だって普段より存在感マシマシでこっちにアピールしてたし、貯金自体はあったが勇気がなくて参加を辞退したタイプなのだ。

 ヒーラーとしての適性が高いが……これは魔法のスキルを会得できるかどうかにかかってくるから何とも言えんな。

 長期戦を見据えるならリーダーとして一番活躍できるけど、そもそも本人が引っ込み思案だから向いていないという点は直さないとどうにもならない。

 総合的に見れば普段は亜衣がリーダーをして、とっさの判断は茉莉、長引いた時は瑠璃が指揮をというのが理想形ではある。

 なんだかんだで三人はそれぞれの弱点をカバーしているので、いいパーティになるかもしれんな。

 俺の場合はソロだったから一人で全部やってたし、今は魔法系スキルも覚えてるからパーティの重要性が薄くなってるけど……いざという時の戦いは数だよ。

 人数がいれば多少の不利や性能差相性差はひっくり返せる。


「じゃ、次の土日だな。土曜日に検査とテスト、日曜日にカード取得だ」


「わーい!」


「あ、ありがとうお兄ちゃん……」


 うむうむ、愛い妹達じゃ。



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