コード276「レナードズ・サバト」
第276話
前回、ミアリーゼ達が分裂悪魔を討伐して
場面はレオナール&角龍視点
夜空に浮かぶは白き二本の角が輪のような龍。人々は空を見上げ、祈り願う。
角龍に祈りの力はどんどん溜まっていき、遂にはその祈りの力が角龍を包み込む。
「じゃあ、レオナール。僕はこのまま、もっともっと力を溜めて、吸収していくから、待ってて。」
そう言うと角龍は繭のような姿となり、空に浮かんで行った。
特にする事も無くなってしまったレオナール。
天空都市の人々を見ると、祈り終わった者も居たり、
皆が普通の生活に戻り始めていた。
「…何か、気に食わないな。」
人間共が、何食わぬ顔で元の生活に戻る。
さっきまで俺の催眠を受けていた。
催眠を受けていたという事実さえも知らず、
角龍の野郎は繭に閉じ籠って何かしてるし、
本来ならば、角龍と共にこの都市を襲う計画を立てていた。
だが、その肝心の角龍がこの場に居ない。
「いや…俺だけでもどこまで出来るのかを知りたいし…、本番前の小手調べと行こうじゃないか。」
レオナールは山羊風の仮面を作り、それを被る。
「へへっ、本番前にバレちまったら最悪だしなぁ。最高の体を手に入れたんだ。最高の舞台でぶっ潰さないと気持ち良くねぇよなぁ!」
小手調べとは言ったが、具体的に何をするのかは決めていた。
「はは…この体になって、小悪魔召喚で出せる悪魔が更に増えた…、今なら…、本体のパフォーマンスを下げずに…300体…嫌そいつらを分裂させれば倍は出せそうだ…最高だな、おい!じゃあ…マジで行くぜ…。
多種悪魔召喚魔術<スペル・悪魔之宴会>!!!」
レオナールは大きな魔術を発動させる為に大量の魔力を消費したが、
「この女の天光を魔力に変換するだけで…。全回復♪」
レオナールの魔力が全て、元通りになってしまった。
「さぁ…、俺達の、宴会を始めようじゃないか!悪いな、角龍。先に始めてるぜ。」
へイヴベルに大量の悪魔が湧き始め、街中、大混乱に陥ってしまった。
一方、ファーイに乗ったユージンは、一足先に天術大教会に向かっていた。
「ファーイ!ありがとう!待機していてくれ!」
天守評議会か迷ったが、天術大教会の方が柔軟な考え方が多く、
また、面倒な手続きが無い分、こちらの方が手っ取り早く行動が出来ると考えていた。
(評議会の連中より…こっちの方が絶対良い!そもそも動いてくれないかもしれないし!)
「す、すみません!助けてください!!」
ユージンは天術大教会本部に駆け込み、受付嬢に話を通す。
のだが、ギルドマスターは多忙らしく、不在なようだった。
「ギルドマスターじゃなくても良い!誰でも良い!強い人、数人手助けが必要なんだ!」
必死な様子のユージンだったが、強面の奴らがそんなユージンの方を見ると、
ユージンは、委縮してしまった。
「えっと…その~…。あの、ちょ、ちょっと待って!数人…助けに来て欲しくて…」
強面の圧力によって、ユージンは押されてしまった。
その頃、倉庫雲に取り残されたソリナメンバー達は、
クラウディオスが居る所へ到達していた。
「教皇様がどうしてこんな所で…。少しでも回復させないと。慰光…。」
慰光。回復特化した、微量の光の回復技であり、
これは、天光の応用技となっている。
長い時間をかけ、じっくり光を当てれば、確実に治り、
短い時間、強い光を当てれば、その時は治るのだが、
後々になって傷が開いたりしてしまう。
「ダメです…、今、簡単にくっ付けてしまうと後で傷が戻ってしまいます…。もっと時間をかければ…。」
ミアリーゼは慰光はまだ苦手らしく、手こずっていた。
「私に任せて。勇者としての力、見せないとだね!先生!手伝って!」
桃谷と月見里先生が2人係で、教皇の手当てを始めた。
「行くよ…先生。<スキル・ヒール>。」
慰光と似た光だったが、こちらのヒール、実は魂の回復であり、
回復速度が桁違いであった。
(ねえ、マター。これって…原理どうなってるの?魂の回復なのは分かるけど…)
"勇者様、それについては傷付いた魂の書き替…dgzいms…。発言権が無くなりました。"
マターシステムがまた調子が悪くなった。けど、今回のは流石に分かった。
魂の書き換え。それがヒール。
(…なーんか、プログラミングみたい。傷というエラーコードを、ヒールという名の書き換えで元に戻す…的な。)
桃谷は思考を続けながら、教皇の手当てを急いでいた。
しばらくが経ち、クラウディオスが目を覚ます。
「ここは…、はっ!レオノーラは!?」
そこで姉の名が出た。何かあったのだろうか。
クラウディオスから何があったのかゆっくりと全てを聞いた。
「ここから…、私は天守評議会に報告し、ミアリーゼを捕獲しなくてはならない。」
その後は?
ミアリーゼは声が出なかった。
「……そ、その後…お姉様は…どうなるんですか。」
「悪魔祓いを施す。だが…絶対に連れ戻すつもりだ。」
悪魔祓い。精神的な苦痛と、悪魔の最後のあがきにより、
憑かれた者が命を落とす可能性があるもの。
そんなの…、
「そんなの…、絶対にいけませんわ!評議会の悪魔祓いのやり方は強制的に引き剥がすようなやり方です!信用出来ません!」
評議会のやり方でやるくらいなら…、私が…!
やった事ありませんけど…
「…ちょっと行ってきます。」
クラウディオスが制止しようとするのだが、
光の盾がそれを防いだ。
「心配せずとも…私が何とかしてみせますから。」
ミアリーゼは光の盾を出し、それの上にボードに座るように、宙に浮かんだ。
天術で出した光の盾は宙に浮かんでいる。
物理的に乗る事が可能な為、盾を出している間は疑似的に空を飛ぶことが出来た。
「ま、待ちなさい…!悪魔は狡猾で体の主導権を…ぐっ!」
急に体を動かしたせいで教皇は苦しむ。
彼はミアリーゼに手を伸ばすがそれは既に遅かった。
「待っていてください…お姉様!」
角龍は覚醒待ちであり、レオナールは独自魔術にて街に悪魔を解き放ちました。
また、勇者の扱うヒールがどういうものなのか、ぼんやりと分かりましたね。
魂のエラーを修復するようなもの、それがヒールでした。
教皇をとりあえず救い、ミアリーゼがレオノーラ救出に動き出しました。
果たして、どうなるんでしょう。
第276話、読んでいただきありがとうございます。




