コード98「それぞれの決勝ブロック」
第98話
前回、リーナが救われ、決勝ブロックのメンバー発表があってから
第1試合
ココロ vs リルフ
2人の勝負が始まった。
リルフがまず初めに樹木を大量に生成する。
だが、ココロはふわりふわりと華麗に躱していく。
まるでダンスを踊るように。
「諦めない!自然樹育魔術<スペル・植樹成長>!」
地面から、多くの樹木や蔦、花などがココロに向け伸びていく。
ココロは敢えて捕まりに行ったように見えた。
「よし…!これで…!」
樹木の内部から一斉に、大量の透明な粒子が舞う針のような棘が飛び出した。
「…。ごめんね。」
ココロが軽く回し蹴りをリルフに食らわせると、場外に吹っ飛んだ。
「試合終了!勝者は~~…ココロ選手だ~~~!」
ココロはリルフに手を差し伸べ、立ち上がらせたのち、1人控室に戻っていった。
観客席にて
「悔しいです…手加減されてたような気がします…。」
ケーシィがリルフの頭を撫でる。
「リルフは十分に頑張りましたわ。誇りなさい。あなたは決勝ブロックまで行ったんですもの。」
リルフは静かに泣いていた。
第2試合
スライス仮面 vs シスターミアリーゼ
スライス仮面はハット帽を深く被り、おどおどとし、ひび割れた仮面を付けている。
「よ、よろろ、よろしくおねがいしまひゅ!噛んじゃったぁ!」
スライス仮面さんはどこか可愛いのかもしれない。
「どうぞよろしくお願いいたします。スライス仮面さん。お手柔らかにお願いします。」
ブザーが鳴り響く。
スライス仮面がハット帽を抑えながらシスターミアリーゼに向けジャンプをする。
「神よ…!天光解放!」
ミアリーゼの体から光が上り、
その光がゲートのようなものを作りだし、
ミアリーゼの体にスポットライトのようなものが降り注いでいる。
ゲートの先は光に満ちていた。
(天光は魔術にかなり有効なはずです。天術はまだ…扱えませんがこれで凌ぎます!)
「え!?きゃっ!」
ミアリーゼの体がスライス仮面に引き寄せられてしまった。
なにをされたのか、ミアリーゼは全く分からなかった。
そのままスライス仮面がミアリーゼにキックを繰り出した。
「うっ…!でも…!!」
ミアリーゼが地面に向け飛ばされたと同時に、
スライス仮面はミアリーゼと反対の方へ弾かれた。
「足、いったぁぁ…!ふぇ…」
スライス仮面は足を抑える。
天光
魔術を扱う際、魔力を使用し、魔術を放つことが出来る。
天術の場合、魔力の代わりになる力の事を、天光と呼ぶ。
力の出方も、纏い方も、全く違う。
お互いがお互いを反発する。
魔の力と、天の力。
ミアリーゼは一つ勘違いをしていた。
それは魔術も天術に有効なためである。
お互いがお互いの有効属性となっているのであった。
スライス仮面がミアリーゼに向けて手を伸ばす。
すると、ミアリーゼの身動きが取れなくなった。
スライス仮面が腕を引っ張る動作をする。
「こ、これは…まさか!きゃああああ!」
身動きが取れないまま、ミアリーゼは場外に飛ばされてしまった。
引っ張られたようにも見えた。
「第2試合、スライス仮面 vs シスターミアリーゼの戦いは…スライス仮面の勝利だぁぁぁ!」
「スライス仮面さん、負けました。素晴らしいです。あなたのそれって…」
スライス仮面は咄嗟にミアリーゼの口元に指を置き、
「しーっ…内緒に…して欲しい。」
等というと、ミアリーゼはくすりと笑った後、
「はい。分かりました。私は言いふらしたりしないと約束しましょう。」
第3試合
エリナ vs アンセル
アンセルは準備運動をしている。
体が柔らかいようだ。
「アンセルさん、何卒よろしくお願いしますね。」
エリナはいつものように礼儀正しく挨拶をする。
「私も負けないよ~。お互い良い試合にしようね。」
「それでは、双方共に、準備はよろしいか?試合開始!」
試合が始まると同時に先に動いたのはアンセルだった。
軽やかに、ステップを踏むかのように、
それでいて、素早く、キツネのように。
「羽駆抜跳魔術<スペル・踊足羽跳>!」
見た目が華やかなせいでスピードが速い事を忘れてしまう。
そんな錯覚を起こしてしまう。
「はっ!スピードなら…負けません!魔力帯電、解放!」
雷を放出し始めるが、アンセルがそれよりも素早く、エリナの服を掴み、
場外に投げ飛ばした。
「飛雷纏魔術<スペル・飛雷放>!くっ!解放に手間取ってしまいました…!」
何とか、闘技場へ戻り、双方共に闘技場を駆け巡る。
アンセルのスピードはエリナよりも若干劣っていたが、
軽やかに柔軟さを生かし、エリナの攻撃を躱していく。
飛雷放には雷撃を飛ばす事も可能であり、
アンセルに向け3つの雷撃を飛ばし、左右を封じ、
雷撃がアンセルに直撃したところで、エリナが勝利を収めた。
第4試合
カナリー vs ジェイク
「俺のこの斧を受け止められるかな?お嬢さん。」
第4試合はジェイクの斧がカナリーの
魔力放出に耐えられず粉々に粉砕してしまい、
その後、魔力球でゴロゴロと押し出し、場外。
カナリーの勝利だった。
「やったー!勝ったー!えへへ~」
観客席からフェニが手を豪快に振りながら応援していた。
「うちの妹ってなんであんなにも可愛いのだろうか。」
そうしてそれぞれの1回戦が終わり、準決勝は休憩を挟み、始まるとの事だった。
魔術以外の力がついに出てきましたね。
天術
魔術が魔力を扱うのと同じように、
天術は天光と呼ばれる力を扱う。
実は過去に、妖気なる力も出てきていました。
鬼のシュテンが使った力ですね。
このようにこの世界には魔術、天術以外にも多くの術が存在しております。
アンセルは風系を得意とする魔術を扱います。
双方共にスピード感のある戦いでしたが、
エリナが勝つ結果となりました。
ちなみにジェイクの見た目は、超筋肉質で接近戦も得意でしたが
カナリーの速攻で近接戦も潰されてしまい、あえなく敗退。
もし近接戦になっていたとしても結果は同じだったでしょう。
第98話、読んでいただきありがとうございます。




