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#26 箱の中身はなんじゃろうっほいぇー

 麗美と蘭子は吸血鬼の姉妹である。

 生活の保障と引き換えに国家への協力を要求された2人は、社会に紛れて人を喰らう無法の吸血鬼たちと長年戦ってきた。

 その結果、吸血鬼による犯罪は激減し、姉妹の仕事はもっぱら自宅警備と宅配受取になった。


 この物語は、そんな哀れな吸血鬼姉妹の棺桶でちゃんと寝るのが夢な姉、麗美と、

 昔のLDボックスが捨てられない妹、蘭子と、

 ダンボールに隠れて潜入する特訓を真剣にやろうとした過去のある対吸血鬼班の刑事であるジローの壮絶な戦いを記した短篇集である。


 蘭子宛に届いた通販のダンボール箱を挟んで、麗美とジローが論じ合っている。

「この大きさから考えるに、これはBLゲーだと思うのよね」

「いや、重量からすると本……BL小説だな」

 蘭子はそんな2人を引き戸の隙間から見つめる。

「本だけじゃこんなに大きなダンボールで来ないでしょ」

「意外に本だけでも妙にデカい箱に入れてくる場合があるんだよ」

 蘭子はそんな2人を引き戸の隙間から見つめる。

「小説だとここまで大きい箱はありえないわ」

「3冊くらい一気に頼んだんじゃねぇの」

 蘭子はそんな2人を引き戸の隙間から見つめる。

「それだともっと重いはずだわ」

「かと言ってパソゲーだけだとこんなに軽くは無いな」

 蘭子はそんな2人を引き戸の隙間から見つめる。

「で、どっちなの?」

「で、どっちなんだ?」

 同時に蘭子の方を向く、2人の馬鹿。

「りょ、両方注文した……」

「引き分けね」

「くそ、今回は勝てると思ったんだが」

 蘭子が通販で購入した商品を当てるのが、麗美とジローの最近のブームだった。

「引っ越したい……」

 生活力ゼロの蘭子が、曇って嘆いていた。

 


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