コード96「夏の大祭中の影と光」
第96話
前回、リーナvsココロが終わってから
「今日はたくさんの良い試合を見ることができましたね!明日は、決勝ブロックです!強き者達の集まる夏の祭典、サマーデュエル!明日も見逃せませんね!明日も私、ラフィー・ルンルーナとレイラ・ティアハート先輩の2人でお送りいたします!また見に来てね~!」
ラフィーは観客の皆に手を振り、
レイラはお辞儀をしている。
「ご来場の皆様にお願いとお知らせがございます。本日は遠方からもお越し頂き誠にありがとうございました。お帰りになられるお客様へのお願いです。混雑を避ける為、お帰りのお客様は我々スタッフが誘導させていただきます。またお土産コーナーも出入り口付近に複数店舗、設けられておりますので、是非一度お立ち寄りください。本日はありがとうございました。また明日のご来場を心よりお待ちしております。ラフィー・ルンルーナでした。繰り返し申し上げます。ご来場の皆様にお願いとお知らせが…」
ラフィーが丁寧に放送している。
こうして、サマーデュエル本選、1日目は終了した。
夕方、今は絶賛サマースペルフェスの真っ最中である。
夕方から夜にかけても、サテリッズではいつも以上に賑わっている。
医務室へ向かうと、ケーシィとフェニが一緒に居た。
「はい、ケーシィちゃんには塗り薬ね。1日1回、お風呂上りでも塗っておくといいよ~。フェニちゃんは、激しい運動はしばらく禁止ね。2人ともハメ外しすぎないように~♡」
アスク先生がからかうように2人を送り出した。
リーナが手当てを受ける。
(さっきの…ココロさんの動き…私じゃ勝てなかった。)
悔しそうにベッドを寝そべっている。
「リーナちゃん、もしかして落ち込んでる?」
アスク先生がリーナの顔を覗き込んでいる。
「…。先生、髪の毛がくすぐったいです。」
落ち込んでいるのは事実である。
今出せる全ての力を振り絞っても勝てなかったのだから。
というより、スピードもかなり早かった。
そもそも魔弾が残ってる。撃てなかった。
撃てていればまだなんとかなったのだろうか。
いや、撃たせてくれなかっただろう。
「ずっと落ち込んでられないや。ごめんね先生、もう行くよ。」
リーナは起き上がり、着替えてみんなの元へ向かう。
日が落ちてる。それでも、お祭り期間。
中央衛星都市サテリッズではいつも以上に賑わっている。
(あれ、みんなどこ行ったんだろ。)
リーナは小走りにみんなを探す。
そんなリーナの背後に、黒い影が近づく。
カナリー達はリーナを探しに医務室へ向かうが、
入れ違いになってしまったらしい。
マナとリベラは胸騒ぎを感じている。
「マナさん…今、リーナさんを1人にするのはかなり危険なのでは…。」
秘かにマナに耳打ちをする。
「探しましょう。リベラ様とリーナ様が出場して、リベラ様は大丈夫ですが、リーナ様はルナリアに顔と名前が割れています。早急に捜索をしなくてはなりません。」
2人でこそこそ話し合っているのをカナリーが見て、何かを察した。
「リーナさん、遅いね。私達で探そう~!どこに行っちゃったのかな?」
カナリーは明るく言った後、マナとリベラに向かって目配せをした。
だって、私も心配だから。
そんな中、リーナは1人皆を探していた。
いつもと違う都市。通れるはずの道も、屋台や、通行規制されていたりする。
そして、影がリーナに接触してしまう。
リーナは相手の数を確認する。
目の前に3人。屋根の上に2人。
目の前の3人の奥に、4人。
曲がり角に2人。
その他にも数名居ると判断する。
(やっちゃった。あのままスタジアムに居た方が良かったかも…。1,2,3…10人以上か。これはまずいかも…。今日の魔弾が残り2発…。)
リーナは深呼吸をする。
「で、私は殺されちゃうわけだ?そんな大人数で1人の女の子に迫るなんて、デリカシーの欠片もないね。私って人気者だね~。」
大通り、人通りもそれなりにあり、リーナはこの場を、人混みを武器にする。
だが、そんな期待は虚しくも消えてしまう。
様々な属性の高速玉が放たれる。
(全方位から!?ここには関係ない人も居るのに!もう!)
煙幕魔弾魔術<スペル・魔弾Ⅱ>
ボウガンで魔弾を地面に撃ち込む。
白い煙が広がり、煙幕の中をリーナは駆け抜けていく。
「うわ!なんだなんだ!?」
「街中で魔術かよ!誰だよ!」
「ん?ママ、この煙、綿あめの味がする~!」
(これで…。スタジアムに向かうか学園敷地内に逃げ込むか…どっちがいいか…。)
リーナは考える。
スタジアムならここからまだ近い。だが、絶対安全というわけでもない。
オービット魔術学園都市だと、ルナリアも入ることが出来ない。
だが魔列車を乗り継がないといけない為、遠い。
カナリーさん達に…知らせるべきか…。
(助けを求めるべきだ。)
そうだよね…!迷ってられない!
リーナは本日最後の魔弾を装填させ、ボウガンを上に向ける。
「届いて…!お願い…!見つけて!」
花火魔弾魔術<スペル・魔弾Ⅲ>
大きな花火が打ち上げられる。
1発から、何発もの花火が炸裂する。
それは、ブレスレットや弾丸の形をしていた。
リーナは建物の隙間や、人混みをかき分けていく。
「逃げられるとでも…?」
リーナに向け短剣が2本投げ込まれる。
それはリーナの頭と心臓に。
「くっ…!」
事前に短期予報で見えていたが、
人混みの中での危険予知だったため、
2本飛んできていることに気が付かなかった。
頭に飛んで来ていた短剣は、頭を横にずらして辛うじて躱す。
胸に向かって飛んできている短剣はボウガンで防ぐ。
(すごい正確に…!!この人…執行人…!?)
だが、3本目が飛んで来ていたことに気が付かなかった。
まずい!!!視覚外から…!重なってた!この位置…避けられない…!
白い光が超高速で飛んでくる。
「コル、お願い。」
四角い魔法陣が現れ、ナイフが弾かれる。
「あ、あなたは!」
ココロがリーナの前に立ち、リーナを守った。
ココロはリーナに何も言わない。
何も言わずに、ただリーナを守った。
「貴様は確か…お前は一体何者なんだ?」
ルナリアの刺客は問う。
ココロはその問いに何も答えない。
「…。私のそばから離れないでね。」
ココロはリーナに向けて言った。
リーナが皆とはぐれ、大ピンチでした。
しかし、その窮地を救いに来たのはなんと
ココロだった。彼女の真意とは。
第96話、読んでいただきありがとうございます。




