コード58「モニカの考察」
第58話
前回、モニカとマナが出会ってから
輝鳥歴 24年
マナはモニカに連れられやってきたのは学生寮だった。
200年後の学生寮とは場所も違い、大きさも過去の方が
小さく、宿舎としての機能しかないものだった。
「ここが私達の部屋ね。少し散らかっててごめんなさい。」
宿舎としての機能しかないといったが、
学生達が創意工夫をし、部屋そのものを魔術で拡張していた。
「あれ、モリアが居ない。またどこかで何かしてるのね…。」
恐らく、モニカはモリアと呼ばれる人と同室なのだろう。
学生寮に食堂や大浴場はない。
シャワー室と、洗濯の出来るスペース、
飲み水場があるだけだった。
「お腹すいてない?平気?」
モニカは気遣ってくれている。
「ありがとうございます。お腹は空いていません。大丈夫です。」
しばらく、学園内を歩いた。
皆、黒いローブを着ている。これは恐らく、指定のものだろう。
「モリアはきっと、学園内の研究室に居るだろうから、会いに行こうか。」
モニカと一緒に学園内に入り、研究室へ向かった。
「モリア~?居る~?居ない~?」
学園内の研究室へ到着する。
中には、魔力の形状変化で花を作って、それを研究員が植えようとしている様子だった。
「あ、モリア居た~!やっほー!な~にしてんの?」
だが、モリアと呼ばれるその女性?もしくは男性は、
かなり集中している様子で、魔力の花を作っている様子だった。
マナはモリアを観測し、性別を確認しようとするが、エラーが出てしまっている。
どちらか分からない。
長い髪に、麗しき美顔。
それでいて、ほっそりとしていた。
美女…?美男?
結局どっちなのか分からなかった。
「あちゃ~この様子だと、しばらくは相手してもらえないかも。後回しにしようか。」
モニカは落胆していた。
「いいえ、そのお気持ちだけでもとても嬉しいです。」
マナはとりあえず、モニカに200年前のロードベルト国を案内してもらうことにした。
「輝鳥歴になってから24年、みんなやっと慣れて来たって感じがするね。」
モニカは感慨深そうに言っていた。
「モニカ様は、おいくつの方でしょうか?見た感じは若そうに見えますが。」
「私?私はね、22歳だよ。輝鳥歴2年生まれ。当時は…本当に大変だっただろうな…。」
マナは歴史の講義をしっかりと聞いていた為、その大変さが理解できていた。
だが、異世界人と言うことにしているため、分かっていても分かっていないフリをしていた。
「そもそも、輝鳥歴というのですね。私、この世界についてあまり詳しくないので、すみません。」
モニカの顔が輝いた。
「ねえねえ!あなた、どの世界から来たの?国とかあるの?言語も同じ?食べ物は?それこそ、歴とかあるの?」
質問攻めされてしまった。
答えてもいいのか、管理者がどう判断するのか分からなかったため、
上手く誤魔化すことにした。
「…申し訳ございません。この世界の住人ではないということは分かっているのですが、前に居た世界の事は何故か、蓋をされているように、思い出せないのです。記憶喪失と言うべきでしょうか。大変すみません。」
モニカは何かぶつぶつ言っていた。
「なるほど…この世界の住人ではないため、別世界の記憶は要らないものだと判断されたという事ね…。でもどうやって、何に妨害されてる…?誰に妨害されてる…?マナさんを呼んだ人?神様?記憶は元に戻るのかしら…。それとも、記憶は完全に消されてる可能性も…。マナさんが帰ったら戻るのかしら…。」
マナはモニカの考察を待った。
「あ、ごめんなさい。私も研究者でね、一度考えだすと止まらなくなっちゃって…。でも、すごく興味深いよ!あなたを無事に元の世界に戻してあげるからね。」
マナはありがたいと思う反面、
嘘をついていることに少々の心魂へのダメージがあることを検知していた。
「そろそろ、寮に戻ろうか。モリアは多分、帰ってこないだろうし、ベッド使って良いからね。」
至れり尽くせりである。
「モニカ様、本当にありがとうございます。」
輝鳥歴 224年
さて、この魔力ボール、(私が命名した。)
どうやって抜け出そうか、頭と両手両足が出せるのは分かった。
歩きにくいし、可動域がかなり狭いけど…。
というか、出しているというより、押し込んで手や足の形に変えてる。
が正しい。
あと、前面に出してるから後ろが若干、重い…
でもこれにより、リベラさんの作ったスープを堪能することが出来る。
「ほっ…優しい味…。おいしい。」
スープを飲み干し、扉の前にメッセージと共に容器を置いた。
(いつもありがとうございます。スープとっても美味しかったです。)
これで良し、鍵もかけられるし、明日まではなんとか、乗り越えられる!
明日、誰に相談しよう…。まあ、明日考えよう。
カナリーは顔と、両手両足をボールの中に戻し、
ベッドまで転がり、その日は眠ることにした。
リベラは、手紙を読み、嬉しそうにしていた。
「良かったですね。リベラさん。あなたのそんな顔が見れるとは思わなかったよ。」
リベラとリーナは初めは同僚で、次に敵同士になっていたが、
今となっては、2人とも仲のいい友達のようになっていた。
これは、カナリーも望んでいたことであり、その願いは叶ったと言えるだろう。
リベラとリーナ、ザミエルはマナ捜索をどうするか、相談しあっていた。
輝鳥歴になったわけも物語を通して少しずつ明かされていきます。
その話はこの物語においてかなり重要になってきます。
それも含めて少しずつ考察を踏まえてお楽しみください。
第58話、読んでいただきありがとうございます。




