#38 よっぱライダーヴィザードリックス
麗美と蘭子は吸血鬼の姉妹である。
生活の保障と引き換えに国家への協力を要求された2人は、社会に紛れて人を喰らう無法の吸血鬼たちと長年戦ってきた。
その結果、吸血鬼による犯罪は激減し、姉妹の仕事はもっぱら自宅警備と宅配受取になった。
この物語は、そんな哀れな吸血鬼姉妹の生年月日からすればとっくに成人な姉、麗美と、
生年月日からすればとっくに成人な妹、蘭子と、
生年月日からすればとっくに子どもじゃないはずな対吸血鬼班の刑事であるジローの壮絶な戦いを記した短篇集である。
「頭いてぇ……」
昨日、麗美と酒盛りをしたジローはそのまま睡眠し、ただいま二日酔い状態で起床。一方の麗美も、ベッドの上で「あ~、う~……」って感じでダウンしていた。
「……なんか昨日変なことしたような気がする」
そう呟くジローを見つめる、隙間からの視線。酒盛りに参加しなかった蘭子が、自室から2人を覗いていた。
「俺、昨日なにも変なことしなかったよな……?」
ジローが蘭子に問いかけると、彼女はWebカメラが接続されたノートパソコンを渡して来た。そんなもの持ってたのね。
画面に映っていたのは、昨日のものと思われる酒盛りの映像。ジローと麗美が陽気に笑いあっていた。
―――
「ジロ~、わたしってきゃわいいよね? ね?」
「かわいくねぇよバカ、バーカ!」
「かわいくないなら、ちゅ~してみなさいよ、ちゅ~!」
「こやつめ、ははは。やってやるです」
ジロー、麗美のおデコにキス。
「もっとMOTTO~」
「しつこいしつこい。かわいいやっちゃめ~」
ジロー、麗美の唇に接吻。
「つぎ、ぎゅーっとして。むぎゅーーーっての!」
「わかったさー、わかったさーー!」
ジロー、麗美抱きしめる。
―――
ジローがトイレにダッシュし、盛大に吐いた。




