コード59「未来との分岐点」
第59話
前回、マナはモリアに会いにいき、カナリーは手足が自由になってから
輝鳥歴 24年
マナはベッドに寝そべり、目を閉じ
データ整理を行っていた。
いつもより、データ整理がしやすい。
マナはふとそんなことに気が付いた。
体の状態にも、気にかけた。
もしかしたら…。
その確率は33%。
まだ確証はない。確実ではないが…。
データ整理中。
モニカは窓の外を見つめていた。
「今日はとても楽しかったな。明日も良い日になるかな。」
次の日、
マナは目をゆっくりと開ける。
遅い時間まで、データ整理を行っており、
どうして過去に来てしまったのか、
どうすれば、無事に帰れるのか、
マナはそのことをずっと考えていた。
マナの体はマリナの体。
つまり、休息も大事であり、睡眠をとる必要がある。
マナの睡眠時間、6時間。
一応、十分な睡眠時間は取れている。
体を休めつつ、マナは作業していた。
「あ、マナちゃん起きた?おはよ~。朝ごはん食べに行く?」
気が付けば、マナ”ちゃん”と呼ばれていた。
モニカに連れられ来たのは、学園区画の外。
都市の外れにある無人売り場だった。
マナは何故かお腹が空いていなかったため、
モニカの付き添いとして来ていた。
ここでは学生なら、何でも取って行って良いらしく、
様々な食べ物や飲み物が陳列されていた。
何でも飲食して良いとは言ったものの、一人3つまで。
それが学生達の暗黙のルールとなっていた。
「私は…今はいいや。」
モニカは何も手に取らなかった。
「では、私も今は平気です。この場を教えてくださりありがとうございます。」
なぜ、学生なら何でも取って行って良いのかと言うと、
学園側から学生達へ事前にお金を徴収しているから
運営が出来ているとのことだった。
「モニカ様は、何も飲食しなくていいのですか?私も言えた事ではありませんが。」
気になっていたことを質問した。
「あはは、大丈夫だよ。私あんまりお腹空かないから…。」
はにかんだその笑顔は少しだけ不安さを感じた。
モニカからマナも取らなかったと追及はされなかった。
きっと何か事情があるのだろうと、マナはそう思い、
触れないようにしようと頭の中で指令を出していた。
今日は雲からの日の光が少しだけ差し込んでいる。
良い天気になると良いな。
モニカはそう願っていた。
マナは街を歩いていると、一つの光る石を見つける。
マナが光る石を手に取ると、石の模様が変わった。
その石は、青く、深く、渦巻いたように輝いていた。
まるで、夜空そのものを切り取ったかのような、
そんな、輝く石。
マナは、観測演算魔術<スペル・魔視+>で
石の情報を見ようとした。
しかし、膨大な情報量で、頭が一瞬ショートしかけた。
倒れそうになり、膝をつく。
こんな石があったなんて、とても興味深い。
また後で、この石の事を調べてみようと思い、
その石を持ち帰った。
.
「モニカ様、魔列車?というのは、石炭を使って運行しているのですね。」
200年前では、魔石を使っての列車ではなく、
石炭を使っていた。これに関しては、自分たちの居た元の世界と同じ原理であるだろう。
「そうなんだよね。でも、石炭は取れる数が決まっているし、消費も多いし、採掘場をまた探さないと~って偉い人が言ってたんだ。そのあたりは大変だろうね。」
200年後では、どうやら、魔石の取れる採掘場がある。
しかし、200年前ではまだその魔石採掘場は見つかっていなかった。
輝鳥歴 224年
カナリーは必死に魔力を抑え込む訓練をしていた。
「ふんぬ~!くっ!ぷはあ~。」
力を入れれば、しぼめることは出来ても、
またすぐに出てきてしまう。
「マナ…どこに行っちゃったの…。」
カナリーの部屋の窓辺には、一羽の鳥が空を見つめていた。
時間の流れない特別で神秘的な空間
光り輝く粒子のような大きな木がそこにはあった。
マナの小さな行動により、
世界が大きな木の枝のように、いくつも分岐した。
その分岐は止まる事を知らずに、
無数に枝分かれしていた。
いくつもの世界が生まれ、その先は…燃えていた。
元の世界線、大きな木本体にも、火が伸びようとしている。
「これは…一体…。世界が…。」
辺り一面が夜空のような空間で魔女帽を被った1人の少女がポツリと呟いていた。
マナの行動により、未来が大きく変わってしまう。
マナが大事に思っているカナリー、そして世界
その全てを失うことになるとは、
この時のマナはまだ何も知らなかった。
過去と現在、その二つが重なっては解れ
そして、崩壊する。
過去と未来、分岐した世界、数多の物語が交差する。
第59話、読んでいただきありがとうございます。




