↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『幾星霜のソムニア -私とAIの異世界転生!-』  作者: 星廻 月華
【勇者編:アイゼンヴルグ章】
PR
299/305

コード298「紫青龍攻略作戦」

第298話

前回、紫青龍との交戦を開始してから

 翼を攻撃された紫青龍は魔力を集め、翼飛行ではなく、魔力浮遊を始める。


「グォォォォォォォ!!」


 紫青龍が咆哮した時、奴の周りにふわふわと魔力のわたのようなものが大量に浮遊し始める。それと同時に魔物達も集まり始めた。


「魔物の群れか! 各員、迎撃準備を! ルイナ、紫青龍の方は任せるぞ。魔物はこちらで撃ち落とす。もし、手助けが必要なら言え。いいな?」


「あぁ、もし手助けが必要になったらその時は言うさ。ただ、少し心配ごとがあってね。あのふわふわと浮いている魔力の塊がね、少し気になっているんだ。もちろん、こちらで解析もしているが……」


 再び、紫青龍が咆哮した時、その魔力の塊が魔物の方へ、飛び、そして付着した。


「い、一体何が起こっているんだ……」


 魔物達が苦しみだし、よく見ると、魔力の質が変わっており、目の色も青紫色に変色していた。それは、まるで、カビが浸食しているようなそんな見た目だった。


「あれは……、浸食している……?もしかすれば、紫青龍が勝手に倒してくれて……」


「いや、そんな生易しいものではないかもしれないよ。ボクの推測を言うなれば……あれは、活性化、増菌化、感染状態に近いものだろう。呼称するとすれば、浸菌化状態と言ったところか」


 菌が浸食した個体だから、浸菌化個体。なんとも安直だが、とても分かりやすい。活性化個体は既に確認されている為、差別化をすることで分かりやすく出来た。


 浸菌化された魔物達が紫青龍につき従い、そして襲い掛かってくる。ドワーフ達がマスケット銃を魔物の群れに撃つのだが……。


「くそっ……! こいつら、通常個体よりも格段に強いぞ……! 謎の壁が弾丸を弾きやがる。パワーが足りねぇ! 一点集中だ! 撃てぇ!!」


 勇者達以外の冒険者達は浸菌化魔物個体に苦戦を強いられていた。弾丸などは菌の防壁に弾かれ、落とされる。紫青龍が防御術式を魔物達に与えている事が分かる。一点集中して放つとその術式を壊す事が出来るらしく、そこから二列目が続けて、追撃する形でやっと討伐できるようだ。

 

「近接部隊は張り付いてくる魔物を落とせ! 列車は次の駅で徐行運転になるだろうから、それまでに落とし続けろ!」


 魔物達が列車に飛び掛かってくる。時速80キロを超えているが、次々と魔物が落とされていく。


「ぐっ……! クソが! 全部あの龍のせいだ! やってやる! くっ……」

 魔物から攻撃を受けたらしい。だが、そこへ回復魔術をマイナールが皆へかけていた。


「……」


 冒険者達は最初こそ、マイナールを非難はしていたが、回復してくれたことには素直に感謝していた。

「あ。……その、なんだ。感謝する。援護は任せたぞ!」


 マイナールは冒険者達にコクリとだけ頷き、荒野の遠くを見た。そこは砂埃がどんどんとこっちへ向かってきており、その中央には二人の影があった。


「は……速すぎ……! 何この魔力出力!! と、止まって~~~!!」


 コールがホバーボードのようなものの上に乗り、リーナがコールの腰にしがみついている。ボードからは魔力が噴射しており、大爆走していた。


「魔列車見えてきました。が……、なにやらトラブル発生中のようです!このまま、交戦を開始します!」


 ホバーボードの向きを魔列車と同じ向きにし、魔物の群れに突っ込み始めるコール。


「あぁっ! もう! 仕方ない! ザミエル!! 弾頂戴! 全部撃ち落とす! アレを使うよ!」

 ザミエルが通常弾を生成するのと同時に、ヌーマイトが銃身を形成し始めた。



「MB(マギアブル)GG(ガトリングガン)『ブラック・カイマン-ネスト-』!」


 リーナの手に中型ガトリングガンが形成されるのと同時に、リーナに固定ベルトが巻かれた。ホバーボードから落ちないようにのようだ。そのまま、乱射。魔物達が蹴散らされていく。乱射する中で、リーナは手のひらサイズの石を敵に向かって投げつけると、炸裂した。


「お~~、派手ですね! このまま並走しますね!ん?あれは……あ、冒険者の皆さんが降りて交戦中のようです。そっちをやりましょう。……ん?あの方は……」


 ルイナが屋根に登り、紫青龍へと幻術を駆使し、戦闘を行っていた。それを見たコールの目が細くなった。リーナもルイナを見て、少し驚いた。カナリーと似ているが、服装や立ち振る舞いからして、全く違う人物だという事が分かるが、何故このタイミングで現れたのか、リーナ達は詳しくは知らない。


「コールさん、列車に近付いてください! そっちからの方が迎撃しやすいですし、私はあの龍について調べないと……」


「"あ、その事についてだが、あの龍は君らの仲間ではない事が分かったからね。問題なく、討伐してもだ丈夫だよ"」


 ルイナから、リーナへ脳内通信が届く。リーナは驚き、乱射を一旦やめて頭に手を当てる。


「頭の中に声が……、カナリーさんの声に似てる……。でも、やっぱり心配だから……ザミエル、あの龍の解析、お願い!」

 脳内でザミエルが龍の解析を始める。ここ数ヶ月でザミエルは魔力探知の応用で多少の解析を行えるようになっていた。


(解析した。あれは龍人種ではないらしい事は分かった。とりあえずは、メイスィではないようだ)


 とりあえずの目的は果たした。メイスィの捜索としては、停滞となったが、目の前の敵が仲間ではない事を知って安堵する。それならば、次は、その魔物を討伐する事に切り替える。


「コールさん、列車にくっ付けてください! 私、あっちで手伝います!」


「了解です~! じゃあ、私は……全体のサポートに回りますね。……良かったですね。リーナさん」


 リーナが魔列車に乗り移り、コールは魔物の群れの方へ方向転換した。その時、コールは一瞬、列車の方を見る。その視線の先にはマイナールが居た。コールは視線だけを向けた後、一瞬微笑んだのち、群れへと向かって行った。


「さて……それで、あなたは誰なの。ふっ……!」

 ガトリングガンを連射し、紫青龍へ撃ち込み続けながら、リーナはルイナへ話しかけた。なんとなく、予想はついている。恐らくは、ミナリーと同じような扱いだろうと。


「ボクかい?ボクは、『ルイナ・リアリティア』。他国では大学教授をしていてね。リアリティア教授とでも呼んでくれていいのだよ」


「分かった。ルイナさん、あの龍をなんとかして討伐したいのは私も同じ。とりあえず、先にアレを倒しましょう。その後に、あなたについて、教えてください」


 リーナはルイナと共闘を持ち掛けた。ルイナが何をやったのかを詳しく知らないまま。


「あぁ、ボクもそのつもりさ。そちらに合わせる。ボクの術は割と広範囲だが、実を言うとサポート寄りなんだ。だから、キミには期待しているよ。さて……ナハト、全身全霊のサポートを始めよう」


 紫青龍討伐が開始される。


("了解。演算を開始。対象、リーナとの共闘を確認しました。これより、敵対象のパターンを分析開始")


 ルイナがナハトを使い、紫青龍の弱点を探す中、リーナは乱射を続ける。残弾数に関しては、ザミエルやヌーマイトが管理及び、生成をしている為、魔力切れを起こさない限りは無限に撃つ事が可能となっている。だが、弱点を突かない限りは……


「おや、反撃をしてくるらしい。露払いはボクに任せて貰おうか。幻影+魔力解放」


 紫青龍がブレスを溜め始める。ルイナは魔力で膜を作り、バリアを作り出す。幻影、幻術は架空の質量を作り出す事が出来る反面、防御には向いていない。


(ボクの魔力は、姉さんほど多くはないが……他の者よりかは、多少なり質量を変えられる。ガチガチにすれば……)


「魔力壁之幻術<ミスティ・幻鏡盾(ミュラーリング)>!」

 目の前に大きな盾がホログラムのように現れた。そこへ、ブレスが飛んでくる。


「ははっ! キミの攻撃はキミ自身が受けると良いさ! 弾き返せ! ナハト、角度計算よろしく!」

 反射角度をナハトが計算し、ブレスを弾き返した。吹き飛ばす事には成功した。


("マスター、ご報告があります。弾き返すことは出来ましたが、ダメージにはなっていない模様。しかし、パターンとして記憶する事には成功。次の手を考えます")


 リーナも同時に考える。このまま、撃ち続けてもあまり効果が見られない。相手はまるで、シャワーを浴びているようなそんな雰囲気だった。


「……仕方ない、魔弾を使うしかないか。ザミエル、アイツに効きそうなのって……」


 その時、下から声が上に届いた。

「すみませーーん! 私達もお手伝いします! 何かお役に立てる事があれば……!」


 アイトリ・ナカの声が上に届き、ソリナメンバー達もそこに加わる。

「ふむ……、これだけの戦力があれば……行けそうだ。……んー。よし、盤面は完成した! 行こうか。龍退治だ」


 紫青龍討伐メンバーは、

 ルイナ

 リーナ

 ナカ

 黒見藍

 月見里静

 笠井澪

 羽島唯香

 宮本夢月

 天音ユウリ


 このような形となる。


「まずは、ナカ、浄化系スキルの準備を頼むよ。月見里先生は全員に強化を。リーナと羽島は敵に撃ち続けてくれ。黒見はボクの補佐を。笠井、防御は任せた。もし無理そうならボクも手伝う。宮本と天音は魔力を溜めておいてくれ。頼んだよ」


 ルイナが全員に指示出しを行う。彼女は知略で攻めるタイプだった。他の姉妹ほどの膨大な力を持つわけではないが、頭脳で攻めていくスタイルだった。


(ふぅ……、今まで姉さんのフリをしていた時は……何も思考出来ていなかったからな……今、少し高揚しているのが分かる。ふふっ、楽しいな)


 天音ユウリは少し不服そうだったが、役割分担を聞き、魔力を溜め始めた。

「あの、浄化系スキルと言いましたけど、本当に浄化で良いんですか?攻撃系ではなく?」


「あぁ、それについては、あのドラゴンのほとんどが、カビで構成されているからさ。黒星の鍵杖(クラヴィス)くん、カビに効くような、塩素系漂白剤は作れるかい?」


 ここに来て、塩素系漂白剤というワードを戦場で聞くとは思わなかっただろう。一瞬の間があった。


「"まさか、そのようなワードを聞くとは思いませんでした。結論から申し上げましょう。行けます。以前も似たような経験がありますので、ただし、フルパワーで使うには少々時間がかかりますとだけお伝えいたします"」


 ナカにひし形のマークが現れた。黒星の鍵杖(クラヴィス)と何やら相談を始める。順調だ。その間も、敵は待ってくれない。ブレスを構えているが、向きが何やらおかしい。


「……まずい! レールを守れ! ……ちっ、間に合わないか!」


 ルイナが飛び出し、彼女の周りに透明な陽炎のような幻影が纏い始める。

「幻透紙(カード)!」


 幻透紙(カード)が紫青龍の目の前でレンズのようになり、ブレスの軌道が逸れた。岩石や砂埃がレールへ降りかかるが、それらは謎の力が防いだ。


「あ、危なかったですわね……一応、レールにシールドを咄嗟に張りましたが、防げるか不安でしたの。ありがとうございますわ。ルイナさん」


 ルイナと笠井による咄嗟の行動により、レールは守られた。一瞬、外に出た天音ユウリと宮本夢月が列車に戻ってきた。


「……あぁ、助かった。私達じゃ、恐らく間に合わなかっただろう」


「ねぇ! それよりこれ、いつまで撃ってればいいの!? 鱗が硬くて、あんまり効いてないんだけど!」

 羽島による弓矢攻撃。一応、リーナも一緒にガトリングガンを連射はしているが、流石は龍種。ワイバーンなんかよりも防御力はあった。


「羽島はそのまま続けてくれ。なあ、黒見。ボクの考えが分かるかい?あの龍へ致命傷を与えるにはどうすればいいか」


 黒見藍は自身の顎に手を置き思考する。

「ナカさんに、浄化系スキルをお願いしていましたよね。カビを根から潰すのは分かります。周りの皆で気を逸らしながら、ナカさんのスキルで倒す……だけではないんですね恐らく」


「半分正解だが、半分は間違い。まあまあと言ったところだね」

 ルイナは紫青龍を見ながら、ニヤリと口元を緩ませながら見上げていた。

対紫青龍戦が続きます。果たして、無事に勝てるのか。

ルイナ・リアリティアは超パワーというよりかは、知略で攻めていくスタイルである。

現状では、紫青龍が他の魔物達を強化し、他の冒険者達がそれの露払いを行い、コールがリーナを乗せ、列車に戻り、ソリナメンバーと共にルイナが紫青龍攻略を開始したという感じになります。

果たして、この先どうなるのでしょうか。紫青龍に勝てるのか。


第298話、読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。