コード280「暗雲に紛れる龍の眼」
第280話
前回、角龍が飛渦龍になり
ハイブヘイヴン上空に、新種の龍、飛渦龍、出現。
そして、ハイブヘイヴン空挺監査部の国外に居る部隊から通信が入る。
「伝令です!空挺監査部、国外派遣部隊からの通信です!ハイブヘイヴンの外から大量の竜がこちら、ハイブヘイヴンに向かっている模様!竜災嵐警報です!繰り返します!」
また国内の翼竜達もそれを察知し、それぞれ暴れ、逃げ出す個体ばかりだった。
この異常事態に天守評議会がついに動き出す。
「竜達の好きにさせるな。へイヴベルの状況は?特に悪魔の件についてはどうなっている?」
「現在、悪魔の大量召喚を確認しております。また、召喚した悪魔が更に悪魔を召喚しており、現在増え続けている模様。その数、1000を超えようとしています。これは由々しき事態かと。いかがなさいますか。ヴェラーリオ様。」
天守評議会、司教者幹部の一人、ヴェラーリオ・グランディー。
神父の顔をも持つ彼は他、司教者や司祭者を指揮する立場にあり、
教皇に次いで偉いポジションに位置する立場の者である。
「たかが悪魔、どれだけ束になったとしても、私達の敵ではないが、数が多いのは面倒。取りこぼしがあれば探す羽目になる。司教者を50名集め、広範囲儀式天術を使え。一匹残らず、浄化しろ。」
「承知致しました。して、竜やあの未知の龍はどうされるおつもりで?」
ヴェラーリオは考える。未知なる龍の出現、それは一体どこから出て来たのか。
何故、街中に居るのか。
「……面倒だな。私も行く。だが、レオノーラを連れて来てくれ。あいつの力が必要になるだろう。」
と、そう伝えた瞬間、女性司教者が言いよどむ。
「えぇと…、そうなると予想して、先にレオノーラ様を探しに行ったのですけど…、その、見つからなくて~…。」
「こんな時に一体どこに行ってるんだ。悪魔騒動を止めに行ったとかか?まあいい。それなら、クラウディオス様に声をかけてくれ。」
「教皇様も現在、行方不明でして…。ヴェラーリオ様…。」
ヴェラーリオは頭を抱えてしまった。あの2人は大きな戦力になると同時に
居ないとなると、強大な敵に対して、後手となってしまうからだ。
「…、ちっ。広範囲儀式天術で悪魔共の片づけが終わったら、未知の龍の元へ、司教者、司祭者共に来いと伝えろ。手の空いている者は龍の相手を。それ以外の者らは儀式天術の準備を。急げ。それと…五天柱の残り2人に声を。」
天守評議会は即座に動き出す。
天術大教会はと言うと…、
「おらおらぁ!野郎共!住民は殺すなよ!縄で縛れ!出来るだけ怪我をさせるなよ!」
天術大教会を動かしたのは、ユージンだった。
そして、ユージンは現在、倉庫雲へ救助へ向かっていた。
「ソリナの皆さん~!おーい!」
翼竜のファーイと天術師が2人、数名の天術士が派遣されていた。
そこでは、教皇、サイファー、桃谷、月見里先生らが救助を待っていた。
教皇は天術師に任せ、何があったのか状況を説明した。
また街が今、どうなっているのかも、ソリナメンバーに共有される。
「そうか…、街は今、そのような事に…、くっ…、早く、あの悪魔を止めなければ…、私の責任だ。頼む、私を街まで連れて行ってくれ。」
ソリナメンバー3名は、顔を合わせ、頷いた。
「私達ソリナもこの国の為にお手伝い致します。」
荷竜車に皆乗り込んだところで、国中から、警報が鳴り響いた。
「"緊急警報発令!竜災嵐警報です!繰り返します!竜災嵐警報です!動ける守護者達は、雲海沿岸、最寄りの空挺監査部まで集まってください!繰り返します!!"」
耳が痛いほどに聞こえたアラートと放送がその危機感を助長させる。
またハイブヘイヴンは星空が見えるほどに綺麗な夜空が見えるはずなのだが、
今は、暗雲により、閉ざされている。それはまるで、人々の不安を表しているようだ。
「急いで向かいます!!ファーイ!頼む!!」
一方、その頃、モニカがリュカを捉え、目を離さなかった。
「厄介な事してくれたわね…、竜災嵐は…、下手したら国が壊滅するのに。逃げる為なら何だってするの?」
リュカはニヤリとモニカに笑みを向ける。
「私にとっては、それくらいしないとあなたやカナリー様から逃げられないと思ったまで。私だって、好きで国一つ滅ぼしたいわけないじゃないから。」
(モニカ・アルニラク…、全然目を離さないわね。マナさんとは違う感じで厄介だわ。ふぅ…、こうなったら…)
「赤碗龍之魔術<スペル・赤竜火>!青脚龍之魔術<スペル・青竜水>!」
燃え盛る炎ブレスと流る水流のカッターがモニカに向かって飛んで行く。
モニカはそれを分析しながら思考し、魔術を行使する。
(実力行使か…、確かにそれが一番効率が良い。でも…。)
「花装填鏡魔術<スペル・花弁枚>×2。」
リュカの魔術がモニカの魔術により、弾かれた。
(私の魔術が弾かれた…、仕組みは一体…モニカ、割と強いわね。)
モニカは防御魔術を使用し、リュカの魔術を弾きつつ、
リュカに魔力球を飛ばす。
リュカはその魔力球を躱し、龍の魔術を使用しつつ、
モニカに応戦していた。
(くっ…、モニカ。想像以上ね…、もっと動けないのかと思ってたのに。)
モニカはリュカの魔術を避けつつ、
以前に比べて、軽やかにふわりとしなやかに動き、
捕縛するべく、動いていた。
もう少しで届きそうなその時、飛渦龍からの邪魔が入ってしまう。
「あら、手助けしてくれるの?」
リュカはあまり期待していなかったが、これは思わぬ幸運だった。
「僕に名付けしてくれたし、困ってるように見えたからね。少しくらいなら、手助けしてあげるよ。」
モニカは飛渦龍の腕の攻撃を躱し、
どのように動くべきかを考える。
(龍眼ノ魔女、リュカ。この者からは話を聞かなくてはならない。でも、この龍が今は邪魔。あの魔術を使おうにも、ハイブヘイヴンの住民がそれなりに居るし、使えない。あの時は、ラリマーに他の人が居なくて、一瞬だけだったから上手く行ったけど…、どうしようかな…。)
モニカは苦戦を強いられる。龍眼ノ魔女だけだったなら、何とかなったかもしれないが、
未知の龍、飛渦龍が参戦するなら話は別だ。
(私一人で…、食い止められるだろうか?いや、難しいな…だとしても。)
そんな時、飛渦龍へ向け、どこからか攻撃が放たれる。
そこへ現れたのは、天術大教会から数名、天守評議会から数名、助っ人が来た。
「援護します!って…あれ?さっきの人は?」
リュカはモニカが目を離した隙に、物陰に潜み、魔力を限りなく遮断して、
夜闇に紛れ逃げ果せた。
「今は、まだ捕まるわけにはいかないんだから。また今度会いましょう。」
ヴェラーリオ・グランディー(男)
評議会に所属しており、割とお偉い参。結構、苦労人です。
五天柱の他の者には声をかける事が出来ていました。
リュカのピンチに飛渦龍が参戦。
リュカはモニカの前から何とか逃げる事に成功。
もうしばらくは行く末を確認したいと、まだ国内に留まっていた。
第280話、読んでいただきありがとうございます。




