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第二話

 それから数日、特に何も変わらなかった。


 学校に行って、授業を受けて、部活をして帰る。

あの夜のことが夢だったみたいに、いつも通りの日常が続いていた。


 ただ一つだけ違ったのは、校内で彼女を見かけるたびに、少しだけ意識してしまうことだった。


 廊下ですれ違うときも、教室で誰かと話しているのを遠くから見るときも。

目が合いそうで合わない距離を、なんとなく保っている。


「……なんやそれ」


 自分でもよくわからない。


 あの日だって、特別なことがあったわけじゃない。

ただ終電を逃して、少し話しただけだ。


 それなのに。


「おい」


 突然、後ろから声をかけられた。


 振り返ると、あのときの彼女が立っていた。


「……あ」


 間の抜けた声がまた出る。


「“あ”って何」


「いや、その……」


 何を話せばいいのかわからない。

駅ではあんなに普通に話せたのに、今は妙にぎこちない。


 彼女は少しだけ笑った。


「この前ぶり」


「ああ……この前ぶり」


「無事帰れた?」


「おかげさまで」


 会話が続かない。

沈黙が落ちる前に、彼女が先に口を開いた。


「ねえ」


「ん?」


「今日、終電あるよ」


「そりゃあるだろ」


 思わずツッコむと、彼女はくすっと笑った。


「あの日みたいに逃さないでね」


「もうミスらんわ」


「ほんとに?」


「たぶん」


「信用できないな」


 軽く肩をすくめる仕草が、なんだかあの夜と同じに見えた。


 そのとき、チャイムが鳴った。


「あ、やば」


「次の授業?」


「うん」


 彼女は一歩下がって、手をひらっと振った。


「じゃあまた」


「おう」


 今度は“また学校で”じゃなかった。


 その言葉が、少しだけ引っかかった。


 放課後。


 部活が終わるころには、空はすっかり暗くなっていた。

スマホを見ると、時刻は19時過ぎ。


「……余裕やな」


 今日は終電どころか、普通に電車に乗れる。


 駅までの道を歩きながら、ふとあの日のことを思い出した。


 あの静けさも、風の冷たさも、

隣に誰かがいたことも。


 駅に着くと、ホームにはそれなりに人がいた。

昼間ほどじゃないけど、あの夜とはまるで違う。


 電車が来るまでの間、なんとなくベンチに座る。


 同じ場所。


 同じベンチ。


 でも、少しだけ違う。


「……来るわけないか」


 小さくつぶやいた、そのとき。


「何が?」


 聞き覚えのある声がした。


 顔を上げると、彼女が立っていた。


「……なんでおんねん」


「駅だから」


「そういう意味じゃなくて」


「わかってる」


 彼女は隣に座った。


 あの日と同じ距離感。


「今日、終電あるよ」


「さっき聞いた」


「でもさ」


 彼女は少しだけ前を見たまま言った。


「終電じゃなくても、こうやって座るのも悪くないでしょ」


 関西弁が、少しだけ混じっていた。


 なんだか、それが妙にしっくりきた。


「……まあな」


 ホームに電車の音が近づいてくる。


 でも、すぐには立ち上がらなかった。


 たぶん。


 この時間も、いつか思い出す気がしたから。


 今度は、ちゃんと覚えていようと思った。

前回に引き続きAIに任せました。

普通に読める文章書くのマジですごいですね。

次で完結させます。

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