#27 ひきこもりグラデュエイション!
麗美と蘭子は吸血鬼の姉妹である。
生活の保障と引き換えに国家への協力を要求された2人は、社会に紛れて人を喰らう無法の吸血鬼たちと長年戦ってきた。
その結果、吸血鬼による犯罪は激減し、姉妹の仕事はもっぱら自宅警備と宅配受取になった。
この物語は、そんな哀れな吸血鬼姉妹の深夜のコンビニには行く姉、麗美と、
1人では基本出歩かない妹、蘭子と、
足がくさい対吸血鬼班の刑事であるジローの壮絶な戦いを記した短篇集である。
「蘭子のひきこもりを治す方法ってないかしら……」
麗美がぽつりと呟く。
「いや、そういうお前も相当ひきこもりだからな……」
「それでも、もっと外に出るべきだと思うの」
「なんか真面目に答えるのも面倒臭いから、無理矢理引きずりだせば良いんじゃね?」
ジローがなげやりに答えた。
「そうね、ここは腕力よ!」
そう言って妹の部屋に突入する馬鹿。
「蘭子、たまには外に遊びに行くわよ!」
「えぇ~……」
蘭子は不服そうに返事をする。
「というかゲーセン行きたい! 私が!」
「お前がかよ」
ジローのツッコミをスルーして、麗美が言葉を続ける。
「夜のゲームセンターでプライズを獲得するのが、吸血鬼の使命!」
「あ、そういえば欲しいのがあったかも……」
「うん、それなら決まりね! 行きましょう、蘭子!」
「俺は行かねぇぞ」
「貴方だけひきこもらすわけには行かないわ! みんなで脱・ひきこもり!」
こうして麗美と蘭子とジローは、夜の街へと繰り出す。
15歳前後の容姿である姉妹と、三十路手前の男の夜遊びが幕を開けた。
で、また職質されました。
交番で「またあんたらか」とか言われました。




