#35 もし現代の一般人がドラッキュラーの血族になったら
麗美と蘭子は吸血鬼の姉妹である。
生活の保障と引き換えに国家への協力を要求された2人は、社会に紛れて人を喰らう無法の吸血鬼たちと長年戦ってきた。
その結果、吸血鬼による犯罪は激減し、姉妹の仕事はもっぱら自宅警備と宅配受取になった。
この物語は、そんな哀れな吸血鬼姉妹の警察にお世話になる前は大変だった姉、麗美と、
警察にお世話になる前もひきこもってた妹、蘭子と、
警察にお世話になる前は学生だった対吸血鬼班の刑事であるジローの壮絶な戦いを記した短篇集である。
「お前ら、あんまり吸血鬼らしいことしてないよな」
ジローの呆れたかのような発言。麗美は不機嫌そうに言い返す。
「だったら、もしジローが吸血鬼だったらどうするの?」
「そりゃ、巨乳美人の血を吸って……」
「あんまり吸いすぎると、相手も吸血鬼になって大変よ。警察にもすぐバレるわ」
「じゃあ魅了術で巨乳美人に世話してもらいながら、別の女の血を……」
「意外に魅了の幻術は一時的な効果しかないし、色んな家で血を吸ってたらやっぱり警察にバレちゃうわ」
うーん、とジローが頭を捻る。カロリーが脳や頭髪ではなく筋肉に行っているせいで、思考時間は長い。
「分かった。自分の力を貸す代わりに色々と世話してもらえばいい」
「うん。私たち姉妹がやってるのと同じことね」
「……」
「……」
「…………アレ? もしかしてお前らってわりと吸血鬼らしい生活してるのか……?」
他の進路としては犯罪組織の用心棒や看護師さんのヒモがあります。




